Change arms ~過去が残した宝~ 【2】
題 『Change arms ~過去が残した宝~ 』 作 O.バークライト
第一章『二人の訪問者』
この誰にも知られていない隠れた物語の始まりを告げに来た男は、
葉もほのかに色づき始めたある秋の日の朝に現れた。
「すいませ~ん、誰かいませんか~?」
その男は20代半ばのように見え、ドアの前で間延びした声を響かせている。
そして男の隣には12、3才ほどの少女が立っていた。周りにはまだ朝も早いので人
の姿は無い。
はたから見るとその二人は親子にはとても見えなかった。
「は~い、どちらさまでしょうか?」
男の呼びかけに少ししてミントが外に出て来た。
男と少女はその間ただ黙ってドアの前にいたようだ。
「おはようございます、ルーングロムさんの使いの者ですがクレスさんはいません
か?」
「とりあえず中にどうぞ。」
「これはご丁寧にどうも。」
応対をしたミントが男と少女に入るように言うと、男はかぶった帽子を一度手に持ち
軽く礼をした。
「あなたのなまえは?」
つい先ほどミントに起こされて、まだ少し寝ぼけ眼のクレスがその男に名を尋ねた。
ミントは二人を中に招くと、客間で待っていてもらいその間にクレスを起こしてい
た。
「私の名前はワーグドネルズ=レイリルです。ワーグでいいですよ。」
「それじゃぁ、ワーグさん。ご用件は何ですか?」
「まずはこの子を見ていてください、サリエル・・・変化!」
ワーグは少し無口な少女の方を向いてその腕を少女の額に触れると叫んだ。
その直後、少女は一瞬強く光り輝きその姿を小さな客間から消した。
「き、消えた?クレス、あそこにいた女の子消えたぞ?!」
いつの間にか、客が来たこの騒ぎで目を覚ましていた
チェスターが横からその光景を見ていたらしく驚いている。
「ここにいますよ、さぁサリエル挨拶を。」
軽く微笑みながらそう言ったワーグはいつの間にかその腕に小さな手甲をはめてい
た。
シルバーパープルを基調とした、美しい装飾のある手甲にワーグが話し掛けているよ
うに見える。
「こんにちは・・・。」
「しゃべった?ワーグさん今、手甲が・・・。」
「そうです。さっきのサリエルは今はこの手甲です。私は武術の心得があるんです。
そして、今のサリエルのような者の事を『Change arms』と言いま
す。」
「チェンジ・・・アームズ・・・。」
「つまり変化できる武器って事か。」
チェスターがサリエルを少し見て一言そう言った。
やはりサリエルは無口らしく、今も静かにしてそのままの状態である。
「チェンジアームズは略称を変化武器と言い、持ち主をある程度自分で選びます。
変化武器は、主と決めた人間には最も適した武器へと姿を変えて仕えるのです
私の場合は手甲へと変化します。サリエル、戻っていいよ。」
ワーグは一通り変化武器の特徴を述べるとサリエルを人の姿へと戻した。
「ではワーグさんがここに来たのは、変化武器について何らかの事情があるからなん
ですか?」
「それは直接ルーングロムさんに聞かれた方がいいですよ。」
「と、いうことは今から城に行くんだな。三人とも行くぞ!」
「アーチェさんを急いで起こしてきます。」
皆が出発の準備を整えている中ミントは一人、まだ眠っているアーチェを起こしに
行った。
・ ・ ・
五人がアルヴァニスタの城に着くと、ワーグが門番に取り合って中に入った。
「お久しぶりですルーングロムさん。」
「本当に久しぶりだね。皆さん元気だったかな?
いきなり呼んだりしてすまないね。早速だが本題に移ろうか。」
ルーングロムの話をまとめるとこうだった。
変化武器を作ったのは文献によるとドワーフらしく、彼等の作った武器にエルフが、
魂を宿らせた物らしい。そして近頃何度も変化武器が各地で盗まれているらしく、
それを防ぐためにクレス達に封印が施されているはずの場所へ行ってもらい、
保護して欲しいと言うものだった。そして変化武器は大抵、精霊の居る場所にあるそ
うだ。
「頼めるかな?」
「もちろんです!この話は僕達が引き受けさせてもらいたいです。」
クレスはルーングロムの説明を聞いてうなずいた。
「みんなもいいよね?」
「俺はかまわねーぜ。」
「私はかまいません。」
「私も別にいいよ。」
「それならワーグ君も連れて行ってくれ。彼ならきっと役に立ってくれるだろう。」
「はい、それではよろしくクレス君。」
「こちらこそよろしく。」
ワーグとクレスの二人は固く握手を交わし、その場を後にした。
あとがき
こんにちはバークライトです。ついに始まりました本編w
楽しみにしていてくれた人が何人いるのか・・・・・・・・
それはどうあれこの話は、おもいっきり長く書きたいなと思ってます。
もしかしたら十章行っちゃうかもしれないなぁ・・・。
まぁこれからも続きは書いてくので次の話も乞うご期待です!
第一章『二人の訪問者』
この誰にも知られていない隠れた物語の始まりを告げに来た男は、
葉もほのかに色づき始めたある秋の日の朝に現れた。
「すいませ~ん、誰かいませんか~?」
その男は20代半ばのように見え、ドアの前で間延びした声を響かせている。
そして男の隣には12、3才ほどの少女が立っていた。周りにはまだ朝も早いので人
の姿は無い。
はたから見るとその二人は親子にはとても見えなかった。
「は~い、どちらさまでしょうか?」
男の呼びかけに少ししてミントが外に出て来た。
男と少女はその間ただ黙ってドアの前にいたようだ。
「おはようございます、ルーングロムさんの使いの者ですがクレスさんはいません
か?」
「とりあえず中にどうぞ。」
「これはご丁寧にどうも。」
応対をしたミントが男と少女に入るように言うと、男はかぶった帽子を一度手に持ち
軽く礼をした。
「あなたのなまえは?」
つい先ほどミントに起こされて、まだ少し寝ぼけ眼のクレスがその男に名を尋ねた。
ミントは二人を中に招くと、客間で待っていてもらいその間にクレスを起こしてい
た。
「私の名前はワーグドネルズ=レイリルです。ワーグでいいですよ。」
「それじゃぁ、ワーグさん。ご用件は何ですか?」
「まずはこの子を見ていてください、サリエル・・・変化!」
ワーグは少し無口な少女の方を向いてその腕を少女の額に触れると叫んだ。
その直後、少女は一瞬強く光り輝きその姿を小さな客間から消した。
「き、消えた?クレス、あそこにいた女の子消えたぞ?!」
いつの間にか、客が来たこの騒ぎで目を覚ましていた
チェスターが横からその光景を見ていたらしく驚いている。
「ここにいますよ、さぁサリエル挨拶を。」
軽く微笑みながらそう言ったワーグはいつの間にかその腕に小さな手甲をはめてい
た。
シルバーパープルを基調とした、美しい装飾のある手甲にワーグが話し掛けているよ
うに見える。
「こんにちは・・・。」
「しゃべった?ワーグさん今、手甲が・・・。」
「そうです。さっきのサリエルは今はこの手甲です。私は武術の心得があるんです。
そして、今のサリエルのような者の事を『Change arms』と言いま
す。」
「チェンジ・・・アームズ・・・。」
「つまり変化できる武器って事か。」
チェスターがサリエルを少し見て一言そう言った。
やはりサリエルは無口らしく、今も静かにしてそのままの状態である。
「チェンジアームズは略称を変化武器と言い、持ち主をある程度自分で選びます。
変化武器は、主と決めた人間には最も適した武器へと姿を変えて仕えるのです
私の場合は手甲へと変化します。サリエル、戻っていいよ。」
ワーグは一通り変化武器の特徴を述べるとサリエルを人の姿へと戻した。
「ではワーグさんがここに来たのは、変化武器について何らかの事情があるからなん
ですか?」
「それは直接ルーングロムさんに聞かれた方がいいですよ。」
「と、いうことは今から城に行くんだな。三人とも行くぞ!」
「アーチェさんを急いで起こしてきます。」
皆が出発の準備を整えている中ミントは一人、まだ眠っているアーチェを起こしに
行った。
・ ・ ・
五人がアルヴァニスタの城に着くと、ワーグが門番に取り合って中に入った。
「お久しぶりですルーングロムさん。」
「本当に久しぶりだね。皆さん元気だったかな?
いきなり呼んだりしてすまないね。早速だが本題に移ろうか。」
ルーングロムの話をまとめるとこうだった。
変化武器を作ったのは文献によるとドワーフらしく、彼等の作った武器にエルフが、
魂を宿らせた物らしい。そして近頃何度も変化武器が各地で盗まれているらしく、
それを防ぐためにクレス達に封印が施されているはずの場所へ行ってもらい、
保護して欲しいと言うものだった。そして変化武器は大抵、精霊の居る場所にあるそ
うだ。
「頼めるかな?」
「もちろんです!この話は僕達が引き受けさせてもらいたいです。」
クレスはルーングロムの説明を聞いてうなずいた。
「みんなもいいよね?」
「俺はかまわねーぜ。」
「私はかまいません。」
「私も別にいいよ。」
「それならワーグ君も連れて行ってくれ。彼ならきっと役に立ってくれるだろう。」
「はい、それではよろしくクレス君。」
「こちらこそよろしく。」
ワーグとクレスの二人は固く握手を交わし、その場を後にした。
あとがき
こんにちはバークライトです。ついに始まりました本編w
楽しみにしていてくれた人が何人いるのか・・・・・・・・
それはどうあれこの話は、おもいっきり長く書きたいなと思ってます。
もしかしたら十章行っちゃうかもしれないなぁ・・・。
まぁこれからも続きは書いてくので次の話も乞うご期待です!