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懐かしき仲間とともに【2】

作 緋色の龍

第二章 悲しみの再会。



前回のあらすじ、アセリア暦4306年トーティス村で暮らしている、
元英雄のクレス、ミント夫妻とチェスターに、手紙がきた。
それは、同じ元英雄のアーチェが死んだというしらせだった!

チェスター「・・そんな・・・・ば・かな・・・。」
チェスターの声は今にも倒れそうなくらい弱弱しい声だった。
クレス「・・・・・チェスター・・・・・・・。」
チェスター「貸せ!!」
チェスターはクレスから手紙を奪うと急いで目を通した。
手紙にはこう書かれていた。

トーティスのアルベイン夫妻とチェスター様へ。

このたびこのような御手紙を出した理由は、
皆さんの仲間、アーチェ・クラインの・・・・・・・
死亡をお伝えするための物であります。
本日より3日後の7日に葬儀を開きますゆえ、
ぜひ御出席の方よろしくお願いします。

      エルフの里 族長
           ブラムバルド・ミレネー

チェスター「・・・あ・・あ・・・・あ・・・・・・」
チェスターは声にならない声を出した・・・。
その頬には、涙が流れ続けた・・・。
ミント「・・・・チェスターさ・・。」
ミントの声はクレスがミントの肩に手をおいて止められた・・・。
クレス「・・ミント・・・・今は・・・・・。」
ミント「・・・はい・・・・・・・そうですね・・。」
クレスとミントはしばらくチェスターを一人にしておくことにした。
二人にはチェスターの気持ちは痛いほどわかっていた。
大切な人を無くす哀しさ・・・悔しさ・・・怒り・・・。
クレスは父と母を・・・ミントも最愛の母を・・・・・。
そしてチェスターもただ一人の血のつながった妹・・・アミィを。
ダオスに操られたマルスによって・・・・・・・。
そんな・・・チェスターに今度は愛すべき人を・・・・・・・・。
二人はとりあえずチェスターの分もいれて、葬式の準備をするため家に帰っていった。
翌日・・・。
クレスとミントは葬式の仕度をしてチェスターの家にきた。
クレス「チェスター行けるかな・・・。」
ミント「チェスターさんだったら、きっと大丈夫ですよ。」
ミントの暖かい笑顔を見てクレスはそのとおりだと思った。
クレス「・・・チェスター・・・そろそろ・・。」
そういいかけた時不意にドアが開いた。
チェスター「おう!行こうぜ!」
チェスターのおもってもみない反応に少し驚きながらクレスは言った。
クレス「あ、ああ。行こう。」
チェスター「よし!まず目指すはベネツィアだ!」
クレスとミントそれにチェスターはベネツィアにむかった。
トーティスの村からベネツィアまでは約一日半だが、
出発が一日遅れたせいで今日中にベネツィアについて船に乗って、
アルヴァニスタへ行かなければならない。
ちなみにクレス達いるユークリッド大陸から、エルフの里があるアルヴァニスタ大陸までは、
船で約半日かかり、さらに徒歩で丸一日かかる。
そのため今日中に乗るには朝早くから出かけなくてはならない。
チェスター「はあーこんな時レアバードがあったらなぁ・・・・・なあ!クレス!」
クレス「え!そ、そうだね。」
レアバードとは未来でクレス達が乗っていた乗り物で、
一人乗りで空を飛ぶが出力が足りず、
雷の精霊ヴォルトの力を借りてやっと長時間飛べるようになった。
ちなみにアーチェは箒をパワーアップしてもらい飛んでいた。
チェスター「あいつは一人で箒に乗って・・・・!」
クレス・ミント「・・・・・・・・・・・。」
チェスター「・・・・・悪ぃ・・・。」
クレス・ミント「・・・・・・・・・・・・・・・。」
そうこうしている内にベネツィアが見えてきた。
チェスター「よし!早いとこ船に乗ってアルヴァニスタへ行こうぜ!」
三人は船に乗り、やがて出航した。
チェスター「まったく!」
クレス・ミント「え!?」
突然チェスターが怒った口調で、話し出した。
チェスター「勝手に一人で死にやがって!棺桶開けてぶん殴ってやる!!」
クレス・ミント「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。」
しかし、クレスとミントは知っていた。
チェスターが二人を心配させまいと、から元気をしている事を。
そしてチェスターが話すこと全てにアーチェが出てきた事を。
そして、アーチェの話が出たあと必ず悲しげな表情をする事を・・・・・・。

次回 悲しき棺へ続く










どうも!作者の緋色の龍です!
え?サブタイトルの<再会>ってところがないって?
わかりませんか?わかりませんね?
この<再会>というのは目に見えるものでなく、
心の中での再会なんです。
封じ込められていた悲しい記憶が・・・・・
忘れたくても忘れられない思いが・・・・・
また会ってしまったんです。
やっぱり難しかったでしょうか?
でも次は棺を見るんで・・・・(嬉しくない?)
ちなみにこれを書いてるのは次の日です。
一日で新しいのを創るのは辛い・・・。
でも楽しいから書きたい!
おっと!そろそろお別れの時間です。
では、また。

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