すず・OF・フューチャー【5】
すず・OF・フューチャー
オスロン「・・・・・・・・・・・・・」
ミシー「なにやってんのオスロン。」
オスロン「ああ・・・・俺たち前回でなかったなって・・・」
ミシー「ええ・・・・・これじゃ全国5000万のあたしのファンが悲しむからね・・・」
オスロン(そんなには絶対に、いないな・・・・・)
ミシー「そういえばあいつもうボロが出たのよねー。」
オスロン「ボロ?ゼロが?」
ミシー「ぷ!それってギャグ?ゼロがボロって!」
オスロン「い、いや・・・狙ったわけじゃないんだが・・・・」
ミシー「冗談よ!・・・あいつは何事にも動じないクールな奴がかっこいいと思ってるけど、」
オスロン「かっこいいんじゃないのか?」
ミシー「まあそうなんだけど・・・あいつは根が優しいからそれを出した方がモテるのに。」
オスロン「そ、そうなのか?」
ミシー「あらー・・・・気になるの?」
オスロン「ベ、別に・・と、ところで俺のあらすじの説明はいつなんだ?」
ミシー「あ!忘れてた!もう始まってる時間よ!」
オスロン「え!うそだろ!!」
ミシー「ほら!早くやっちゃってやっちゃって!」
オスロン「あ!えっと・・・なんだ・・・・ゼロとすずはミゲールに・・俺とミシーはそこを目指し・・・」
作者「・・・・・・とある事情によりこの先はカットさせて頂きます(ペコリ)・・・・ではどうぞ!」
第五章 一時・NO・ヘイオン(前編)
ゼロ「・・・・・う!・・・・・ここは・・・?」
レアバードが落ちてから3日後ゼロはやっと気が付いた。
ゼロ「俺は・・・・・・そうだ!すずは!!?」
ゼロが寝ていたベッドの横で椅子に座ったすずが小さな寝息をたてながら寝むっている。
ゼロ「・・・・・・ひょっとして・・・・ずっと診ててくれたのか?」
すず「・・・ん・・・・あ!ゼロさんだいじょうぶですか!?まだ痛いところは!」
ゼロはあまりにもすごいすずの反応に驚いた。
ゼロ「あ、ああ・・・もうだいじょうぶだ。」
すず「そうですか・・・・良かった・・・。」
そこでゼロは意を決してすずに問い掛けた。
ゼロ「・・・すずが・・・・診ててくれたのか?」
すず「はい・・・・私のせいでゼロさんが目を覚まさなかったらどうしようって・・・思って・・・」
そう言ったすずは今にも泣き出しそうな顔をしていた。
ゼロ「俺はだいじょうぶだから・・・・そんな顔すんなよ。」
すず「・・・・・・ゼロさん・・・」
ゼロ「・・・・・すず・・・・」
そして二人は見つめ合う・・・・
????「おーい!起きたか寝ぼすけー!」
そこに現れたのは唯一ほとんど容姿が変わっていないアーチェだった。
突然のアーチェの訪問により二人は、あ!と声を出し顔を赤くしてぱっと反対の方向を向いた。
アーチェ「あ、あれ?・・・・もしかしてあたし邪魔だったかな?」
アーチェの言葉にいち早く反応したのはゼロだった。
ゼロ「な!なに言ってんだ!アーチェばあちゃん!・・・・・!(しまった!)」
ゼロは慌てて口を塞いだがもう後の祭りだ。
すず「・・・・・・その事は・・・クレスさん達から聞きました。」
ゼロ「!!・・・・・そうか・・・なら俺の名前も聞いたんだな?」
そう言ってゼロは付けていた仮面を外した。
ブラウンの目と髪・・・それと口もとしか見えなかった顔が初めて全てを見せた。
すず「・・・はい・・・ゼ・・フォルスさん・・・」
フォルス「・・・・・・・・・・そうか・・・・・」
すずはその時何故かはわからなかったが、フォルスの顔が悲しく見えた。
しばらくの沈黙の後、廊下の方から慌ただしい音が聞こえてきた。
???「フォルスが目を覚ましたって!?」
?????「本当なのか!?」
???「ええ!さっきアーチェさんといっしょにきた時に!」
????「フォルスはだいじょうぶなのか!?」
???「落ち着かないと状況を把握できないでしょ!」
フォルス「・・・・はあ・・・・・来た・・・・」
バン!と、扉が開いた先には五人の人々が立っていた。
フォルス「父さんに母さん・・・クレス、チェスターじいちゃんにミントばあちゃんも・・」
そしてクレス達の後ろには大小様々な年齢の子供達もいた。
フォルス「ミアン、レオ、ミリエル、ロウ・・・みんな来たのか・・・・」
レオ「フォルスさん!生き返った?!」
ミアン「馬鹿ね!死んでないわよ!・・・・もうだいじょうぶですね・・・」
ミリエル「ねえ・・ロウ兄ちゃん・・・フォルス兄ちゃん生き返ったの?」
ロウ「始めから死んじゃいないの。・・・レオの話信じちゃダメだぞ。」
レオ「なんだと!ロウ!お前また俺にけんか売る気か!?」
ロウ「お前が嘘を言うからだ。」
ミアン「二人ともやめなさい!」
ちなみに今、アルベイン流は孤児院でもある。
チェスターとアーチェが結婚してから1年後、二人の子供が生まれた時に増築した。
クレス「もう起きてもいいのか!?」
フォルス「ああ・・・・だいじょうぶ。」
チェスター「本当なのか!?」
フォルス「ああ・・本当だ。」
イグミス「もうどこも痛くないんだな!?」
フォルス「ああ・・・痛くないから。」
男達の執拗な質問攻めを、フォルスは軽く流した。
その後ろではレオとロウが口論していて、ミアンはそれを止めようとしている。
ミント「そうなの・・・・よかった・・・・」
ミントは嬉し涙を流した。
フォルス「ああ・・・だから泣かないでくれ・・・」
ミント「フォルスの事・・・・ミレアも心配してたんだから・・・・」
ミレア「まったく・・・旅に出た息子が帰ってきたと思ったら重傷で帰ってきて・・・」
フォルス「か、母さん・・・・・その構えって・・・・まさか・・・」
ミレア「くらいなさい!ミレアラリアットー!!」
フォルス「ちょ!ちょっと!俺まだ治りたて・・・・ぐあ!」
ミレアのミレアラリアットはおもいっきりフォルスの首にヒットした。
すず「あの・・・・あなたは・・・・ゼ・・フォルスさんの・・・・」
ミレア「ええ母親よ・・・・・・・・ってあなた誰?」
すずは、フォルスが寝てる間ミレア以外とは自己紹介を終えていた。
だが、すずがミゲールに来た時、ミレアはアーリィで仕事をしていた。
そしてフォルスが重傷の便りを聞いてミレアが大急ぎでレアバードを借りようとしたとき、
無理やりにも借りようとして魔術を使い、誤って壊したせいで今まで足止めをくっていた。
すず「あの・・・・わたしは・・・・」
ミレア「ああ!あなたがフォルスといっしょにいたって言う、フォルスの彼女!」
すず「え!!?」
ミアン「!!・・・・・そうなの?!フォルスさん!?!」
フォルス「か、母さん!ミアンも違うんだ!」
ミレア「まあまあ照れないの!・・・バカな息子ですが、よろしくお願いします。」
ミレアはすずに向かって深々とお辞儀した。
ミアン(・・・・・・・・・・・・・・・・・・)
すず「あの・・その・・・・私は別に・・・ゼ、フォルスさんとは・・・こ、恋人・・・じゃ・・ないです・・」
すずが顔を真っ赤にして答えた後、同じく顔を真っ赤にしたフォルスも答える。
フォルス「そ、そうだ!この子は藤林すず!あの伝説の女忍者の!!」
ミアン「・・え?・・・藤林すず?・・・・伝説?」
ミレア「・・・え?・・・・それって父さんや母さん達と一緒に旅をしたって言うあの・・」
チェスター「気付かなかったのか・・・見てるこっちが恥ずかしくなる誤解をして・・・」
ミアン(・・・・・・・・・・・良かった・・・)
レオ(・・・・・・・・・・)
アーチェ「でも・・・・我が娘ながら色恋沙汰には鋭いわね・・」
ミアン「い、色恋沙汰!?」
ミレア「え?!母さんじゃあ・・・・二人は!!」
フォルス「だから違うんだーー!!」
その5時間後・・・・
すず「ふう・・・・・夕方は驚いたな・・・・・」
あの後すぐにフォルスがみんなを(すずを含め)部屋から追い出した。
すずは二階にある部屋を借りて泊まることになった。
すず「・・・・・・恋・・人・・・か・・」
すずはベットの上でこの旅が始まる前に聞いたおしずの話を思い出した。
『すずちゃんはもう16でしょ?そろそろ恋とかしなきゃ!』
すず「・・・・・私・・・こんな性格だったっけ・・・・」
すずはダオスを倒す旅をしていた時、こんな話をアーチェから聞いた。
アーチェ『ねえすずちゃん・・・ミントって最近キレイにならなかった?』
すず『・・・私にはあまりわかりません・・でも・・・・そう言われて見ると・・』
アーチェ『ねえ!・・・はあ・・・やっぱり恋をするとキレイになる・・って言うあれかなあ・・・』
すず『恋・・・ですか?』
アーチェ『うん・・・最近ミントがボーっとしてる時あるでしょ?』
すず『はい・・・・でも・・それが何か?』
アーチェ『恋をするとね・・・その人の事しか考えられない時があるの。』
すず『そうなのですか?・・・・・私にはわかりません・・・』
アーチェ『ミントはさあ・・あたし達と、クレスとじゃ話し掛けた時の反応が違うんだよねー。』
すず『そうですか?私にはいつもと同じで優しくしてくれます。』
アーチェ『まあ・・ミントはもともとああいう性格だけど最近さらにね・・』
すず『・・・・・・・・私にはわかりません・・・忍者だからでしょうか・・・』
アーチェ『そんな事ないよ!・・・・すずちゃんは・・まだ恋をしてないだけ。』
すず『本当に・・・・そうなのですか?』
アーチェ『うん!すずちゃんも恋をしたらその人にもっとよく見られたいと思うよ♪』
すず『・・・・よく・・見られたい・・・・』
アーチェ『そう!だからミントはもっとクレスに好きになってくれる性格になりたいんだよ♪』
すず『そうなんですか・・・・・アーチェさんはいないのですか?好きな人・・』
アーチェ『え!?あ、あたし!?・・・あたしは・・別に・・・・』
チェスター『おい!お前ヘンな事すずに教えてるんじゃないだろうな。』
アーチェ『チェ、チェスター・・・・・・お、乙女会話に口を出すなバカー!』
チェスター『いて!お前いきなりなにすんだ!』
アーチェ『あたしに近づくなバカ―!』
チェスター『お、おい!人を馬鹿呼ばわりして逃げるなー!』
すず「私は・・・・私がゼ・・フォルスさんを想う気持ちは他の人とは・・・違う・・?」
すずは自分の胸をおさえて自分に聞いた。
すず「私の・・・性格が変わったのは・・・・ゼロ・・フォルスさんのせい?」
その時、部屋のドアからノックの音が聞こえた。
すず「あ、どうぞ。」
フォルス「・・・あの・・入るよ・・・・」
すず「ゼロさん!?」
すずは今、自分がしていた話をフォルスに聞かれたと思った。
すず「・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
フォルス「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
すずに部屋へ通されたが二人は沈黙したままだった。
すず「・・・・・あの・・・・今の話聞いていましたか?」
意を決してすずが口を開いた。
フォルス「え?!話・・・・してたの?」
すず「聞こえなかったんですね・・・・・なら・・いいです。」
フォルス「え?」
すず(え?!私なんでこんなそっけない態度を取るの!?)
すずは自分でもわからないけどフォルスにそっけない態度を取ってしまった。
すず「・・・・・・・・・・・・・・」
フォルス「・・・・・・・・・すず・・」
すず「・・・・・・・はい・・・・・・」
すずは思った、フォルスに嫌われたと・・・・
フォルス「・・・・・すず・・・明日さ・・・良かったら俺が町を案内しようか。」
すず「え?!」
すずは驚いた。嫌われたと思ったのに町を案内してくれるなんて・・
フォルス「俺が寝てる間ずっと診ててくれたから・・・・そのお礼に・・・・」
すず「あ、あの・・・・でも私・・・・・・」
すずが返答を困っていると思ったフォルスは・・・・
フォルス「・・ごめん・・他に用があるならいいよ・・・もっと気の利いた事出来ればよかったんだけどね・・」
そう言ってフォルスが部屋から出ようとした時。
すず「あ、待ってください・・・・・その・・是非・・・お願いします・・・」
フォルス「え?・・・あ、うんわかった・・・・明日3時に呼びに来るよ・・それでいい?」
すず「はい!」
フォルス「じゃあ、また明日。」
そう言ってフォルスはすずの部屋から出た。
フォルス「・・・・・・・・・良し!」
フォルスはガッツポーズをして自分の部屋へと戻っていった。
しかしフォルスは、隣の部屋で聞き耳を立てていたアーチェ達に気付かなかった。
アーチェ「・・・・・なるほど・・・フォルスは明日デートか・・・」
ミアン「フォルスさん・・・・・・・」
ミレア「やっぱり私の予想は正しかったのね・・・」
ミント「すずさんも・・嬉しそうでしたし・・・」
女性陣の会話に男性陣が口を出す。
クレス「ミント・・聞き耳は良くないと思うよ・・・」
チェスター「アーチェ・・お前いいかげんに耳離せよ・・」
レオ「ミアンは気にし過ぎなんだよ。」
イグミス「ミレア・・・・俺達は関係ないだろ・・・・」
男性陣からのツッコミ(?)に対し女性陣の返答は・・・・
ミアン「レ、レオ!あ、あんた何言ってんの!?」
レオ「ちょ、その構えはあ!あああああああ!!」
ロウ「うるさい!・・・静かにしろ・・・・ミリエルが起きるだろう・・」
ミリエル「・・・・・・スースー・・」
ミント「クレスさん!あなたはすずさんの事はどうでも良いんですか?!」
クレス「い、いや・・・そういうわけじゃないけど・・・・」
ミレア「イグミス!あなたは自分の息子はどうでも良いって言うの?!」
イグミス「い、いや・・・どうでもいいわけじゃないが・・・・」
アーチェ「しっ!静かに!また喋りだした!」
ミント「本当ですか?!アーチェさん!」
ミレア「どれどれ・・・・・」
ミアン「・・・・・・・・・・・・・」
クレス・チェスター・イグミス「・・・・・・・・・・・・・・・・」
女性陣の行動に対して男性陣は同じ事を考えた。
クレス・チェスター・イグミス「・・・・また・・・・・始まった・・・・」
どうもこの家に住む女性はみんな恋愛関係に首を突っ込みたがる性格のようだ。
とてもミントは70、アーチェは170歳を超えているとは思えない。
すず「・・・・ゼロさんと・・二人で・・」
二人・・・と言う言葉に顔を赤くするすず。
すず「わ、私は何を・・・・ゼロさんは案内を・・・案内・・・・」
やっぱりすずはフォルスと言うより、ゼロと言う方が呼びやすいようだ。
すず「・・・・・・・・明日3時・・・なにか楽しみだな・・」
アーチェ「楽しみ・・・ねえ・・・」
ミント「すずさん楽しそう・・・・若いっていいですねえ・・・」
レグミス「フォルスの奴!いつの間にこんな仲良くなったんだ!」
ミアン「・・・・・・・・・デート・・・なのかな・・」
レオ「や、やめろ!それ以上締め・・ああああ!!」
ロウはミリエルを部屋へ送りに行っていない。
すず「・・・今日はもう・・寝よう・・・・」
すずは着替え始めたようだ。
アーチェ「・・・・・・すずちゃん寝るって・・・」
チェスター「じゃあもう戻ろうぜ。」
クレス「年を取ると寝るのが早くな・・ふあ・・」
ミント「あ、クレスさん先に行っててください。」
ミレア「あ、あたしも!」
イグミス「そうか・・・・早く来いよ・・」
レオ「だ、誰か手を・・・・こ、腰がぁぁぁ」
クレス「だ、だいじょうぶか?レオ・・・・」
レオ「は・・・い・・・・明・日には・・治ります・・か・・ら・・・」
クレス(あいかわらず強い・・・・)
男性陣「おやすみ。」
女性陣「おやすみ!」
男性陣はそれぞれの部屋へ戻っていった。(レオはレグミスに連れられ)
アーチェ「・・・・行ったね・・・」
ミント「はい・・・」
ミレア「じゃあ明日の計画を立てよう・・」
ミアン「はい!!」
4人が戻ったのはその3時間後だった。
次回 第六章 一時・NO・ヘイオン(後編)に続く
どうも!作者の緋色の龍です!
この一章で終らせるつもりが、前後編になってしまいました。(すみません)
ちなみにサブタイトルの一時は<いちじ>ではなく<いっとき>です。(あんま変わんないか。)
予想以上に長く書きましたがすごく書きたかったから・・(自分で書いてて恥ずかしい事も・・・)
また新しく、自分の一番長い文章の記録を更新したな・・・・
この小説を見てくれた方ありがとうございます。・・・・では今日はこの辺で・・・
では、また。(この<では、また。>も毎回書いてるなあ)
オスロン「・・・・・・・・・・・・・」
ミシー「なにやってんのオスロン。」
オスロン「ああ・・・・俺たち前回でなかったなって・・・」
ミシー「ええ・・・・・これじゃ全国5000万のあたしのファンが悲しむからね・・・」
オスロン(そんなには絶対に、いないな・・・・・)
ミシー「そういえばあいつもうボロが出たのよねー。」
オスロン「ボロ?ゼロが?」
ミシー「ぷ!それってギャグ?ゼロがボロって!」
オスロン「い、いや・・・狙ったわけじゃないんだが・・・・」
ミシー「冗談よ!・・・あいつは何事にも動じないクールな奴がかっこいいと思ってるけど、」
オスロン「かっこいいんじゃないのか?」
ミシー「まあそうなんだけど・・・あいつは根が優しいからそれを出した方がモテるのに。」
オスロン「そ、そうなのか?」
ミシー「あらー・・・・気になるの?」
オスロン「ベ、別に・・と、ところで俺のあらすじの説明はいつなんだ?」
ミシー「あ!忘れてた!もう始まってる時間よ!」
オスロン「え!うそだろ!!」
ミシー「ほら!早くやっちゃってやっちゃって!」
オスロン「あ!えっと・・・なんだ・・・・ゼロとすずはミゲールに・・俺とミシーはそこを目指し・・・」
作者「・・・・・・とある事情によりこの先はカットさせて頂きます(ペコリ)・・・・ではどうぞ!」
第五章 一時・NO・ヘイオン(前編)
ゼロ「・・・・・う!・・・・・ここは・・・?」
レアバードが落ちてから3日後ゼロはやっと気が付いた。
ゼロ「俺は・・・・・・そうだ!すずは!!?」
ゼロが寝ていたベッドの横で椅子に座ったすずが小さな寝息をたてながら寝むっている。
ゼロ「・・・・・・ひょっとして・・・・ずっと診ててくれたのか?」
すず「・・・ん・・・・あ!ゼロさんだいじょうぶですか!?まだ痛いところは!」
ゼロはあまりにもすごいすずの反応に驚いた。
ゼロ「あ、ああ・・・もうだいじょうぶだ。」
すず「そうですか・・・・良かった・・・。」
そこでゼロは意を決してすずに問い掛けた。
ゼロ「・・・すずが・・・・診ててくれたのか?」
すず「はい・・・・私のせいでゼロさんが目を覚まさなかったらどうしようって・・・思って・・・」
そう言ったすずは今にも泣き出しそうな顔をしていた。
ゼロ「俺はだいじょうぶだから・・・・そんな顔すんなよ。」
すず「・・・・・・ゼロさん・・・」
ゼロ「・・・・・すず・・・・」
そして二人は見つめ合う・・・・
????「おーい!起きたか寝ぼすけー!」
そこに現れたのは唯一ほとんど容姿が変わっていないアーチェだった。
突然のアーチェの訪問により二人は、あ!と声を出し顔を赤くしてぱっと反対の方向を向いた。
アーチェ「あ、あれ?・・・・もしかしてあたし邪魔だったかな?」
アーチェの言葉にいち早く反応したのはゼロだった。
ゼロ「な!なに言ってんだ!アーチェばあちゃん!・・・・・!(しまった!)」
ゼロは慌てて口を塞いだがもう後の祭りだ。
すず「・・・・・・その事は・・・クレスさん達から聞きました。」
ゼロ「!!・・・・・そうか・・・なら俺の名前も聞いたんだな?」
そう言ってゼロは付けていた仮面を外した。
ブラウンの目と髪・・・それと口もとしか見えなかった顔が初めて全てを見せた。
すず「・・・はい・・・ゼ・・フォルスさん・・・」
フォルス「・・・・・・・・・・そうか・・・・・」
すずはその時何故かはわからなかったが、フォルスの顔が悲しく見えた。
しばらくの沈黙の後、廊下の方から慌ただしい音が聞こえてきた。
???「フォルスが目を覚ましたって!?」
?????「本当なのか!?」
???「ええ!さっきアーチェさんといっしょにきた時に!」
????「フォルスはだいじょうぶなのか!?」
???「落ち着かないと状況を把握できないでしょ!」
フォルス「・・・・はあ・・・・・来た・・・・」
バン!と、扉が開いた先には五人の人々が立っていた。
フォルス「父さんに母さん・・・クレス、チェスターじいちゃんにミントばあちゃんも・・」
そしてクレス達の後ろには大小様々な年齢の子供達もいた。
フォルス「ミアン、レオ、ミリエル、ロウ・・・みんな来たのか・・・・」
レオ「フォルスさん!生き返った?!」
ミアン「馬鹿ね!死んでないわよ!・・・・もうだいじょうぶですね・・・」
ミリエル「ねえ・・ロウ兄ちゃん・・・フォルス兄ちゃん生き返ったの?」
ロウ「始めから死んじゃいないの。・・・レオの話信じちゃダメだぞ。」
レオ「なんだと!ロウ!お前また俺にけんか売る気か!?」
ロウ「お前が嘘を言うからだ。」
ミアン「二人ともやめなさい!」
ちなみに今、アルベイン流は孤児院でもある。
チェスターとアーチェが結婚してから1年後、二人の子供が生まれた時に増築した。
クレス「もう起きてもいいのか!?」
フォルス「ああ・・・・だいじょうぶ。」
チェスター「本当なのか!?」
フォルス「ああ・・本当だ。」
イグミス「もうどこも痛くないんだな!?」
フォルス「ああ・・・痛くないから。」
男達の執拗な質問攻めを、フォルスは軽く流した。
その後ろではレオとロウが口論していて、ミアンはそれを止めようとしている。
ミント「そうなの・・・・よかった・・・・」
ミントは嬉し涙を流した。
フォルス「ああ・・・だから泣かないでくれ・・・」
ミント「フォルスの事・・・・ミレアも心配してたんだから・・・・」
ミレア「まったく・・・旅に出た息子が帰ってきたと思ったら重傷で帰ってきて・・・」
フォルス「か、母さん・・・・・その構えって・・・・まさか・・・」
ミレア「くらいなさい!ミレアラリアットー!!」
フォルス「ちょ!ちょっと!俺まだ治りたて・・・・ぐあ!」
ミレアのミレアラリアットはおもいっきりフォルスの首にヒットした。
すず「あの・・・・あなたは・・・・ゼ・・フォルスさんの・・・・」
ミレア「ええ母親よ・・・・・・・・ってあなた誰?」
すずは、フォルスが寝てる間ミレア以外とは自己紹介を終えていた。
だが、すずがミゲールに来た時、ミレアはアーリィで仕事をしていた。
そしてフォルスが重傷の便りを聞いてミレアが大急ぎでレアバードを借りようとしたとき、
無理やりにも借りようとして魔術を使い、誤って壊したせいで今まで足止めをくっていた。
すず「あの・・・・わたしは・・・・」
ミレア「ああ!あなたがフォルスといっしょにいたって言う、フォルスの彼女!」
すず「え!!?」
ミアン「!!・・・・・そうなの?!フォルスさん!?!」
フォルス「か、母さん!ミアンも違うんだ!」
ミレア「まあまあ照れないの!・・・バカな息子ですが、よろしくお願いします。」
ミレアはすずに向かって深々とお辞儀した。
ミアン(・・・・・・・・・・・・・・・・・・)
すず「あの・・その・・・・私は別に・・・ゼ、フォルスさんとは・・・こ、恋人・・・じゃ・・ないです・・」
すずが顔を真っ赤にして答えた後、同じく顔を真っ赤にしたフォルスも答える。
フォルス「そ、そうだ!この子は藤林すず!あの伝説の女忍者の!!」
ミアン「・・え?・・・藤林すず?・・・・伝説?」
ミレア「・・・え?・・・・それって父さんや母さん達と一緒に旅をしたって言うあの・・」
チェスター「気付かなかったのか・・・見てるこっちが恥ずかしくなる誤解をして・・・」
ミアン(・・・・・・・・・・・良かった・・・)
レオ(・・・・・・・・・・)
アーチェ「でも・・・・我が娘ながら色恋沙汰には鋭いわね・・」
ミアン「い、色恋沙汰!?」
ミレア「え?!母さんじゃあ・・・・二人は!!」
フォルス「だから違うんだーー!!」
その5時間後・・・・
すず「ふう・・・・・夕方は驚いたな・・・・・」
あの後すぐにフォルスがみんなを(すずを含め)部屋から追い出した。
すずは二階にある部屋を借りて泊まることになった。
すず「・・・・・・恋・・人・・・か・・」
すずはベットの上でこの旅が始まる前に聞いたおしずの話を思い出した。
『すずちゃんはもう16でしょ?そろそろ恋とかしなきゃ!』
すず「・・・・・私・・・こんな性格だったっけ・・・・」
すずはダオスを倒す旅をしていた時、こんな話をアーチェから聞いた。
アーチェ『ねえすずちゃん・・・ミントって最近キレイにならなかった?』
すず『・・・私にはあまりわかりません・・でも・・・・そう言われて見ると・・』
アーチェ『ねえ!・・・はあ・・・やっぱり恋をするとキレイになる・・って言うあれかなあ・・・』
すず『恋・・・ですか?』
アーチェ『うん・・・最近ミントがボーっとしてる時あるでしょ?』
すず『はい・・・・でも・・それが何か?』
アーチェ『恋をするとね・・・その人の事しか考えられない時があるの。』
すず『そうなのですか?・・・・・私にはわかりません・・・』
アーチェ『ミントはさあ・・あたし達と、クレスとじゃ話し掛けた時の反応が違うんだよねー。』
すず『そうですか?私にはいつもと同じで優しくしてくれます。』
アーチェ『まあ・・ミントはもともとああいう性格だけど最近さらにね・・』
すず『・・・・・・・・私にはわかりません・・・忍者だからでしょうか・・・』
アーチェ『そんな事ないよ!・・・・すずちゃんは・・まだ恋をしてないだけ。』
すず『本当に・・・・そうなのですか?』
アーチェ『うん!すずちゃんも恋をしたらその人にもっとよく見られたいと思うよ♪』
すず『・・・・よく・・見られたい・・・・』
アーチェ『そう!だからミントはもっとクレスに好きになってくれる性格になりたいんだよ♪』
すず『そうなんですか・・・・・アーチェさんはいないのですか?好きな人・・』
アーチェ『え!?あ、あたし!?・・・あたしは・・別に・・・・』
チェスター『おい!お前ヘンな事すずに教えてるんじゃないだろうな。』
アーチェ『チェ、チェスター・・・・・・お、乙女会話に口を出すなバカー!』
チェスター『いて!お前いきなりなにすんだ!』
アーチェ『あたしに近づくなバカ―!』
チェスター『お、おい!人を馬鹿呼ばわりして逃げるなー!』
すず「私は・・・・私がゼ・・フォルスさんを想う気持ちは他の人とは・・・違う・・?」
すずは自分の胸をおさえて自分に聞いた。
すず「私の・・・性格が変わったのは・・・・ゼロ・・フォルスさんのせい?」
その時、部屋のドアからノックの音が聞こえた。
すず「あ、どうぞ。」
フォルス「・・・あの・・入るよ・・・・」
すず「ゼロさん!?」
すずは今、自分がしていた話をフォルスに聞かれたと思った。
すず「・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
フォルス「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
すずに部屋へ通されたが二人は沈黙したままだった。
すず「・・・・・あの・・・・今の話聞いていましたか?」
意を決してすずが口を開いた。
フォルス「え?!話・・・・してたの?」
すず「聞こえなかったんですね・・・・・なら・・いいです。」
フォルス「え?」
すず(え?!私なんでこんなそっけない態度を取るの!?)
すずは自分でもわからないけどフォルスにそっけない態度を取ってしまった。
すず「・・・・・・・・・・・・・・」
フォルス「・・・・・・・・・すず・・」
すず「・・・・・・・はい・・・・・・」
すずは思った、フォルスに嫌われたと・・・・
フォルス「・・・・・すず・・・明日さ・・・良かったら俺が町を案内しようか。」
すず「え?!」
すずは驚いた。嫌われたと思ったのに町を案内してくれるなんて・・
フォルス「俺が寝てる間ずっと診ててくれたから・・・・そのお礼に・・・・」
すず「あ、あの・・・・でも私・・・・・・」
すずが返答を困っていると思ったフォルスは・・・・
フォルス「・・ごめん・・他に用があるならいいよ・・・もっと気の利いた事出来ればよかったんだけどね・・」
そう言ってフォルスが部屋から出ようとした時。
すず「あ、待ってください・・・・・その・・是非・・・お願いします・・・」
フォルス「え?・・・あ、うんわかった・・・・明日3時に呼びに来るよ・・それでいい?」
すず「はい!」
フォルス「じゃあ、また明日。」
そう言ってフォルスはすずの部屋から出た。
フォルス「・・・・・・・・・良し!」
フォルスはガッツポーズをして自分の部屋へと戻っていった。
しかしフォルスは、隣の部屋で聞き耳を立てていたアーチェ達に気付かなかった。
アーチェ「・・・・・なるほど・・・フォルスは明日デートか・・・」
ミアン「フォルスさん・・・・・・・」
ミレア「やっぱり私の予想は正しかったのね・・・」
ミント「すずさんも・・嬉しそうでしたし・・・」
女性陣の会話に男性陣が口を出す。
クレス「ミント・・聞き耳は良くないと思うよ・・・」
チェスター「アーチェ・・お前いいかげんに耳離せよ・・」
レオ「ミアンは気にし過ぎなんだよ。」
イグミス「ミレア・・・・俺達は関係ないだろ・・・・」
男性陣からのツッコミ(?)に対し女性陣の返答は・・・・
ミアン「レ、レオ!あ、あんた何言ってんの!?」
レオ「ちょ、その構えはあ!あああああああ!!」
ロウ「うるさい!・・・静かにしろ・・・・ミリエルが起きるだろう・・」
ミリエル「・・・・・・スースー・・」
ミント「クレスさん!あなたはすずさんの事はどうでも良いんですか?!」
クレス「い、いや・・・そういうわけじゃないけど・・・・」
ミレア「イグミス!あなたは自分の息子はどうでも良いって言うの?!」
イグミス「い、いや・・・どうでもいいわけじゃないが・・・・」
アーチェ「しっ!静かに!また喋りだした!」
ミント「本当ですか?!アーチェさん!」
ミレア「どれどれ・・・・・」
ミアン「・・・・・・・・・・・・・」
クレス・チェスター・イグミス「・・・・・・・・・・・・・・・・」
女性陣の行動に対して男性陣は同じ事を考えた。
クレス・チェスター・イグミス「・・・・また・・・・・始まった・・・・」
どうもこの家に住む女性はみんな恋愛関係に首を突っ込みたがる性格のようだ。
とてもミントは70、アーチェは170歳を超えているとは思えない。
すず「・・・・ゼロさんと・・二人で・・」
二人・・・と言う言葉に顔を赤くするすず。
すず「わ、私は何を・・・・ゼロさんは案内を・・・案内・・・・」
やっぱりすずはフォルスと言うより、ゼロと言う方が呼びやすいようだ。
すず「・・・・・・・・明日3時・・・なにか楽しみだな・・」
アーチェ「楽しみ・・・ねえ・・・」
ミント「すずさん楽しそう・・・・若いっていいですねえ・・・」
レグミス「フォルスの奴!いつの間にこんな仲良くなったんだ!」
ミアン「・・・・・・・・・デート・・・なのかな・・」
レオ「や、やめろ!それ以上締め・・ああああ!!」
ロウはミリエルを部屋へ送りに行っていない。
すず「・・・今日はもう・・寝よう・・・・」
すずは着替え始めたようだ。
アーチェ「・・・・・・すずちゃん寝るって・・・」
チェスター「じゃあもう戻ろうぜ。」
クレス「年を取ると寝るのが早くな・・ふあ・・」
ミント「あ、クレスさん先に行っててください。」
ミレア「あ、あたしも!」
イグミス「そうか・・・・早く来いよ・・」
レオ「だ、誰か手を・・・・こ、腰がぁぁぁ」
クレス「だ、だいじょうぶか?レオ・・・・」
レオ「は・・・い・・・・明・日には・・治ります・・か・・ら・・・」
クレス(あいかわらず強い・・・・)
男性陣「おやすみ。」
女性陣「おやすみ!」
男性陣はそれぞれの部屋へ戻っていった。(レオはレグミスに連れられ)
アーチェ「・・・・行ったね・・・」
ミント「はい・・・」
ミレア「じゃあ明日の計画を立てよう・・」
ミアン「はい!!」
4人が戻ったのはその3時間後だった。
次回 第六章 一時・NO・ヘイオン(後編)に続く
どうも!作者の緋色の龍です!
この一章で終らせるつもりが、前後編になってしまいました。(すみません)
ちなみにサブタイトルの一時は<いちじ>ではなく<いっとき>です。(あんま変わんないか。)
予想以上に長く書きましたがすごく書きたかったから・・(自分で書いてて恥ずかしい事も・・・)
また新しく、自分の一番長い文章の記録を更新したな・・・・
この小説を見てくれた方ありがとうございます。・・・・では今日はこの辺で・・・
では、また。(この<では、また。>も毎回書いてるなあ)