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すず・OF・フューチャー【10】

                  すず・OF・フューチャー

レオ「あらすじの説明・・したくないな・・・すずさんが死んだなんて・・・それに伝説のユニコーンにも、時間の剣って奴にも無理だって・・・」
ミアン「・・・・・・あたしの・・・・・せいかな・・・・・」
レオ「え!?なんでミアンのせいなの?!」
ミアン「だって・・・だってあたし・・・・すずなんかいなくなっちゃえって思ったから・・・・」
レオ「そ、そんな事ないよ!そんな思ったくらいで人が消えたりしたら今ごろ人はいなくなってるよ。」
ミアン「そう・・だね・・・・でもたぶん・・・今も思ってるよ・・・・・あ!でもフォルスさんは関係ないからね!!」
レオ「(・・・・・フォルスさんの事で嫌いになったんじゃん・・)わかったよ。」
ミアン「あたし・・・・どうしたらいいんだろ・・・・・これから・・・・」
レオ「!!・・な、泣くなよ・・・ミ、ミアンらしくないな・・・・ほら、ミアンはフォルスさんを慰めてきてよ。」
ミアン「でもあたし・・・・・ひどい事思って・・・・・」
レオ「いや、だから・・・その・・・ミアンはさぁ・・泣いてない方が・・・・・じゃなくて!いいから行ってきなよ!」
ミアン「・・・・うん・・そうか・・・・ありがとレオ!・・・じゃああたし行って来るね!」
レオ「・・・・・・・・・・・・なにやってんだろ俺・・・・わざわざ橋渡しして・・・・・虚しいな・・・・・なんか・・・・・・・」

                第十章 旅立ち・NO・ユウシャタチ

降りしきる雨は・・・・なにを思い自らを地に落とすのだろう。
輝く陽光は・・・・・・なにを思いその暖かな日差しを撒くのだろう。
ルミナ「ふう・・・・・こんな難しい本見てても分けわかんないや。」
ルミナは、それまで見ていた本を閉じて、棚に戻した・・・その時後ろから声が・・・・・
アーチェ「なにしてんのかなぁ?こんなとこでぇ?」
ルミナ「え?!・・・・・いやぁ・・・・あはははは・・・・・・」
アーチェ「ここはあたしの部屋でしょ!早く出て行きなさい!!」
ルミナ「は、はい~!!」
アーチェ「・・・・・・・・・・・・・」
ルミナ「・・・・・・・・・・・・・・・・・」
アーチェ「だめだ~・・・・みんな笑わないよ~~う。」
ルミナ「はぁ・・・・・あたし達以外・・・・これだもんねえ。」
二人は、アーチェの部屋がリビングの目の前にあるのを利用して、ドアを思いっきり開けて、今ので気分を盛り上げようとしたのだが・・・・・
オスロン「こんな時に・・・・誰も笑えないぞ・・・いいかげん諦めたらどうだ?」
ルミナ「いやよ!・・と言いたいけど・・・・・ここまでくるとねえ・・・・」
二人の漫才(?)は既に七回にもおよび、全てがミリエル以外には、無反応で終っている。
アーチェ「そろそろやめようかな・・・・・と思うんだけど・・・ミレアもいないし・・・・」
ルミナ「・・・・・・もうすぐ始まるしね・・・・・・すずちゃんの・・・・・」
アーチェ「・・・・・・ルミナ・・ちょっと来てくれる?・・・話があるんだけど・・・・・フォルスについて・・・」
ルミナ「フォルスの?・・・・・・・わかった。」
二人は今まさに漫才(?)していたアーチェの部屋へ入っていった。
アーチェ「・・・・・単刀直入に言うね・・・フォルスは・・・どうだった?・・・・・・さっき様子見に言ったんでしょ。」
ルミナ「うん・・・・・あれからずっと部屋にいたみたい・・・・・ドアの前に置いておいた食事にも手を付けてなかった。」
アーチェ「そうか・・・・・やっぱりね・・・・・・・ねえ・・・・ついでにもう一つ聞いてもいい?」
ルミナ「ん?・・・・・なに?あらたまって・・・・・・・」
アーチェ「・・・・・実際はさ・・・・オスロンとはどこまでいってんの?」
アーチェの言葉にルミナは思いっきり椅子から落ちた・・・
アーチェ「うわ~面白いくらい動揺のアクションねえ、ルミナ。」
ルミナ「そ、そうでしょ、いつか使えると思って練習してたんだよ、上手くいったでしょ。」
アーチェ「話そらさないの・・・・こっちは結構本気で言ってんのよ・・・・中途半端な気持ちなら困るのよ、これから先の戦いに影響するからね。」
ルミナ「・・・・・・・・・・私は・・・・・わかんない・・・・オスロンが・・・他の人と、どう違うのか・・・・・・今は・・・・」
アーチェ「・・・・・そう・・・まあ、あたしも始めそうだったしね・・・・・・・異星人だから・・・っていう興味じゃないよね?」
ルミナ「基本的に人間やエルフ達と同じ・・・・ちょっと身長は大きい以外は普通の人と思ってる。」
アーチェ「わからない・・・か・・・・・ならこれから、その違いを見つけないとね。」
ルミナ「うん・・・・・・・まあ・・・・そうだね。」
アーチェ「最後にもう一つ、さっきオスロンとちょっと話した時、顔見てなかったけど、どうして?」
ルミナ「え?!・・・・それは・・・・なんか恥ずかしくて・・・・・私変な事してないか・・・とか思って・・・・・・」
アーチェ「そう、わかった、もういいよ・・・・・あ!そういえばレイルが葬式に出す料理運んだら、味見させてくれるって。」
ルミナ「え!それほんと!じゃあ行って来るね!」
そう言ってルミナは、猛スピードでレイルの所へ走っていった。
アーチェ「・・・・・ルミナ・・・それは恋だよ・・・本物のね・・・・・でも、答えは当人同士で解決しなさいよ。」

そしてその数時間後、藤林すず(享年16歳・・・・)の葬式が始まった。
葬式はクレス達の家の道場で行なわれる事になっていた。
式はあっという間に進み、すでに・・・・・・最後の挨拶をするところまで来た。
葬式の間・・・・・フォルスの姿は・・・・どこにもなかった。
アーチェ「まさか・・・・・・すずちゃんの方があたしより先に死んじゃうなんてね・・・・」
ミント「・・・・・ええ・・・・・でも・・・・・若いすずさんが・・・・私たちより・・・・・」
チェスター「・・・・・・・・・・・・・すず・・・・俺は・・・お前の事・・・・・アミィ・・」
クレス「・・・チェスター・・・すずちゃんを・・・・・アミィみたいに思ってたのは知ってたよ・・・・・・」
グレンス「・・・・・・私は・・・あなたに面識はありませんが・・・・・・曽祖父クラースのかわりに・・・」
ランス「・・・・・今私たちには召喚術の力はありませんが・・・・深く・・・・冥福をお祈りします。」
????「だあだあ。」
ランスの妻アリス「ノル・・・・静かにしてね・・・・」
グレンスの妻エルル「昔、主人がお世話になったクレスさんの仲間だったすずさん・・・・本来は逆の立場だったはずなのに・・・・」
レイル「・・・・すずちゃん、あなたの事・・・・忘れないわ。」
レオ「・・・・・・・・・・・私情を挟みますが・・・あなたは亡くなるべきではなかった。」
ミアン「・・・・・・・(あたしだめだ・・・・・悲しいけど・・・心の底から悲しめない・・・・薄情な女・・・)」
ロウ「・・・・・・・・・戦いには・・・・つきものですが・・・・あなたはまだ若かったのでは・・・・・」
ミリエル「すずお姉ちゃん・・・・遠い所に行っても元気でね!」
レグミス「・・・・・・今まで・・・息子をありがとうございました。」
ミレア「・・・・・・・・フォルスを・・・・ずっと見ててあげてくれたら・・・・私は嬉しいです・・・・」
オスロン「・・・・・・・最初は誤解とはいえすまなかった・・・・・せめて仇は取る!」
ルミナ「・・・・・フォルスは来なかった・・・でもそれは・・・・すずちゃんの事が嫌いだったからじゃない・・・好きだったからだよ・・・・」
神父「本来は・・・ミントさんにしてもらうのですが・・・・それでは皆さん・・死者の冥福を・・・」
その時、家のドアを開けてフォルスが入ってきた。
ルミナ「フォルス!いったいどこにいって・・・・」
フォルスは、すずの遺体が入っていた棺に向かい、おもむろにその棺を開けた!
ミレア「!!?なにやってんのフォルス!!?」
フォルス「すず!起きろ!本当は生きてるんだろ!!」
ルミナ「・・・・・・・・・・・・・・・え!?」
ミント「そんなはずはありません!・・・・・・私が・・・確認しましたから・・・・・すずさんの・・・・死・・を・・・・・」
フォルス「ほら・・・・忍術で死んだようにみせて敵を騙そうとしたんだろ?今はもういないから起きてもいいぞ。」
しかし・・・・すずは何も答えない・・・・指一本動かさないで・・・・・・・
フォルス「なあ・・起きろよ・・・・このままじゃ本当に火葬されるだろ・・・・・・・・起きろ!起きるんだすず!!!」
クレス「フォルス落ち着くんだ!」
フォルス「婆ちゃんは!婆ちゃんの時は生きてたんだ!すずだって本当は生きてるんだろ!!」
チェスター「!!・・・・・・フォルス・・・あれは生きてたからだ・・死体もなかった・・だが今実際に目の前に・・・・・」
フォルス「起きたんだ!・・・奇跡は一回起きたんだ!!・・・・・・また・・・起きてくれよう・・・・・」
フォルスは棺にしがみつきながら崩れ落ちた・・・・しかし、その手は棺から離さなかった。
フォルス「起きてくれよ・・・・・・また・・・前みたいに話してくれよ・・・・・う・・・・う・・くっ!・・・うう・・・・」
フォルスの言葉の最後は出せなかった・・・・・悲しみと・・・・・・涙で・・・・・・・・・
ミリエル「ねえ・・・・フォルス兄ちゃん・・・・・どこか痛いの?」
泣いているフォルスに話し掛けたのは、ミリエルだった。
ミリエル「だいじょうぶ?・・・・・・フォルス兄ちゃん・・・」
フォルス「・・・・・・・・・・・・ああ・・ああ・・・・・だいじょうぶだ・・・・」
しかし、体の奥から必死に搾り出した声も・・・・半分は・・・・聞き取れなかった・・・・・
その後すずは・・・・・・家の裏手にある墓地の一角に埋葬された・・・・・・

翌日
ルミナ「・・・・・・・フォルス?・・・・・・・入るよ・・・」
フォルス以外の者達は、バルーセルを倒すために準備を終えて、旅立った。
戦いに行くメンバーは、クレス、ミント、チェスター、アーチェ、レグミス、ミレア、ルミナ、オスロンだ。
ただし、今の状態のフォルスを連れて行っても、足手まといになるとみんなは判断したので、フォルスはいない。
ルミナなら追いつけるので出発した事を伝えるよう頼んだのだ。
ルミナ「・・・・・・・・・・・・・・・・・・フォルス?」
ルミナは部屋を覗いたがそこにはフォルスの姿はなかった。
急いで家中探したがフォルスの姿はどこにもない、しかし、ふと窓の外を覗くと、フォルスは家の裏手・・・・墓地にいた。
ルミナは急いで階段を降り、フォルスの所へ向かった。
ルミナ「・・・・・・フォールス!・・・・・・な~にやってんの?こんな所で!」
フォルス「・・・・・・・・・・・・・ルミナか・・・・・」
ルミナは少しでもフォルスを元気づけようと精一杯明るく振舞った。
だが、フォルスはすずの墓の前で何かを持っていて、そっちに集中してるらしく声だけで反応した。
ルミナ「ねえフォルス、何持ってんの?」
フォルスが持っていたのは、自分が付けていた仮面だった。
ルミナ「・・・・・・・・・・フォルス・・・あたし達はバルーセルを倒しに行くよ。」
フォルスは、ルミナの話に関心を示さず、一人で話し始めた。
フォルス「・・・・・これを付けていたのが・・・・随分昔に感じるよ・・・・・一週間くらい前からなのに・・・・」
ルミナ「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
フォルス「オスロンと戦って、真実を知って、タイダルウェーブに飲み込まれて・・・・・それから・・・・それから・・・・・」
フォルスは言葉を話すごとに、瞳から涙を流し、頬を伝って落ちて行った。
フォルス「なんで・・・・こうなったんだろうな・・・・・本当に・・・・・・」
ルミナはその場にいられなかった・・・フォルスの想いが・・・・他人にもわかるくらいズタズタになっているから・・・・
ルミナが去った後、自分の部屋からフォルスを見つけ、一部始終を覗いていたミアンが来た。
ミアン「・・・・・フォルスさん・・・こんな所で何をしてるんですか?」
フォルス「・・・・・・・・・・ミアンか・・・・」
ミアン「皆さんが旅立ちますよ・・・・・見送りに行かないんですか?」
フォルス「俺は・・・・・・・・・すずが好きだった・・・・・」
ミアン「・・・・・・・・・・・・・・・・」
フォルス「・・・・・・・でも・・・・・でも俺は・・・・・・・すずを守れなかった・・・!!」
ミアン「・・・・・・・・・・・・・・フォルスさん・・・・・」
そのころレオはミアンを探していた。
レオ「・・・・・・もうすぐ出発なのに・・・・どこに・・・・・ん?」
レオは、今ミアンが話していた「フォルスさん」の声を聞き、家の影から覗いてみた。
ミアン「・・・・・・フォルスさん・・・・・代わりに・・・・・・・私を守ってくれませんか・・・・・・」
レオ(え!!?)
ミアンは顔を赤くして、さらにこう言った。
ミアン「私・・・私フォルスさんが好きです!だから私を守ってくれませんか!!」
思いがけないミアンの告白に驚いたのはフォルスだけではなかった。
レオ(・・・・・え?・・・・・今ミアン・・・・・フォルスさんが好きって・・・・・・・・・??!)
フォルス「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
さすがにこれはフォルスも驚いた(と言うか呆気に取られた)。
フォルス「・・・・え・・・・・・・でも俺は・・・・・・・!」
ミアンは恥ずかしくて、顔を真っ赤にしてうつむいている。
フォルス「・・・そうか・・・・・・好き・・か・・・・・・ありがとうミアン・・・・・うれしいよ。」
ミアン「え?!」
レオ(!!フォルスさんは藤林さんが好きじゃなかったのか!!?)
フォルス「本当にありがとう・・・・ミアンは・・・俺を励まそうとして言ってくれたんだろ。」
ミアン「・・・・・・・え?」
フォルス「だいじょうぶ、もう迷わない!俺は・・・バルーセルを倒す!!大好きな人達を守るために!!」
ミアン「・・・・あの・・・・・フォルスさん・・・・・それは・・・」
フォルス「フランヴェルジュにヴォーパルソード、この二つの剣で必ず!・・・・よし!まずは防具だ!」
フォルスはミアンの告白を自分を励ますためと、勘違いたが、結果的に良かったようだ。
フォルスは旅の準備を整えるため、自分の部屋に走っていった・・・・。
ミアン「・・・・・・私って・・・・・・・・・・・まあいいか・・・・フォルスさんが元に戻って。」
レオ(・・・・・・・・ふう・・・)
フォルスは大急ぎで準備を済ませ、ロウの所へ来た。
ロウは、馬の調教師見習いとして働いて(手伝って)いた。
フォルス「ロウ!ここで一番早い馬を貸してくれ!」
ロウ「フォルスさん!?・・・・フォルスさんは行かないんじゃ・・・・・」
フォルス「いや行く!早く追いつきたいから、ロウの一番自信のある馬を貸してくれ!」
ロウ「そうですか・・・・・・ならこの馬です・・・・・名前はシャインなんですが・・・・なにせ気が荒くて・・・・」
シャイン「・・・・・・・・・・・・・ブルルルル・・・・」
フォルス「・・・・・・・・俺を嫌うのはいい・・・・だが今はいう事を聞いてくれないか。」
シャインはじっとフォルスの目を見つめ、やがてフォルスの方に体を寄せた。
フォルス「すまない・・・・・・それともう一つ。」
ロウ「まだ・・・・何か?」
フォルス「今から俺はフォルス=アルベインじゃない。」
ロウ「え?・・・・・どういう事ですか?」
フォルス「ゼロ・・・ゼロ=ストームだ、俺が戦うのは世界の平和じゃない、あくまでもすずの復讐だから・・・・・それを終えるまで・・・・・・元のフォルスに戻るつもりはない。」
ロウ「・・・・・・・・・・はいわかりました・・・・みんなにもそう伝えます・・・フォ・・・・・ゼロさん。」
ゼロ「頼む!・・・・・いくぞ!シャイン!!」
フォルスはシャインと共に、忍者の里へ向かうため船の出るベネツィアに向かった。

次回 第十一章 戦い・NO・ギセイに続く












どうも!緋色の龍です!
その章の最後の時の主人公の気持ちで気分が変わる作者です。
やっとフォルスが立ち直り、話が盛り上がってきたので、作者も嬉しい!
しかしこれからまた話のテンションが下がるかと思うと・・・・・
あと、フォルスが言っていた「婆ちゃんの時は生きてたんだ!!」
この言葉がわからない人は、懐かしき仲間とともにを見よう!(宣伝だな)
まあ、次回は戦い・NO・ギセイお楽しみに(楽しめるのかな・・・ギセイって)
期待してくれたら嬉しいな・・・・では、また。

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