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すず・OF・フューチャー【21】


         すず・OF・フューチャー

若かりし頃(全員の推定年齢が20ほどの時代)のバルーセル「皆さん初めまして、私はバルーセル=ゾルンと申します。」
若かりし頃の現アルヴァニスタ王(以後イルト)「次は俺の番だな、俺はイルトだ、(シェーンには秘密なんだが、俺は次期アルヴァニスタ王なんだぜ。)」
若かりし頃のシェーン「初めまして♪私はシェーン=クスフィーって言います♪二人の友達でーす♪」
若かりし頃のバルーセル「二人とも、失礼ですよ・・・もう少し普通に自己紹介を・・・」
若かりし頃のイルト「いいじゃねえか別に、これが俺のありのまま、なんだからよ。」
若かりし頃のシェーン「そうよ、バルーセルはちょっと硬すぎなのよ、もっと肩の力抜いたら?」
若かりし頃のバルーセル「結構です!・・・いいから始めますよ。」
若かりし頃のイルト「わ、わかったよ・・・・・なぁ、シェーン・・・・バルーセルって怒ったら怖いタイプだよな。」
若かりし頃のシェーン「そうね・・・普段は優しくて冷静だから、余計にね・・・・。」
若かりし頃のバルーセル「・・・・・・・・・・・・聞こえてますよ。」
若かりし頃のイルト「げっ!」
若かりし頃のシェーン「あっ!」
若かりし頃のバルーセル「はぁ・・・・・まったく・・・・時間が無いですから始めますよ・・・いいです・・・か・・・・・・」
若かりし頃のイルト「それで、バルーセルの奴が・・・いきなり滑ってさ。」
若かりし頃のシェーン「あはははは、それホント?・・・・・あ・・・」
若かりし頃のバルーセル「・・・・・・・・・・・・あなた達は・・・・あなた達は本気であらすじを説明する気があるんですか!!」
若かりし頃のイルト「げッ!バルーセルが怒った!」
若かりし頃のシェーン「逃げるわよ!」
若かりし頃のバルーセル「逃げるなーッ!」
作者「・・・え~、3人ともどこかへ行ってしまったので、これで終わります。・・・・・ちなみに↑は30年近く前のバルーセル達です、それでは、本編をお楽しみください。」

        第二十一章 すず・NO・フッカツ!

先程まで騒がしかった場が、嘘のように静寂に包まれていた。
だが、その静寂は徐々に大きくなっていくざわめきによって消えていった。
ゼロ「すず・・・ベル?・・・なん・・で・・・・・なっ?・・・・えぇっ!?」
ゼロが混乱して、通じない言葉を発するところを見て、すずは、くすっと笑った。
すず「どちらでもいいですから、落ち着いて下さい、ゼロさん。」
思った事が言葉として出てこないゼロだったが、すずの笑顔には、頬を赤く染めた。
ゼロ「う・・・・うん・・・・・(か、かわいい・・・・・。)」
すず「・・・・・どうしました?」
ゼロ「あ、いや!何でもない!何でもないから!!」
ゼロは、必要以上に大きなリアクションで首を思いっきり左右に振った。
ゼロ「って!そうだ!すず!何で生きてるんだッ!それにどうしてベルに?!今までどうして黙ってたんだッ!?それにその髪は・・・」
すず「そんなに一度に言われても答えられませんよ。」
すずは口に手を当てて、クスクスと笑っているところ隠した。
ゼロ「すず!笑ってる場合じゃない!何故生きているんだ!?」
ゼロは、すずの肩をグッと掴み、真っ直ぐにすずの眼を見た。
すず「・・・・・・私は・・・忍者ですから・・・・・不可能を可能に・・・。」
ゼロ「俺が聞きたいのはそんな事じゃない!なぜ今まで黙っ・・・・・すまない・・・言ってる事が違うな・・・・。」
ゼロは、荒げた心を、静めるために頭をこづく程度に殴り、左右に振った。
すずが生きていたという歓喜の興奮と、なぜそれを教えてくれなかったのかという悲しみの怒りが、ゼロから冷静さを奪っていた。
すず「・・・・黙っていた事はすみません・・・ですが・・・油断させる為・・・・・できる限り悟られたくはなかったんです・・・。」
オスロン「では・・・・・あの状態で、どうやって生きていられたのだ・・・?」
前回、バルーセルの攻撃を受け、負傷したオスロンは、ルミナに左肩を預けながら立ち上がり、すずに聞いた。
ルミナ「オスロン!無理しないで・・・。」
オスロン「この位はだいじょうぶです、ルミナさん。」
オスロンの顔を覗き込むようにして見たルミナを制して、オスロンはすずを見た。
すず「・・・・あの時・・・刺されたのは私ではありません・・・・・あれは空気と反応する事によって、急激に膨らむ特殊な物質によって作られた身代わりです。」
ゼロ「・・・だが・・・・・だが!俺は確かに・・・・・この手で感じたんだ・・・・・人形ではなかった・・・・・体が冷たく・・・・硬く・・・・重くなっていくあの感覚を!!」
ゼロは思い出した、あの時・・・リザードマンに刺されたすずの体を抱えた手・・・・・そして・・・それに伝わってくる感覚・・・硬く・・・冷たく・・・重くなっていくすずの体・・・悪夢としか言いようの無い記憶・・・鮮明すぎるメモリーが、ゼロの脳裏には焼き付いていた。
すず「・・・・・すみません・・・あれは・・・あの身代わりには、膨張と同時に急激に熱を帯びる物質が含まれています・・・ですが、その熱を発する状態は長くは持たず、すぐに熱の放出を止め、硬くなります・・・重く感じたのは、硬くなって内部の質量が安定したからです。」
その場にいる全員はあぜんとした。
身代わりを使うタイミング、それに使われている物質、そしてその後の行動、すずが行なった動作は計算し尽くされていた。
すず「通常は、本物と身代わりの内部の感触が普通とは異なるので、刺された時に気付かれるのですが・・・。」
オスロン「・・・・・!・・・そうか・・・気付かれなかったのは・・・。」
すず「・・・はい・・・身代わりを倒した魔物はそのまま崩れました・・・ですからすぐに奇襲を行なわず、名を伏せて、記憶を無くした振りをし、ここまで来ました・・・結果的に失敗しましたが、その方が確実性が上だったので・・・そして、嘘をついていた事は、本当に・・・申し訳ありません・・・。」
大抵の事を説明し終えたすずは、一同に深々と頭を下げた。
そんなすずに、ゼロは一人、黙って近づいていった・・・他の者達は、この場はゼロに任せるのが一番いいと思った。
ゼロ「・・・・・・・・・すず・・・・。」
自分の頭の上から聞こえた声に、すずは頭を上げた。
ゼロより頭一つ分ほど小さいすずが、ゼロの眼を見上げながら次の言葉を待っているが、ゼロは言葉を口に出さない。
ゼロ(・・・・・・・参ったな・・・・つい勢いで前に出てきたはいいけど・・・・こんな時に何て言えばいいんだ?!)
頭の中でそんな事が駆け巡っているゼロは、混乱しながら、すずと眼と眼を見詰め合っている。
最初におかしいと思ったのは、ルミナだった。
ルミナ(・・・・・・フォルス・・・間を取るにしても長すぎる・・・・・!・・まさかあいつ、言葉考えてなかったの!?)
さすが双子、いち早くゼロの異変を察知したルミナは、風の精霊を使い、ゼロの耳にだけ届くように声を出した。
ルミナ「ちょっとフォルス!」
ゼロ「うわっ!!」
すずに話す言葉を捜していたゼロの耳に、いきなり近くにいないルミナの声が聞こえたのだから驚くのは無理もない。
すず「ゼ、ゼロさん・・・?・・・・どうしましたか・・・?」
ゼロ「な、何でもない!何でもないから!」
そして、すずと眼と眼を見詰め合っていたゼロが、いきなり驚いた表情で声を上げたのだから、すずならずとも驚くだろう。
ゼロは、すずに背を向けて、その場にしゃがみ込んだ。
何となくいい雰囲気だったのに、いきなり驚き、後ろを向いてしゃがみ込む姿は・・・かなり怪しい。
ゼロ(ルミナ!何なんだいったい!いきなり人の耳に風の精霊を使って遠くから話し掛けるな!それに俺の名はまだゼロだ!)
ルミナが風の精霊を使って作った声が通る道に、ゼロは少し手を加えてルミナにも聞こえるようにした。
ルミナ(あ、ごめん・・・・・だって、フォ・・・・ゼロさ・・・言葉考えてなかったでしょ。)
ゼロ(う・・・・そ・・・それは・・・・)
ルミナ(今更隠さない・・・それに、すずに伝える言葉をあんたにアドバイスしようと思って・・・)
ゼロ(ほ、本当か!?)
何気に考えてない事を自白しているゼロだが、まさに渡りに船、ワラにもすがる思いで、そう答えた。
ルミナ(ええ・・・・・それは・・・・・・・・ゼロ・・・あなたが想っている事を伝えればいいの。)
ゼロ(・・・・・俺の・・・・・思っている事・・・?)
ルミナ(そう・・・・何でもいい・・・ゼロの・・・あなただけの・・・・・あなただけの言葉を・・・・・きっと・・・きっと待ってると思う。)
ゼロ(・・・・俺・・・・・だけの言葉・・・・・。)
何気に答えになってないような気がするが、ゼロは何かを悟ったようにスッと立ち、すずと向き合った。
ゼロ「・・・・・すず・・・・・・」
すず「・・・・・・はい・・・・・。」
すずは返事と同時に目をつぶった。
どんな言い訳を言おうと、自分は共に戦った仲間に嘘をついて裏切ってしまった・・・だからどんな罰でも甘んじて受けよう・・・そう・・思った。
ゼロ「・・・・・・・・おかえり・・・。」
すず「!!!」
すずはその瞬間、栗色の瞳を大きく見開いた・・・驚いたのだ。
そしてすずは他の者達に目を向けた。
他の皆は今の言葉をどう受け取ったのか気になったからだ。
他の皆は、すずの方を向いて、微笑んでくれていた。
ただ一人、エミリオだけが何か恥ずかしそうな顔をして、黙ってうなずいた。
すずの目じりに、少しだけ雫が溜まった・・・。
すず「・・・・・・ただいま・・・。」
すずは目じりび溜まった雫を手で拭い、笑った・・・その笑顔は・・・心を隠す為に仮面を被った忍者ではなく・・・16歳の少女そのものの・・・素直な笑顔だった。
ゼロ「・・・・・・・・・・・あ!それと・・・・・・あの・・・・すず・・・」
すず「はい?なんでしょう・・・。」
ゼロ「その・・・・・・髪が・・・」
前のすずは、頭の後ろに髪をまとめていたが、今はそれが無くなり、すっきりとしたショートヘアになっていた。
すず「あ、これはカツラを付けるのに邪魔なので切りましたが・・・・・あの・・・・似合いませんか?」
すずは、少し照れくさそうにして答えた。
ゼロ「え!いや!そんな事ないよ・・・・・す、すごく似合ってる・・・よ・・・・」
すず「!・・・あ・・・・ありがと・・・ございます・・・・」
似合っていると言ったゼロも、言われたすずも顔を赤くしてうつむいた。
すず「あ、それと・・・・」
すずは、まだ少し顔を赤くしたまま、再び顔を上げた
ゼロ「・・・・それと・・・?」
すず「・・・・・・・その・・・・私の事・・・・ありのままがいいって・・・・・う・・・嬉しかった・・・・・です・・・・。」
すずは、ゼロを見る為、見上げた顔を再び地面へと下げた。
そして、その光景を見ているみんなは、ニヤニヤ笑うか、赤面して顔を両手で隠すか、微かに微笑んでいた。
ゼロ「あ!・・・・えと・・・あれは・・・・・その・・・・・その場のいきおいっていうか・・・何て言うか・・・・・・!!」
混乱する頭で、照れ隠しをする為その時の記憶を探っていたゼロは、何かに気付いた、その顔は悔しさに満ち溢れていた。
ゼロ「・・・・・・・・・すまない・・・・すず・・・・」
すず「えっ?!」
すずは、ゼロから思ってもいない謝罪を受け、驚いた。
ゼロ「・・・・あの時・・・・俺は・・・・・・仲間を・・・・すずを攻撃してしまった・・・!」
ゼロはあの時、バルーセルへの怒りで我を忘れていた・・・その時の事だ。
すず「・・・・・・・・・・」
ゼロ「俺は・・・俺は悔しいんだッ!こんなにも近くに居たのに気付かないでッ!しかも攻撃するなんてッ!!」
ゼロは力いっぱい拳を握り、爪が食い込んだ手の平から、血が滲み出ていた・・・
すず「・・・ゼロさん!」
ゼロ「だからッ!・・・・だから俺はッ!・・・・・俺はぁッ!!」
すず「ゼロさんッ!止めて下さいッ!!」
すずは、ゼロの両手の甲をグッと掴み、ゼロの顔を見た。
すず「・・・・・私は・・・気にしていません・・・皆さんもきっと・・・・ですから、そんなに苦しまないで下さい・・・・・。」
すずはゼロの身を案じ、自身の身を切るような思いで話した。
ゼロは、すずに声を掛けられて我に返り、自分の手から血を流している事に気付いた。
すず「・・・周りを見て下さい・・・・・誰も・・・その事でゼロさんを責めたりはしませんから・・・・・」
ゼロは、辺りを見回そうと顔を上げようとしたが、止めて首を横に振った。
ゼロ「いや・・・・その必要はない・・・・それはさっき俺も言ったからな・・・。」
すず「ゼロさん・・・・・。」
バルーセル「・・・おめでとうございます。」
和やかな雰囲気を壊すように、バルーセルが拍手をしながら、ゼロとすずに近づいて来た。
バルーセル「いや、まさか生きていたとは・・・完全に騙されましたよ・・・。」
ゼロ「・・・・・バルーセル!」
バルーセル「・・・あの魔物達の剣には、一つの壷にあらゆる毒虫を詰め込み、生き残ったものから抽出した古代の邪法による毒を塗っておいたのですが・・・無駄でしたか。」
アーチェ「う、嘘でしょ!?」
バルーセルの言葉に、ゼロやすずよりも早く、アーチェが声を出した。
アーチェ「それって生き残った虫には呪いとか怨念とかが混ざって、一週間も痛みで苦しみながら死ぬって言われてる最凶最悪の毒薬じゃないの!!」
ゼロ「な!バルーセルッ!!お前はッ!!」
剣士であるゼロは、瞬間的に腰に下げてある剣へと手を伸ばした・・・が。
ゼロ(!・・・しまった・・・!)
ゼロの鞘には剣が収められておらず、二本の剣はバルーセルの近くの床に突き刺さっていた。
ゼロ(くそっ・・・・最後のあがきが、こう影響するなんて・・・!)
ゼロは、前章でバルーセルに向けて剣を二本とも投げている。
ゼロ(この戦い・・・生半可な剣じゃかえって邪魔になるだけだ・・・・早く取り戻さないと!)
ゼロの手が腰の剣に行った時点で、鞘の中に剣がない事にみんなは気付いた。
バルーセル「さて、ではそろそろ・・・・・本来の仕事をしましょうか!」
ゼロ「くっ!」
バルーセルの声と同時に、中断していた戦いが始まった!

ウッドロウ「くっ!はっ!・・・ぐっ!はあっ!」
ウッドロウは、自らの体をミサイルのようにして攻撃してくる、ケマゾツの攻撃に苦戦を強いられていた。
ウッドロウ「くっ・・・・これ以上距離を縮める事も出来ず、後退も出来ないとは・・・・消耗戦ではこちらが不利か!」
バルーセルによってパワーアップされているケマゾツは、アースクェイクの魔術が使える・・・それも高速で・・・。
ウッドロウのソーディアンであるイクティノスは、ケマゾツの弱点である風属性の晶術を使えるが、詠唱速度が間に合わず、先に撃たれてしまう。
ウッドロウ「だが・・・・私とてただ黙って攻撃を受けていたわけではない!」
ウッドロウは、無数に飛んで来る攻撃をされている内に、その攻撃にはある程度のパターンがある事に気付いた。
ウッドロウ「そして・・・・彼らは自らの体を使って攻撃して来ている・・・・ならば・・・ダメージも食らうはず!今だ!烈空刃ッ!!」
ウッドロウは、イクティノスを回転させながら振り回すと、無数の風の刃が発生し、飛来するケマゾツに向かって四方八方から襲う!
ケマゾツ「!!!!」
地の属性であるケマゾツに対して、相反する風の属性の攻撃は、通常より大きなダメージとなり、ケマゾツの体を切り裂き、倒した。
ウッドロウ「はあ・・・はあ・・・少し・・・・無理をしすぎたか・・・・・。」
イクティノス『・・・・だいじょうぶですか・・・?』
ウッドロウ「ああ・・・・心配ない・・・・・・少し休めば大丈夫だ・・・・。」
イクティノスにはそう言ったがウッドロウのダメージは深刻だった・・・・。
そして、ウッドロウはかなりのダメージを負った引き換えにケマゾツを倒した・・・。

スタン「魔王!炎撃波ッ!」
スタンは、ディムロスの力を借りて剣先から炎を出し、エキムにそれを浴びせた!
スタン「これで、どうだ!」
だが、エキムはすぐにスタンの方に向き直し、体から発する放電によって攻撃してきた!
スタン「うわあああぁぁぁぁぁッ!!」
ディムロス『くっ!スタン!しっかりしろ!バックステップで距離をあけるんだ!』
スタンは、電撃で痺れる体を何とか動かし、放電による攻撃の範囲ギリギリに逃げた。
スタン「くっ・・・・・はあ・・・はあ・・・あの電撃、なんて威力なんだ!」
ディムロス『むやみに近づくなスタン!奴の攻撃の射程ギリギリから攻撃しろ!』
スタン「わかった!・・・それならッ!獅吼!爆炎陣ッ!」
スタンは、獅子の闘気を放ち、そのまま跳躍しディムロスで地面を叩き、無数の火柱を発生させた!
エキム「”△:○&*#■|×!!」
エキムは攻撃を受けて、後ろに吹き飛ばされた!
ディムロス『今だスタン!トドメを!』
スタン「いくぞディムロス!皇王天翔翼ッ!!」
スタンは、ディムロスの力を借りて一時的に巨大化し、不死鳥の如き炎を纏い、エキムに突っ込んだ!
エキム「+&▼$#×●”|*ッ!!」
エキムは、巨大になった体による炎と体当たりの攻撃で傷つき、倒れた。
スタン「くっ!・・・はあ・・・はあ・・・さ、さすがに・・・疲れた・・・・。」
ディムロス『大技の連発させすぎだ・・・もっと体に負担をかけない様に戦えんのか。』
スタン「はは・・・今度から気をつけるよ、ディムロス。」
ディムロス『・・・・・まったく・・・今度とはいつなんだか・・・・。』
エキムは倒れた・・・だが、敵はまだまだその数を残している・・・。

イグミス「はっ!はあっ!襲爪雷斬ッ!」
かなり影が薄い(←失礼)ゼロの父イグミスは、ウンディーネの姿をしたセラフと戦っていた。
セラフ「うあっ!・・・くっ・・・気にしないでそのまま続けてください!早く私を止めてください!」
どうやら、このセラフもクラースと同じで、無理やりバルーセルの手先として使われているようだ。
イグミス「くっ!」
いくら攻撃してくるとは言え、意志無きものに本気で剣を向ける事が出来ず、イグミスの剣に鋭さは無い。
セラフ「お願いします!これ以上私は何も傷つけたくないんです!」
セラフの目の端からうっすらと涙が見える・・・魔物とはいえ、その全てが邪悪なわけではないのだ。
イグミス(どうする・・・どうする?・・・・彼女を願いを優先させるか?・・・・いや、だが・・・・・しかし・・・!)
イグミスはセラフの為にどうするべきかを悩んだ・・・セラフの為に生かすか・・・それともセラフの為に殺すか・・・
どちらを選んだとしても、セラフは苦しまなければならない・・・肉体の痛みと精神の痛み・・・苦しみ方は違えど、セラフは傷つくのだ・・・。
セラフ「ダメ・・・抑えきれない!私を止めてぇッ!!」
セラフは、涙を流しながら剣を振りかざし、イグミスに向かって走り、襲い掛かる!
イグミス「遠い昔・・・誰かが言った・・・誰かを傷つければ・・・傷つけた者の心が一番傷つくと・・・・・・ならばッ!!」
イグミスは、聖なる剣エクスカリバーを鞘に戻した・・・しかし、手はまだ剣を握り締めている。
イグミス「助けます・・・その心を・・・・そして・・・せめて苦しまないように・・・。」
イグミスも、セラフに向かって走り、お互いが接触する刹那の瞬間、お互いの剣が動いた・・・。
セラフの頭上から一直線に斬る、唐竹割り・・・イグミスの鞘から加速した剣による横なぎの剣技、居合斬り・・・
悲しみと決意・・・二つの攻撃が・・・二人が交差した瞬間に放たれたのだ・・・
渾身の一撃ともとれる攻撃が終わりイグミスも・・・そしてセラフも数秒だが、その動きを止めた・・・。
イグミス「・・・・・ぐうぅッ!!」
イグミスが地面に膝を付いた!
剣を放し、右手で抑えた左腕から血が流れていく!
セラフは、イグミスの方に向き直し、その姿を見下ろした。
セラフ「・・・・・ありが・・・・とう・・・・・。」
言葉が切れたその時・・・セラフの体は上半身と下半身に真っ二つに分かれて、倒れた・・・。
イグミス「・・・・・・・・本当に・・・・心の方が・・・・痛いな・・・・」
イグミスは体外から気を取り込み、回復しながらも苦渋の選択で選ばなければならなかった答えに涙し、セラフを倒した・・・。

エミリオ「ちぃッ!・・・・うッ!ぐぁッ!」
フレイムロードを相手にしているエミリオは苦戦していた。
フレイムロード「・・・・・・我は負けぬ・・・。」
エミリオの眼前で腕を組み、膝を付いている自分を見上げているエミリオを見下ろしていた。
エミリオ「くッ・・・・・貴様はなぜ戦う!なぜこんな奴に味方するんだ!」
エミリオは、高みから自分を見下ろすフレイムロードに怒りと悔しさから、そう言った。
フレイムロード「・・・・・我は・・・強さを求める者・・・そして・・・我は戦を望む者・・・。」
エミリオ「な・・・なんだと・・・?」
フレイムロード「我は望む・・・強き者を・・・・我は望む・・・命の灯火が消える時を・・・」
その時、エミリオはフレイムロードが楽しそうに笑った気がした・・・
エミリオ「・・・・・・・・そうか・・・・・なら貴様に遠慮はいらないということだな!」
エミリオは起き上がりと同時に攻撃を繰り出した!
フレイムロードもそれに反撃し激しい攻撃の応酬となった!
幼少の頃から父に叩き込まれ、様々な人物から天才と呼ばれたエミリオの剣術だが、強化されたフレイムロードは言うだけの事はあり、実力は互角であった。
エミリオくっ!こんな奴に・・・・こんな奴に僕は負けない!シャルッ!」
シャルティエ『はい!坊ちゃん!』
シャルティエは、地面から鋭く突き出る岩の晶術、「グレイブ」を応用し、短剣のような岩を作り出した。
エミリオ「喰らえッ!飛連斬ッ!」
エミリオはそれとシャルティエを逆手で左右の手で持ち、体を捻りながら飛び上がり攻撃した!
フレイムロード「・・・甘いな・・・それは一度見ている・・・。」
フレイムロードは、その攻撃を両手(?)の部分の場所にある炎でガードした。
エミリオ「まだだッ!」
エミリオは、さらに空中で両手を交差させ、落下のエネルギーをのせて攻撃した。
エミリオ「・・・飛連双閃。」
フレイムロード「ぐぅおおッ!」
エミリオ「初めて使う未完成品だが、使わせてもらう!千裂虚光閃ッ!!」
エミリオは、左手の岩の剣で斬り上げ、落ちてきた所を二本の剣で何度も突き刺す!
エミリオ「邪魔だ!・・・・遅すぎる!斬り刻む!」
エミリオは剣を持ち直し、低姿勢から加速のエネルギーを利用した突きを繰り出し、さらに軽くジャンプし上下に斬った!空襲剣と虎牙破斬という技だ。
エミリオ「魔神千裂衝ッ!!」
剣を再び逆手に持ち、それを交互に使い斬っていき、最後に一瞬力を溜めて、衝撃波と同時にシャルティエで斬った!
フレイムロード「ぐおおおおおぉぉぉぉぉぉッ!!!」
エミリオの攻撃によって後方に飛ばされていくフレイムロードは、最後に・・・微かに笑った・・・。
それは、自らの命の灯火が消えるからなのかもしれない・・・。
エミリオ「・・・・・二度と僕の前に立つなッ!!」
最後の決めゼリフまで決めたエミリオだが、すぐに膝を付いた。
シャルティエ『だいじょうぶですか?!坊ちゃん!!』
エミリオ「・・・・・気にするな・・・・少し休めば問題ない・・・やはり思った以上にこの技は難しいな・・・」
苦しそうにそう、シャルティエに伝えて、エミリオは戦いになんとか勝利した。

レッドシルフ「・・・ゴッドブレス。」
ソクラム「・・・メテオスォーム。」
上空から来る、押し潰す様な強力な風圧と、無数のに降り注ぐ流星が、呪文詠唱組に襲い掛かる
フィリア「皆さん、また来ました!レイ!」
アーチェ「ほんっと!しつこいわね!テンペストッ!」
ルーティ「まったくよ!アイストーネードッ!」
ミレア「本当にね!サンダーブレードッ!」
チェスター「お前達!ちゃんと集中せんか!轟天!」
ミント「そうです!このままでは圧されます!バリアー!」
クレス「齢70の老人に無理をさせる!守護法陣!」
呪文詠唱組は、無数のレーザー、大嵐、氷の竜巻、雷の剣、雷の矢で相殺を狙い、二重にかけたバリアーでその衝撃をなんとか防いだ。
ルーティ「ちょっとどうなってんのよ!さっきまでよりも威力が上がってるじゃない!」
アーチェ「イグミス達が魔物を倒してる・・・だから強くなったの!?」
ミレア「ひょっとして、バルーセルからずっと力を借りてたの?!だから倒した魔物の方に回していた力をこっちに回したんじゃない!?」
つまりバルーセルが与える力が12だったら、、バルーセル→六体の魔物にそれぞれ2ずつ力を与える、だったのが今は、バルーセル→二体の魔物に6ずつの力を与える、となる。
フィリア「確かに・・・それならば、説明は付きますが・・・!・・来ます!」
先程より強力になった術に、こちらも強力な術で対抗し、何とか一進一退の攻防を繰り広げているが、まだこれほど過酷な戦場に慣れていないミレアと、歳の為思うように力を出し切れないクレス、ミント、チェスターの限界が近づいて来ていた・・・。
ミレア「・・・だめ・・・抑えきれない・・・・このままじゃ・・・・このままじゃ!!」
チェスター「ミレア!気をしっかり持て!まだ負けたわけでは・・・う!ゴホッゴホッ!」
ミント「チェスターさん!クレスさん!アーチェさん!チェスターさんがッ!!」
アーチェ「チェスターァ!!」
クレス「チェスター!(このままじゃまずい!)」
吐血したチェスター・・・現在の医学や法術では未だ治す事の出来ない病魔は、刻々とチェスターの体を蝕んでいく・・・。
そして、長期戦による体力の低下と敵を倒せない苛立ち、さらには敵の能力の上昇も拍車をかけて、戦況は明らかにこちらの不利だった。

レオ「まずい!ミアン!アルヴァニスタ王をお願いッ!」
ミアン「えッ!?ちょっ・・・レオッ!」
凄まじい戦いの裏で、アルヴァニスタ王をアルベイン家の養子である、レオとミアンの二人は守っていた。
レオ「母さん達を助けてくる!ミアンはそこでアルヴァニスタ王を守っててくれ!」
レオはレッドシルフとソクラムの方へ、一直線に駆け抜けていった!
ミアン「レオッ!すみません!少し離れます!」
ミアンは、レオの後を追うように走り出した!
アルヴァニスタ王「・・・!待ってくれ!」
アルヴァニスタ王は、走り出したミアンに向かって呼び止めようとした。
ミアン「だいじょうぶですから!すぐ戻ります!」
ミアンは、顔だけ振り返ってそう答えた。
アルヴァニスタ王「・・・・あの後ろ姿・・・あの性格・・・・・やはり・・・本当にシェーンの・・・・」

レオ「喰らえぇぇぇッ!!」
レオは、剣を抜いてレッドシルフに向かって飛び掛った!
レッドシルフは、手の前に風の刃を発生させ、攻撃を防いだ。
レオは、攻撃を弾かれて、少し離れた位置に着地した。
ミレア「レオ!何て無茶をッ!!」
ミレアが思わず声を上げた時、レッドシルフはすぐにゴッドブレスの詠唱に入った!
ミレア「しまった!」
ミレアもすぐに詠唱をやり直す・・・そしてその間にレオの横をすり抜けて、ミアンが飛び出した!
ミアン「やあぁ!飛燕脚!」
ミアンは空中にいるレッドシルフ目掛けて連続蹴りを浴びせた。
レオ・ミレア「ミアン!?」
ミアン「私とレオが時間を稼いでる間に、早く呪文を!」
ミレア「そんな無茶をしな・・・・・・・少しだけ、少しだけお願いよ!」
ミレアは、この状況で他に手がないと判断し、苦肉の策として頼んだ。
ミアン「任せといてよ!」
レオ「無茶はしないさ!母さん!」
そして、レオはソクラムの方を、ミアンはレッドシルフの方を足止めしに行った!
レオ「やらせるかぁー!!」
ミアン「私達だってアルベイン家の子供なんだからぁー!!」
クレス「ミント、チェスター、我々は援護につくぞ!」
ミント「わかりました!」
チェスター「いくぞ!」
レオとミアンは、ソクラムとレッドシルフの詠唱を止め様と傷つきながらも必死に攻撃を続け、クレス、ミント、チェスターもその援護につく!
ミレア「天候を満つる所に我はあり・・・黄泉の門開く所に汝あり・・・出でよ・・・・神の雷!」
アーチェ「星を包む彼方の宇宙(そら)・・・全てを生み出す光となりて・・・出でよ・・・全てを創りし閃光よ!」
ルーティ「聡明たる波頭よ・・・戦渦となりて・・・夜光飲み込め!」
フィリア「地よ・・・水よ・・・火よ・・・風よ・・・四方を守りしその力・・・今ここに・・・全てよ集いたまえ・・・!」
そして、遂に詠唱は完了した・・・。
ミレア「レオ!ミアン!良く頑張ったわ!下がって!インデグネイション!!」
アーチェ「後は任せて!ビックバン!!」
ルーティ「あんた達!巻き込まれたりするんじゃないわよ!タイダルェーブ!!」
フィリア「これで最後です!ディバインパウア!!」
巨大な落雷、超爆発、大津波、炎の嵐、猛吹雪、巨石、竜巻がソクラムとレッドシルフを巻き込むように次々と発生した!
レオ「よし!これなら!・・・・・・ミアン!?」
魔術の効果範囲外に離れたレオは、レッドシルフが作り出した風の結界に閉じ込められているミアンを見つけた!
魔術の効果範囲内である、そこに、ミアンは、味方で唯一取り残されたのだ!
レオ「ミアン!!」
ミアン「レオ!来ちゃだめ!!」
ミアンの言葉を無視し、レオは果敢にも魔術の効果範囲内に飛び込んだ!
レオは、一番最初に唱えられたインデグネイションの雷が頭上で帯電して集まってくる中、力いっぱい・・・いや、それ以上の力でミアンを捕らえている風の結界を切り裂いた!
レオ「ミアン!今だ!早くッ!!」
ミアン「・・・・・う、うん・・・。」
レオは、無意識に自分の右手とミアンの右手を握り、走り出した!
ミアン(・・・・・・レオ・・・・手・・・大きくなったな・・・・前は同じくらいだったのに・・・・・・・あれ?・・・・前にもこんな事があったような・・・・・)
レオの成長を確認し、デジャヴと言われる現象を体験していたミアンだが、突然腕を引っ張られ、前に飛ばされた!?
ミアン「いったぁ~・・・・なにするのよ!レオ!」
レオ「・・・・・・・良かった・・・」
その時、レオの上空から落雷が落ち、端に居たにも関わらず、その衝撃でレオはミアンを所まで弾き飛ばされた!
ミアン「レオッ!!!」
ミアンは、飛んできたレオを受け止めた・・・その背中は雷の熱でひどい火傷を負っている。
ミアン「レオ!どうして・・・どうして・・・・」
レオ「・・・・いまいち・・・カッコよく決まらなかったな・・・・・・でも・・・ミアンが無事でよかった・・・。」
ミアン「馬鹿・・・・レオは馬鹿だよ・・・・充分カッコよかったよ・・・。」
涙を流しながらも、ミアンは、レオに向かって微笑みかけた
レオ「・・・母さん達は・・・力を使いすぎだし・・・集気法で・・・傷なら治せるから・・・ミアンは・・・アルヴァニスタ王を・・・」
ミアン「・・・・・うん・・・うん・・・わかった・・・。」
ミアンは去り際にレオの手をギュッと握り、壁に立てかけて、アルヴァニスタ王の所へ走っていった。

バルーセル「ん?・・・・ほう・・・・」
ゼロ、すず、ルミナ、オスロンと戦っていたバルーセルは、自分が類似型モンスター(ソクラムやエキムなど)に送っていた力・・・主に魔力だが、それの全てが行き場を失った事に気付いた。
バルーセル「・・・それでは・・・そろそろ終わりにしましょうか!」
バルーセルは、送っていた魔力を止め、巨大な半円状の衝撃波を繰り出した!
ゼロ「な、なに!?みんな!ガードを固めろ!」
ゼロの指示で、すぐに攻撃を中止し、守りに入ったが、あまりの力にガードしたにもかかわらず四人共十メートル以上はあるだろう、天井近くにまで弾き飛ばされた!
オスロン「くっ!何というパワーだ!!」
四人はガードしたおかげで、弾き飛ばされたものの、あまり態勢を崩さずにいたので、受身を取って着地した。
すず「このパワー・・・・・今までとは比較にならない・・・注意してください!」
ルミナ「パワーだけあっても意味無いのよ!行け!疾風!!」
ルミナは、バルーセルに向かって瞬時に複数の矢を放ったが、矢が到達する前にバルーセルはそこにはいなかった!?
ルミナ「え!?どこに!!?」
バルーセル「ここです・・・。」
ルミナ「!!??」
バルーセル「・・・残念ですが、パワーだけではないのですよ・・・。」
オスロン「ルミナさんッ!!」
いつの間にかルミナの後ろにいたバルーセルは、右手に力を込め、それを床に叩きつけた!
ルミナ「きゃああああぁぁぁッ!!」
ルミナはその衝撃で壁に叩きつけられ、意識を失った!
バルーセル「まず、一人・・・。」
ゼロ「ルミナ!!・・・・はッ!ぐっ!」
ゼロが気付いた時、既に目前に迫っていたバルーセルに顔面を掴まれ、ルミナの時と同じ様に力を溜めて、ゼロを床に叩きつけ放った!
ゼロ「があぁッ!!!」
その衝撃で床は大穴が開き、ゼロも一瞬にして意識を奪われた!
バルーセル「・・・これで二人・・・。」
バルーセルの言葉が途切れる前に、その上空にすずがいた!
すず「忍法!!飯綱落としッ!!!」
すずは、落下と回転によるエネルギーを加えて、バルーセルに襲い掛かる!
バルーセル「ムダです・・・。」
バルーセルは、先程と同様に衝撃波を発生し、すずの攻撃の威力以上の力で、再び上空に押し戻した!
すず(このままじゃ、着地を狙われる!・・・ならば!)
すずは、ロープの付いた鉤爪を、投げて壁に突き刺し、それを使って落下位置をバルーセルの背後に変更した。
そして、着地と同時にバルーセルの方へ走り出した!
オスロンもすずとは逆の位置から、それに続く!
バルーセル「やりますね・・・ですがその程度では、無理ですよ。」
オスロンとすずの攻撃が当たる瞬間、バルーセルは上空へと跳んで回避した。
すず「着地を狙います!」
オスロン「ああ、わかっている!」
オスロンとすずがバルーセルの着地の瞬間を狙おうと身構えていると、その四方をいつの間にかBC(バリアクリスタル)が取り囲んでいた。
バルーセル「そして・・・これでトドメです。」
バルーセルの命令で、BCは一斉にバリアーを張り、オスロンとすずをその中に閉じ込めた!
すず「しまった!」
バルーセルは、閉じ込められた二人を見ながら着地し、その近くまで来た。
バルーセル「・・・・敵の隙を突く・・・戦術の上では当然の策です・・・どんな戦術でも、相手の裏のかき合いが基本です・・・この勝負、私の勝ちで・・・!」
バルーセルは、話の途中にマナの収束を感じ、その場を離れた瞬間、次々とバルーセルがいた場所に攻撃がきた!
ミレア「すずちゃん!オスロン君!今の内にそこから脱出して!」
フィリア「私達で援護しますから!」
エミリオ「早くしろ!僕達も疲れているんだ!」
比較的に被害の少ない呪文詠唱組と、エミリオが攻撃をしたのだ!
バルーセル「おやおや・・・まだそんなに元気がありましたか・・・・・・・これでもまだ、立っていられますか?」
バルーセルは、両手に力を溜め、今攻撃した者達に向かって放った!
クレス「ミント!バリアーだ!」
ミント「ダメです!間に合いま・・・」
強力なエネルギーによって、次々に弾き飛ばされ,仲間達は壁に叩きつけられた!
すず「みなさん!!」
オスロン「くっ・・・!」
バルーセル「さて、最後はあなた達です。」
バルーセルは、一部だけBCにバリアーを開けさせて、その中にエネルギー弾を入れ、爆発させた!
すず「あああぁぁぁぁッ!!!」
オスロン「ぐあああぁぁぁぁッ!!!」
爆発が収まって、BCのバリアーが解かれた時、すずとオスロンは床に倒れていた・・・。
バルーセル「やはり・・・私には勝てないようですね・・・・・。」
辺りを見回して、バルーセルは、立っているのが自分と召喚したクラースだけだと言う事を再確認した。
オスロン「・・・・・・・く・・・・」
しかし、オスロンは力を振り絞り、一人重傷のまま立ち上がった。
バルーセル「・・・・・・・あの攻撃でなお立てるとは・・・」
だが、オスロンはまるでその言葉が聞こえて無いように、気絶したルミナを見ていた。
オスロン「ルミナさん・・・・・・・・ダオス様・・・使わせてもらいます・・・切り札を・・・」
バルーセル「・・・切り札・・・・・?!」
オスロンは、何かを決意するような目をした。
オスロン「全ての時を統べる王よ・・・・・二つの世界に阻まれし時空の歪みに住まいし王よ・・・・・。」
バルーセル「切り札とは、また召喚術ですか?・・・・芸が無い・・・邪魔させてもらいますよ!」
バルーセルが、オスロンに向かって手をかざし、力を溜めた。
バルーセル「これで・・・最後です・・・・・・・何!?」
バルーセルは、攻撃を放とうとしたが、体が動かなくなった。
オスロン「砕かれし紋所、その御身に付け・・・永久なる時を支配せし王よ・・・」
バルーセル「くっ!・・・・これは・・・時がオスロンの周りに収束していく・・・!」
オスロン「前世の絆を手繰り寄せ、次元の狭間よりその姿・・・・我が、前に出でよ!・・・・・ゼクンドゥス!!」
急速に時が集められた空間に、ワームホールと呼ばれる穴が開き、そこから一人の男が出てきた・・・。
そこに現れた者はこの場にいるほとんどの人間が驚愕させた・・・。
例えこの男を見たことが無くとも、この世界の者達なら一度は必ず聞いた事がある話の人物に瓜二つだからだ。
そして、それはこの男を召喚したオスロンも同じだった・・・既にこの世にはいないと思われて・・・いや、いないはずなのだ。
オスロン「・・・・まさか・・・・そんな・・・これは・・・・あなたを召喚する呪文だったのですか・・・・・?」
??????「・・・・・我が名はゼクンドゥス・・・・時の大晶霊・・・。」
オスロン「ダオス様ぁッ!!!」

次回 第二十二章 転生・NO・マオウに続く・・・












はぁ・・・第二十章を書き終えたのが6月26日・・・実に四ヶ月以上ぶりの、作者の緋色の龍です。
すいません・・・言い訳ですが、私も本当に忙しいんですよ・・・遅くなってすいません、待っててくれた方、申し訳ありません。
ですが、何とか書き上げた第二十一章、すず・OF・フューチャーは今学期中には終わらせる予定です。(期間長ッ!)
とりあえず、今回のすずフュー(略)に付いて説明しましょう。(ここってそんな場所だったか?)
今章で、すずが生きていた経緯を知り、遂にバルーセル、クラース以外の敵を倒しましたが、味方の被害は甚大、おまけにバルーセルがパワーアップ!ピンチです!
そんな時現れたのが、時の大晶霊ゼクンドゥス・・・と、大まかに言うとこんな感じです。
さて、エミリオが使った魔神千裂衝ですが、あれはデスティニー2のジューダスが使うものと同じ様に書きましたが、セリフが少し(いや、かなり)違います。
あれは、エミリオが言った様に未完成品で、テストのような感じで使ったんです、それでセリフも入れ替えて、後のジューダスのように変わっていったと、言う事です。
しかし、あらすじを説明した(したか?)三人、何か子供っぽいですね・・・20代のつもりなのに・・・
さて、最後にここの所、日本列島は台風、地震と立て続けに起き、特に新潟地震の被害は甚大です。
皆さんの所は大丈夫でしたか?少しでも早く復興出来るといいですね・・・それでは今回はこの辺で・・・っと、その前に感想、お待ちしております。
皆さんに感想を頂ければ、しばらくは(しばらく!?)1,25倍の速度で小説を書きます!・・・では、また。

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