すず・OF・フューチャー【22】
すず・OF・フューチャー
エミリオ「・・・・・・まったく・・・なんで僕がこんな事を・・・」
ルーティ「ちょっとエミリオ!文句言わないの!あんた、みんなであらすじの説明するって聞いて喜んでたじゃない。」
エミリオ「な!僕がいつそんなこと言った!ルーティ!」
ルーティ「顔に書いてあったのよ!それに何で姉に向かって呼び捨てなのよ!」
エミリオ「痛ッ!そうやって弟に手を上げる奴を誰が姉と呼べる!そんなことじゃスタンに逃げられるぞ!」
ルーティ「うッ!ス、スタンは関係ないでしょ!あんただってマリアンさんが・・・」
ヒューゴ「二人共、そこまでだ。」
ルーティ・エミリオ「父さん・・・。」
ヒューゴ「折角、母さんも一緒にするんだ・・・家族そろってするのもいいだろう?」
クリス「さぁ、二人共、一緒にやりましょう。」
エミリオ「・・・・・・・・・・・・うん。」
ルーティ「ぷっ!・・・現金な奴。」
エミリオ「ルーティ!!」
ヒューゴ「ルーティ・・・エミリオ・・・・・まったく・・・元気であって欲しいと思い、育てたが・・・・・ここまで元気すぎるのも苦労する・・・」
クリス「いいじゃないですか・・・私は体が弱いですから・・・これ位でいいと思います・・・。」
ヒューゴ「クリス・・・・・すまない・・・苦労をかけて・・・私がもっと研究の成果を上げていれば・・・」
クリス「いいえ・・・例え苦労しても、そういうあなただから、私は一緒になる事を選びましたから・・・。」
ヒューゴ「クリス・・・・・ありがとう・・・・。」
クリス「・・・・・それよりも・・・・さすがにそろそろ止めた方が・・・」
エミリオ「ルーティ!やはりお前とは決着を付けなければならないようだなッ!!」
ルーティ「望む所よ!あんたのその生意気な根性!いい加減叩き直してあげるから!!」
ヒューゴ「!ルーティ!エミリオ!ケンカでは真剣を抜くなと言っただろ!」
作者「・・・これは、パラレルワールドで、もしソーディアン・ベルセリオスをヒューゴが見つけていなかったらという事になっています・・・もし本当に見つけていないならこういう普通の家族の未来になっていたかもしれません・・・。」
第二十二章 転生・NO・マオウ
それは夢でも・・・幻でもない・・・・現実にそこにいるのだ・・・
どこか・・・どこか違う・・・服装は確かに違う・・・・・・雰囲気が違うのだ。
以前は、誰に対してもいつも冷徹そうな雰囲気の中に、優しさがあった・・・だが今は・・・同じ・・・同じではあるが、どこか話し難い雰囲気があった。
オスロン「・・・・ダ・・・ダオス・・・様・・・・・」
ゼクンドゥス「・・・・・人違い・・・いや、晶霊違いだ。」
オスロン「・・・・・・え・・・?」
ゼクンドゥス「我が名はゼクンドゥス・・・ダオスではない。」
低く、はっきりとした口調は、自らが発したその言葉が、嘘偽りの無い事を物語ってた。
ゼクンドゥス「そして・・・我は時を操れる者のみが我との契約が可能であり、それ以外の者が我と契約し、我が力を行使したくば・・・我が望むか・・・我を倒せ!」
ゼクンドゥスは、マントを翻し、オスロンに向かって戦闘態勢をとった!
バルーセル(これはこれは・・・どうやら契約をしていないようですねぇ・・・・・戦うにせよ、契約を中止するにせよ、私にとっては有利になる・・・。)
そうなのだ、例え戦って勝っても、オスロンは傷つく、契約を止めてもバルーセルとの力の差は埋まらないのだ。
オスロン「そ、そんな・・・・・ダオスさ・・・」
ゼクンドゥス「我に時間を無駄に使わせるな!」
ゼクンドゥスは、拳を振り上げ、オスロンに向かって襲い掛かった!
オスロン「ダオスさ・・・!!」
????「待ってください!」
その時、この戦いの場に響いた声は、今まで聞いた事の無い女性の声だった。
その声は、優しさの中にも強い意志がある様な声で、そのハッキリとした言葉はゼロ達全員の意識を蘇らせた。
ゼロ「痛ッ・・・・・今の声は・・・・いったい・・・・?」
クレス「う・・・く・・・・!・・・これは・・・」
クレスは自分が持っていた袋が光っている事に気付いた。
クレス「・・・・・エレメントオーブが・・・」
その袋に入っていた物は、エレメントオーブ・・・・ならば、その声の主は・・・
????「私はマーテル・・・大樹ユグドラシルに宿る精霊・・・」
唐突に姿を現した、マーテルはまるで豊かな葉のような髪を揺らしながら、ゼクンドゥスの下へと歩いていった。
バルーセル「マーテル!?・・・・まさか!」
バルーセルは左腕にあった腕時計のような物を触ると、そこから空中に画面が出てきた。
バルーセル(・・・・・やはり・・・アルヴァニスタを通り越している・・・・すぐに軌道を修正しなければ!)
ゼクンドゥス(・・・・・・・・マーテル・・・・何故だ・・・出会うのは初めてのはずだ・・・だが、どこかで・・・)
ゼクンドゥスは、マーテルの姿を見て、どこか懐かしい感覚を感じた、そして、オスロンは・・・
オスロン(この方が精霊のマーテル様・・・・・なんと言う事だ・・・顔も声も瓜二つではないか!)
オスロンは、デリス・カーランで見たダオスの妻と同じ名前の精霊を見て、心の底からそう思った。
マーテル「・・・・・・時の大晶霊ゼクンドゥス・・・どうか・・・彼らに力を貸して頂けませんか・・・?」
ゼクンドゥス「なにっ?」
様々な思いが交錯する中、来た時と同じく、マーテルは唐突に話を切り出した。
ゼクンドゥス「断る・・・この者(オスロン)は完全に時は操れぬ、その様な者が我の力を借りたくば、我れを倒すしかない・・・そして、我が手を貸す義理は無い。」
もっともな事である、かつてゼクンドゥスが戦闘を行なわずに力を貸したのは、非常事態であったからだ。
今もそうではあるが、この世界自体が無くなる様な事態ではないからだ。
さらに言えば、ゼクンドゥスのいる世界とこの世界は別の世界だ。
マーテル「・・・・・・・・やはりあなたは・・・・・・・・」
マーテルは悲しげな表情を浮かべて、何かを考えた。
マーテル「・・・・・・・・・かつて・・・彼らは私を救ってくれました・・・・これはその恩返しです・・・・思い出してください・・・私と・・・あなたの事を・・・」
バルーセル「!何をするかわかりませんが、余計な事は止めてもらいます!」
そう言ったバルーセルは、マーテルに向かって襲い掛かった!
だが、バルーセルの攻撃は、ゼクンドゥスが体を張って受け止めた!?
ゼクンドゥス「!!・・・・なぜ・・・我は・・・・」
そして、マーテルの体は閃光に包まれ、その場にいた者の視界は真っ白になった・・・
ゼロ「う・・・・・!すず!大丈夫か!?」
すず「・・・・・はい・・・・しかしここは・・・・・・・・・・・不思議な場所ですね・・・」
視界が回復し、ゼロたちが目を開けた先は、霧がかかった様に真っ白で、足元が妙にふわふわでおぼつかない感じだ。
オスロン「今の感覚は・・・・空間転移か・・・?」
ルミナ「う・・・ちょっと酔った・・・・・それより、他の皆は・・・?」
周りを見回すと、ゼロ、すず、ルミナ、オスロン、ゼクンドゥス、マーテルの六人しかいない。
マーテル「ここは、私の心が一時的に作り出した空間・・・一時的ですが、あらゆる時、空間から拒絶された場所です。」
ルミナ「時・・・も?」
マーテル「はい・・・ですから、ここにいる者だけが時間が流れています。」
ゼクンドゥス「それで・・・我と彼らをここに連れて来た理由を聞こう・・・。」
ゼクンドゥスは、無駄な事は早く終わらせようとするように、ハッキリとストレートに切り出した。
マーテル「・・・・・・・・・あなた方には・・・知ってもらいたいからです・・・・過去を・・・・・。」
そう言ったマーテルが手を上げると、少しずつ視界がハッキリとし、足元もしっかりしてきた。
徐々に視界が見えてくるにつれて、音や声も聞こえてるようになり、やがてそれもハッキリと聞こえ、見えるようになった。
クレス『ダオス!!もう逃しはしないぞ!!魔神剣!襲爪閃空波!!』
ダオス『その程度の攻撃で!私の邪魔はさせんぞ!』
すず「これは・・・・・・ダオスと戦った時のクレスさん?!」
ルミナ「え?!この人がお爺ちゃん!??」
ゼクンドゥス「・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
全員の目の前で繰り広げられている戦い・・・それは今から五年前・・・時を越えて来た者達の戦いだった。
そして、そこで戦っていた者達の中には、先程までヒューゴが戦っていたクラースと、今よりもさらに幼いすずもいた。
ゼロ「!!・・・・・・あの子供は・・・ひょっとして・・・・・・」
すず「はい・・・五年前の私です・・・・・」
すず『忍法雷電!』
五年前のすずは跳び上がり、投げた忍者刀・・・忍刀血桜に雷を落とし、ダオスを攻撃した・・・。
マーテル「・・・・・みなさんお気付きの通り、これは今から五年前のダオス城と呼ばれた場所での戦いです。」
マーテルの言葉を待って、一同は再び辺りを見回した。
壮絶・・・と、言うのが一番正しいのかもしれない・・・それほど両陣営の戦いは激しく、凄まじく、互角であった・・・。
マーテル「・・・・・・・ゼクンドゥス・・・これを見て、あなたは何を気付き、何を感じますか?」
ゼクンドゥス「・・・・・わからん・・・・だが・・・・だが・・・・この戦いを見ていると・・・何かをやり遂げなければ成らなかった気がする・・・・。」
ゼクンドゥスは、マーテルの問いを、珍しく率直に返した。
マーテル「・・・・・・・・・当然です・・・・・彼は・・・・・ダオスはあなたの前世だからです・・・。」
ルミナ「えッ!!?」
オスロン「なんだとッ!!?」
マーテルは、そっと目を閉じ、精神を集中させた。
マーテル「思い出してください・・・・・・この映像と・・・・私を見て・・・・・ダオス!」
ゼクンドゥス「!!!な!?ぐおおおおぉぉぉぉぉぉッ!!!」
ゼクンドゥスは、頭の中で鮮明に蘇ってくる記憶に、顔を歪め、地に膝を付いた。
それは、ゼクンドゥスとしては見た事が無い映像の数々だった・・・だが、それらは、見た瞬間に何だったのかに気付いた!
ゼクンドゥス「・・・・・・・・・・・・・・・・・そうか・・・・」
ゼクンドゥスは、頭を抑えていた手を放し、立ち上がった。
ゼクンドゥス「だが、今の我は時の大晶霊ゼクンドゥスだ・・・それ以上でもなく、それ以下でもない・・・・しかし・・・デリス・カーラーンがどうなったのかは聞きたい・・・オスロン。」
ゼクンドゥスは、オスロンの方を向いた時、オスロンは感じた・・・向けられた顔は、ダオスそっくりだった。
オスロン「はい!ダオ・・・いえ、ゼクンドゥス様・・・デリス・カーラーンは、大樹ユグドラシルの大いなる実りにより、無事に大樹カーラーンは蘇り、星の崩壊を防ぎました!」
オスロンの言葉を、ゼクンドゥスは目をつぶり黙って聞き、星の崩壊を防いだ事を聞き、微笑した。
ゼクンドゥス「そうか・・・・・・・そして、我が倒れ、かなりの月日は経った様だな・・・。」
オスロン「では、私達に協力をして下さるのですね!」
オスロンは、目を輝かせて、確信に満ちた言葉で話した。
ゼクンドゥス「・・・・・・・いや・・・それとは、話が違う・・・まだ完全に力を貸すわけには・・・」
オスロン「そ、そんな・・・・・」
だが、先程よりも答えがあいまいになっているということは、力を貸すかどうかの迷いが生まれたと言う事だ。
マーテル「・・・・・・・・・・・・・・では、もう一つ・・・映像を見せましょう・・・。」
先程と同様、マーテルの体から閃光が放たれた・・・
ルミナ「・・・・・・・・・・この感覚はいい気分じゃないわね・・・。」
空間を移動する際に感じる、不快感にルミナは声をこぼした。
すず「・・・・・それで・・・次はどこへ来たのでしょう、ゼロさん・・・・・・・ゼロさん?どうかされましたか?」
ゼロ「え!あ、ああ・・・そうだね・・・・(もう少し五年前のすずが見ていたかった・・・なんて、この真剣な状況で言えないな・・・)」
どうやら、ゼロはさっきの間、ずっと五年前のすずを見ていた様だ・・・・・
???『クラトス!ホントに・・・ホントにお前は俺達の敵なのか!??』
クラトス『言ったはずだ・・・・私はクルシスの天使・・・・ロイド・・・お前達と共に居たのも全てはこの時の為だ・・・。』
先程と同様、空間が安定してくると次第にハッキリと音、周りが解ってきた。
そこには、腕組みをしている茶色の髪の剣士と、その前に四人の男女がいた。
オスロン「クラトス?・・・・それにクルシス・・・・・その名前・・・・・・どこかで・・・」
?????『クラトスさん・・・・じゃあ・・・今まで僕達と一緒に戦ってくれた事も、助けてくれた事も全部この時の為だったの!?』
クラトス『・・・・・・そうだ・・・コレットを神子の器とする・・・私はそのためにお前達と共に来たのだ、ジーニアス。』
クラトスという男の言葉を聞いて、銀髪の少年はショックなのか、うつむいてしまった。
???『それじゃ、なにかい?あんたはコレットがこうなる事を知っていて旅をさせていたのかい?!味も、痛みも感じなくなって!その上心まで無くす事を知ってて!!』
クラトス『・・・・・・・・・・・そうだ・・・そして、この事態はしいな、お前にとってもテセアラにとっても阻止すべき事だな・・・。』
クラトスは、やや自嘲気味な話し方でそう、言った。
しいな『!!ふざけんじゃないよ!!!』
すずの忍び装束に似た服を着た女性は、クラトスを一喝し、数枚のお札を取り出した。
????『それが・・・・本当のあなたの姿なんですね。』
先程の銀髪の子供と同じ髪の色をした女性が、やや目を吊り上げて歩み出てきた・・・おそらく姉であろう。
クラトス『・・・・・・・そうだ、リフィル・・・・だが、お前ならば知っていた筈だ・・・コレットの状態を。』
リフィル『ええ、少しは・・・・ですが、私の生徒達が、これ以上苦しむのを黙って見ている事はしたくないの!』
リフィルと呼ばれた女性は、武器だと思われるロッドを取り出した。
ジーニアス『姉さん・・・!』
オスロン「(クラトス・・・クラ・・トス・・・・・・・・!クラトス!!?)クラトスだとッ!!!」
ルミナ「ど、どうしたの?!オスロン??!」
リフィルの言葉にジーニアスが感激した時、突然オスロンが声を上げた。
オスロン「クラトス・・・・なぜ気付かなかった・・・・」
ルミナ「知ってるの?!オスロン。」
オスロン「・・・・・王宮の肖像画ソックリだ・・・・間違いない・・・・あの方はクラトス=アウリオン様・・・・かつて・・・デリス・カーラーンが、この星の近くにあったのは知っていますか?ルミナさん。」
ルミナ「え!?そうなの!??ねえ、ゼロ知ってる?」
ゼロ「・・・・・いや・・・初めて聞いた・・・いったい、いつそんな事があったんだ・・・」
すず「・・・・・・数千年前・・・・まだ年号がアセリア暦と呼ばれる前のことです・・・。」
すずは少し考えて、頭の中にある昔学んだ歴史を思い返し、話した。
ゼロ「そうなのか?すず。」
すず「はい・・・伊賀栗の里には、一般には教わる必要のない歴史も覚えなければなりませんから・・・」
その時、ゼロはすずの顔が微かに悲しんだ様に見えた、辛くとも今は亡き両親と共に過ごした時の経験のはずだ。
ゼロ「・・・・・それで、それはどんな歴史なんだ、すず。」
ゼロは、早くこの会話を終わらせようと、本題へ移した。
すず「・・・・オーディーンとフェンリル・・・かつてあった二つの大国の終末戦争の時、三種の武具を操る男達によって滅ばされた・・・この位はみなさん知っていますよね。」
ルミナ「うん・・・・そこまでなら・・・。」
すず「その後、シルヴァラント、テセアラ共に時空を境に、同じ場所に存在する世界になってしまったんです。」
ルミナ「・・・・・・・・?????」
すずの説明が難解だったのか、それともすずが教わったようにそのまま言ったのかはわからないが、あまり通じなかったようだ。
ゼロ「あ~・・・・えっと・・・それってつまり、五年前にダオスの城が隠れていたのと、同じ原理なのか?」
すず「はい、そのとおりです。」
かつて、アーリィの大陸の空に隠れていたダオス城も、時空の断層を変えて、そこに在るのに見えず、触る事もできない状態だった。
ゼロ「・・・・・何となく、感じはわかったけど・・・・できれば、要件だけを簡単に説明して欲しいな、長くなりそうだし・・・。」
すず「・・・・・そうですね・・・わかりました。」
すずは、少しの間だけ目を閉じて、話すことを整理し直し、再び話し出した。
すず「その戦いは、八人の人々によって解決し、今のような状態になりました・・・そして・・・そこに居るクラトスさんは、終末戦争の英雄の一人で、影から先程の八人を支え、その後、デリス・カーラーンに向かったと言われる人物です。」
ルミナ「あ!だからオスロンがクラトスって人のこと知ってたんだ。」
デリス・カーラーンの住人のオスロンにとって、王宮に飾られるほどの事をしたクラトスを、知っていてもおかしくはない。
オスロン「はい・・・その時の混乱を抑え、災厄の石と呼ばれる、エクスフィアの全てをたった一人で無くした人です。」
すず「そして、先程ロイドと呼ばれた人・・・あの人の父親でもあります。」
ゼロ「えっ!?じゃああの人はアレで結構年取ってるんだ・・・ん?・・・ロイドにクラトス・・・・すず、ロイドの名字は?」
ゼロは、何かに気付いたようで、すずに視線を向けて話した。
すず「・・・・・確か、アーヴィングだったと思います。」
ゼロ「あーーーーーッ!!!」
セリフも大きくなるほど(笑)、ゼロは驚いた。
ルミナ「!!???」
ゼロ「思い出した!アーヴィングって言えば、アルベイン流の語源!そして、家の先祖じゃないか!」
ルミナ「えっ?・・・・・・うーん・・・そんな事を聞いたような気も・・・」
ゼロ「そうだ!確かさっきコレットって・・・そうか・・・そうだった・・・・・あ!じゃああのお札をを取り出した人はすずの先祖か!!?」
すず「はい・・・あの人は伊賀栗の里の元である、ミズホの最後の頭領、藤林しいなさんです。」
オスロン「????」
ルミナ「・・・・・・えっと、二人とも、私とオスロンにもわかるように説明して欲しいんだけど・・・。」
お互いに顔を見合わせ、状況を理解できない二人(と画面の前の皆さんもでしょう)は説明を求めた。
ゼロ「・・・・・俺達の家が使ってる、アルベインって名字・・・あれは、アルベイン流の基礎を創った、ロイド=アーヴィングとその妻のコレット=ブルーネルの名字を組みあわせて創られたんだ。」
ルミナ「え!?じゃああの宙に浮いてる女の子と二刀流の男の子は・・・」
ゼロ「ああ・・・俺達の先祖だ・・・そして、あの黒髪の女性はすずの先祖だ・・・。」
この事で、この四人は、生まれるずっと前から、すでに縁(えにし)と言う絆で結ばれていたのだ。
正確に言えばオスロンはクラトスの血は引いていないが、クラトスがいなければ、ここにはいるはずがないから、オスロンにも縁はある。(難しく考えると訳が解らなくなる
から、関係があるとだけ覚えておけばいい)
ゼクンドゥス「それで・・・この世界が私と何の関係があると言うのだ。」
とりあえず、先祖の関係は解ったが、肝心のゼクンドゥスの話は進んでいない。
マーテル「・・・・・それは・・・・・!・・・来ました・・・。」
???『お前達!神子を連れて早く逃げるぞ!』
ロイド『お前は・・・ユアン!』
いつの間にか羽の生えた金髪の男がいて、この空間の話が進んでいた。
ゼクンドゥス「この者が何だと言うのだ。」
ゼクンドゥスは、訳が解らない様な顔をしてマーテルを見た。
マーテル「・・・・この人はユアン・・・・この人も・・・あなたの前世である・・・ダオスの前世の姿・・・・そして・・・・・・・私が・・・私が人間でいた時の恋人・・・。」
オスロン(・・・・・・・輪廻転生・・・・ならば、デリス=カーラーンのマーテル様は・・・!)
ルミナ「えっ・・・えーーー!!?マーテル様のこいび・・・よりッ!マーテル様は人間だったんですか!?」
すず「・・・・・マーテル教の聖典には、こんな事が書かれています・・・」
すずは、頭の中からマーテルの聖典の中身を思い出した。
すず「・・・主、マーテルは、人々の苦しみを一身に背負い、その願い、叶える為、人の身を捨て、神えと転ず・・・と。」
ルミナ「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・そうだっけ?」
ゼロ「ルミナ・・・・法術使いなら一回くらい聞いた事あるだろ・・・。」
法術は、主に風や大地、神などの力を借りて、それを自身の精神的なエネルギーを使って発動させる。
その為、力を借りる存在を理解する為、法術では様々な神の事を習う。
ルミナ「そうだけど・・・・・こういうのって感覚で理解するものだからさぁ・・・」
ゼロ「それは、そうなんだが・・・それより、本当だったんだな・・・マーテル様が人間だった事。」
一同は一斉にマーテルを見た。
マーテル「・・・・ある程度の違いはありますが、聖典の内容も、ユアンの事も事実なのです・・・。」
その言葉を待っていたかのように、ゼクンドゥスの頭に衝撃が走った!
ゼクンドゥス「くっ・・・・・」
マーテル『あなたがクラトスの言っていたユアン?・・・初めまして、私はマーテル・・・この子は弟のミトス・・・。』
ゼクンドゥス「ぐうぅぅ!」
マーテル『私達のやっている事が実現できるかって?・・・出来るわ・・・だってミトスは、精霊との契約に成功したわ。』
ゼクンドゥス「ぬうぅぅぅ!!」
マーテル『この旅が終わったら?・・・そうね・・・・・私は・・・・・・ミトスと・・・・・・あなたと三人で・・・暮らしたいわ・・・・・・。』
ゼクンドゥス「うおおおおぉぉぉぉぉ!!!」
マーテル『・・・・・ユ・・アン・・・・・・・・ミトス・・を・・・・おね・・・・がい・・・・・わたし・・・も・・・・みたかった・・・・・さ・・べつのない・・・へい・・・わな・・・・せかい・・・・を・・・・・・・・・・』
ゼクンドゥス「はあ・・・はあ・・・はあ・・・これが・・・・ユアンの記憶・・・か・・・」
頭の奥からユアンの記憶が引き出され、ゼクンドゥスは昔の記憶と、聖典の違いを理解した。
そして、その中にはゼロやすずの祖先とも知りあいであり、力を借りた事も思い出した。
ゼクンドゥス「・・・・・マーテル・・・・お前は・・・人を・・・このような行いをした人を憎くはならないのか・・・?」
ゼクンドゥスの視線に合わせ、みんながマーテルを見詰めた。
マーテル「ええ・・・・私は・・・・人はもっと素晴らしいものを持っている・・・それを知っているますから・・・。」
それを言ったマーテルの顔には、微塵の迷いも感じられなかった。
ゼクンドゥス「・・・・・・・・・・・・・・・」
オスロン「・・・・・ゼクンドゥス・・・様・・・・・」
ゼクンドゥス「・・・いいだろう・・・」
オスロン「え・・・?」
ゼクンドゥス「力を貸そう・・・オスロン=レイオルニー。」
オスロン「ほ、本当ですか!!?」
ゼクンドゥス「無論だ・・・。」
ルミナ「やったね!オスロン!!」
ゼクンドゥスの力を借りれて、喜ぶオスロンを、まるで自分の事のようにルミナも喜んだ。
そんな風景をマーテルはどこか懐かしげで、どこか悲しげに見ていた・・・。
マーテル「・・・私が力を貸せるのはここまでです・・・・・・さようなら・・・・いつか、また出会う日まで・・・」
マーテルが三度手をかざし、その光にゼロ達は包まれた・・・。
今度こそ・・・バルーセルを倒すという想いと共に・・・
次回 第二十三章 時・NO・ケンに続く・・・
ホントお久しぶりです・・・・本当の本当に小説が更新できました、作者の緋色の龍です。
もう三月ですね・・・世間は卒業セールの真っ只中、卒業者は次の準備の真っ只中。
私も一ヵ月後は家を出て、一人暮らし・・・振り返ると短い人生であった・・・(まだ人生は終わらないから!)
さて、今章はファンタジアの時代とシンフォニアの時代を繋げてみました。
一応ファンタジアの終末戦争とシンフォニアの古代大戦を同じものにしてみましたが、どうでしょうか?
そして、アルベインの名字、少し・・・いやかなり苦しかったかな?
最後に次の章で戦い再び!いったい何時間戦ってるのか・・・サブタイトルが指す、ケンとは・・・みなさんわかりますよね。
それでは、今回はこの辺で・・・あらすじの漫才(!?)も見てね!・・・では、また。