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デミテルは今日もダメだった【45】

前書き

もう一度書いてもいいですか

正直言います。放置してました。約二か月。本当にごめんなさい

いや、謝っても、この小説を覗いてくれる人なんていないのかもしれない

また、放置することがあるかもしれません。以前みたいに毎週一本ずつはかけないかもしれない。

内容も劣化するかもしれない

でも、とにかく、今、この瞬間に

僕はこれが書きたいです。わがままをお許しください

では。いきます。どうかお付き合いください

第四十五復讐教訓「口だけの座右の銘に意味はない」


「デミテルさまあああっ!!」
「ぐっふおおお!?」

時は夕方。日は傾き、大地は影に染まりつつある。

デミテル達は、ユミルの森の少し手前の平原をうろうろとしていた。それというのも、
むせび泣く以外何の取り柄も無いモンスターが、行方不明だったからだ。

ところが、その行方不明だったモンスターは

まるで大砲からぶっ放されたようなスピードで、デミテルの元に飛んできた。

あまりの速さで、コントロールが出来ず、デミテルの腹部に頭から突撃する形となったが。

デミテルの頭の中を一瞬走馬灯的なモノが駆け巡っていた。

「き、貴様…急にいなくなったと思ったら…遠距離からのヘッドバットとは…
アレか?反抗期か?」
「うぅ…頭がガンガンガンするぅ…」
「こっちは腹がギュルギュルギュルいっておるわ…」
「って、それどころじゃないんだったぁ!おねーちゃんがぁ!!」
「は?リリス=エルロンならそこに…」
「そっちのお姉ちゃんじゃないよぉ!は、早くしないとぉ…」
「おい。一体何の話をしとるんだ?」


時は、遡ること一時間前。

リミィは、プチプチを潰して暇を潰している、ユミルの森の見張り兵の前にいた。

「…お前、さっきの適当な方便を連発していた頭が悪いハーフエルフの奴といたな。何のようだ。」
「ねーねぇ?そのお手てに持ってるのなーにぃ?」
「ん?これはプチプチといって、空気が入ったビニールで、暇潰しに超もってこいのだな…」

リミィが、上手く兵士の注意をそらしていた時。ピンク色のものが、そろそろと木陰から動き始めた。


よーし…上手く気を引いてる…やっぱり賢いわあの娘…


アーチェ=クラインは、リミィと話し込む兵士をチラチラと垣間見ながら、ユミルの森へと箒を進めていった。

『高く飛んでいけば兵士に気付かれないのでは?』と思われそうだが、そういうわけにはいかない。ユミルの森周りには高い木が皆無、アーチェの箒で飛べる高さでは、下から丸見えだった。

兵士は、侵入者に気付く気配もない。下を俯き、目に腕をあてて

泣いていた。

「そっかぁ、奥さんに逃げられちゃったんだぁ」
「そーなんだよ…『連休ぐらい家に帰ってどっか連れていきなさいよ』とか言ってきてよぉ…思わず怒鳴っちまって…『バカヤロー!誰のおかげで生活出来てると思ってんだべらんめー!!』とか…そしたら、荷物と娘三人連れて実家に帰っちまったよ…」

「ちっくしょぉー!!こちとらエルフ一族の秩序を護ってるようなもんなんだぞ!?誇りある仕事なんだぞ!?…ま、家庭も護れない男に護れるものなんて何もないのかもな…」
「おじちゃんも大変だねぇ…はい。飲んで飲んでぇ。」

おじちゃんの落ちぶれた肩をポンポン叩き、リキュールボトルを注ぎながら、
リミィは感慨深く言った。何故この手の対応に慣れているのか、
その謎は個人情報にあたる為公開できなかったりする。

「長女は今年大学受験だってのによぉ…遠い親戚のリド=キャスパールは何故か大量のアジの干物を合格祈願に贈ってくるし…まぁ、食べたんだけどね………………………ん?」

兵士がふと顔を上げると、幼女の姿はどこにも、影も形もなかった。


帰っちまったか…まぁ、こんなオッサンの愚痴話聞いてもつまんないわな…でもありがとう聞いてくれて…おかげでオジサン…明日からも頑張って、生きていこうとおもう!!

人生に光を見出だしたオッサンであった。


「侵入成こ~う」
「せいこーう」

キラキラと輝く水面。その上を無数に走る丸太の足。水は今までに見たことが
ないほどに澄んでいて、魚が背中を、水面と同じくキラキラと輝かせているのが見える。

 この湖に、人が関わってはならない。そう無意識に思ってしまう、そんな場所だった。

そんな場所を滑空する箒があった。上に乗るのはアーチェ=クラインとリミィだ。
リミィの軽さなら(実を言うと少し体を浮かしている)、アーチェは一人の時と何の違いもなく飛ぶことができた。

「ホントにありがとね♪おねーちゃん助かっちゃった」
「えっへん!『困った人がいたら助ける』がリミィのザユーのメーだもぉん!でも、ザユーのメーのザユーってどういう意味なんだろぉ?」

自分で言った言葉に自分で疑問をもって頭を捻るリミィを尻目に、アーチェは珍しく難しい顔をしていた。

アーチェは箒のスピードを徐々に落としながら、水面の上を飛んだ。

「ねぇリミィちゃん?」
「ふぇ?なーにぃ?」
「リミィちゃんのおかーさんてどんな人?」
「!!!」

背後から感じていた無邪気な気がすっと消えた。アーチェはビックリして振り向いた。

リミィは下を俯いたまま、何の顔もしていなかった。

 アーチェは知らなかったが、これは凄いことだった。常に『喜怒哀楽』の『喜と楽』しか持ってないような顔しかしていなかった人間が、突然そんな表情をしたのだ。

アーチェは慌てた。

「ご、ごめんねリミィちゃん!?アタシ何かマズイこと言っちゃった?」
「う、ううん!なんでもないよぉ!」

平静。を装うとして、逆にぼろが出ているのが見え見えだった。
明らかにテンションの張り上げ方がおかしかった「でも、なんでそんなこと聞くのぉ?」

「アタシのお母さん…エルフだったんだけど、アタシが小さい時死んじゃったんだ。
お父さんが言ってた。アタシはお母さんのことあんまり覚えてない。お父さんもあんまり話してくれない…でも、ほら?もしかしたら、エルフの里にお母さんの友達がいるかもしれないじゃない?だから、もしかしたら聞けるかもって…お母さんのこ」
「んっ?」
「げっ!?やばっ!」


どこかしら声がして、アーチェは急いで箒に急ブレーキをかけた。体をピッタリと湖の水面から抜き出た木にくってけ、息を潜めた。

いきなり止まった衝動で、少し体を浮かしていたリミィは木の上に飛んでいった。

声が、少し距離のある場所から伝わってくる。

「どうしましたクラースさん?」
「今、ピンク色の物がそこの木の影に…」
 「気のせいじゃないんですか」 
「…そうだな」

 あ、危なかった…ハゲ…じゃない、クラースに見つかりでもしたら、拷問じゃすまないわ!

きっと、毛を毛根から引き抜きにかかるに違いない…!いやもっと恐ろしいことを…

ってあれ?あの子は…?


ヒュッ


何かが、風を切ってくる音がした。頬を、何か鋭いものが掠った。そうでなければ、彼女の頬から一筋の血液が走るわけがない。

アーチェは急いでその場から飛び上がった。また二本、鋭いモノが彼女の体ギリギリを翔けた。

誰かが、遠距離から弓で狙っている。マサイ族並みの視力で標準をつけている。
そのマサイ族並みの視力で

彼女がハーフエルフだと気付いた。

案の定、リミィは木の中の茂った葉の中にひっくり返って埋もれていた。驚いた拍子に飛び上がったのだろうか。

「リミィちゃんだいじょーぶ!?」
「ぽ、ぽーにょぽーにょぽにょ魚の…」
「って全然大丈夫じゃない!?落ち着いて!気を確かにもって!?」


こうしている間にも、誰かが近づいて来ているのがわかる。この子はハーフエルフじゃないけど、それでも無許可で入ってきてしまっている以上は…

この子は危険にさらせない。

「ん…あ!酷いよおねーちゃん!いきなり止まるからびっくりしちゃったぁ!!」
「しーっ!いいリミィちゃん?今から百数える間…」
「…リミィ四十七までしかわかんなぁい」
「中途半端な数字まで数えられるのね…じゃあ」

アーチェはポンと、リミィの両肩に手を置いた。

その目は、優しさと、そして憂いに満ちていた。

「…お姉ちゃんが、追ってくる人をおびき寄せて逃げ切るまで、隠れて。そのあと、森から出るの。」
「ふぇ?」
「ありがとね。手伝ってくれて…やっぱり…」

「ダメみたい…ハーフエルフがここに入ったら…」

リミィは見た。一瞬、アーチェの瞳を、うるうるとした何かが光ったのを。リミィが何か言いかけた瞬間、アーチェは箒で一直線に水面スレスレまで急降下し、そこから弾き飛ぶように猛スピードで飛んだ。

リミィは放心状態だった。自分が座っている枝の下を、槍と弓を持ったエルフが
駆けて行っても気付かなかった。

やがて、ハッとした。


助けなきゃ

おねーちゃん…助けなきゃ!!


そのあとのリミィは早かった。まさに弾丸のような勢いで森を突き抜けた。余りの早さで見張りは気付かず、そのまま森を抜け

デミテルの腹に直撃した。

「…事情は大体把握した。」
「じゃあ急ごうよぉ!リミィがおねーちゃんを入れた時と同じ方法を使えばデミテル様も…!」
「同じ方法が使えると思ってるのか?本気か?」
「んぅ…」

リミィは口ごもった。同じ方法は…無理だ。

デミテルはボリボリと頭を掻いた。リミィは焦る。

「アレだよぉ!『砕けて当たれ』!!」
「逆だ」
「ふぇ?あれぇ?」


焦っているから頭が混乱しとるのか、元がアホなのか…まったく


この私が?名も顔も知らんハーフエルフの女を助ける為にわざわざユミルの森へ?
バカバカしい。そんな善人みたいな理由で誰が行くか

…ふん


「…私はいかんぞ。助けになど」
「ん……でもぉ…でもぉ…」

どうにか説得出来ないものかと、リミィは必死で考えたが

自称悪人を、名も知らない人間を助ける為に動かす方法がどうやっても思い付かない

しかし、彼女の中に『見捨てる』という選択肢は微塵もありはしない


リミィのザユーのメーは

『困った人がいたら助ける』

絶対に

あの時そう誓ったもんっ!!


「…………フトソン、ジャミル、リリスを呼んでこい。すぐそこで貴様を捜している。とっとと行くぞ」
「…ふえ?行くってどこにぃ?」
「…さっき言った通り、助けに行く為になど、森に入る気はない」
「あくまで」

「クレス=アルベインどもを倒す為だ。それが第一目的だ」

デミテルはリミィの横を抜け、スタスタと森への入り口に歩み出した。

そして、背を向けたまま、言った。

「………人命救助は第二目的だぞ。あくまでな」
「………!!」
「ふん」

彼は、そのままそそくさと歩いていってしまった。

リミィはしばらくボォっとしていたが、やがてハッとし、自分を捜し続けるフトソン達の方へ飛んだ

とても嬉しそうな顔をしながら

…………。

あたし、うらやましかったんだ。リアのこと

優しいお母さんがいて

うっとうしいぐらい大事にしてくれるお父さんがいて

かっこよくて、優しいお手伝いさんがいて

もちろん、あたしのお父さんも優しくて、とってもいい人だよ

でも、お父さんは

あんまり、死んじゃったお母さんのこと話してくれないんだ。なんでだろ

私はお母さんのことうっすらとしか覚えてない

お母さんがどんな人か…知りたかった…

お母さん…

「…それで族長は?」
「外から来た人間達を連れて森に…」
「ハーフエルフはまだ気絶しているのか?」
「我々の矢を避けようとして木に頭をぶつけて落下。気絶。注意散漫なハーフエルフだ」
「族長が帰ってくるまで待つ必要があるのか?ここに入ったハーフエルフは問答無用で死罪なんだぞ」
「しかし我々だけでそれをするのはやはり…族長が帰ってくるまであのまま縛っておいた方が…」
「俺はハーフエルフと同じ空気を吸っているだけで吐き気がするんだよ…」

…なんだか

外が騒がしいわ


チリンチリン

「大変よルーチェ。若いハーフエルフの女の子が森に入ってきたんですって。今縛られて気絶してるわ」

…そう。若いハーフエルフの女の子が

きっと、親に会おうと入って来たのね

「差し詰めはそうでしょうね。エルフの大移動で離ればなれになったエルフの親とハーフエルフはたくさんいるから…最近多いわね」

…そしてみんな

「…死罪。なんとも言えないわ。私、今からどんな子か見てくるわ」

チリンチリン

若い…ハーフエルフの女の子

もしかしたら

…いいえ。そんなことは無いわね。あの子はきっと

あの、風吹く谷で幸せに…

不憫で見に行く気にはならないわね…その捕まった子を

ガシャーンっ!!

「っ!!」

エルフの集落唯一の宿。その宿に名は無い。何故なら、名も無き宿屋だから。

そこの女主人は、背後の部屋から突然聞こえた物音に飛び上がった。
その拍子に、カウンター上の客の帳簿がパサリと落ちた。

彼女は恐る恐る、自分の寝室である背後の扉に近付いた。
泥棒だろうか。はたまた子供達のイタズラ。

覗き込むように、彼女は扉を押した。

「いたたた……」
「ふはははっ!どうだフトソン!私の言った通りだろう!この世紀の大悪人、デミテルにかかればこんなところに侵入するなど朝飯前だ!!」

「どうやって我々が入ったか?その秘密はこうだ諸君!!」
「ねぇジャミンコぉ?デミテル様一体誰に話し掛けてるのぉ?」
「…そこは深く触れないであげなさい小娘。今気分いいみたいだし」


☆デミテル式!ユミルの森の入り方っ!!

必要なもの:ジャミル、フトソン、デミテル

1、 まず、衛兵の見えない位置からジャミルをエルフの集落まで飛ばします。
鳥なので衛兵の頭上を越えても文句は言われません

2、 ジャミルには、一定のスピードで集落まで飛んで貰います。
それで、スタート位置から集落まで何回羽ばたいたか数えさせます(仮に羽ばたき回数をX回とする)

3、衛兵に湖の深さを教えて貰います(仮に深さをYメートルとする)

4、最初の衛兵の見えない位置に戻って、


地面を、垂直にYメートルよりさらに深くフトソンに掘らせます

『…あのデミテルさん?湖の深さよりさらに下って物凄い深さじゃ…』
『お前は手漕ぎボートでベネツィアからアルヴァニスタまで漕ぎ切った男だ。お前ならやれる。その身を犠牲にしてでもミラクルを起こ…』
『そのセリフ前も聞いたんだな!!』

5、掘らせ終わったら


エルフの集落の真下までフトソンで掘り進みます

『ちょ、ちょっと待つんだな…僕もうかなり体力…』
『集落への方角はここから北々西。距離は、1で計ったジャミルの羽ばたいた回数分の距離。
X回分。間違って湖の下にでも来たら大惨事だ。ちゃんと計ったんだろうな。鳥』
『鳥って言うな』
『スンマセン。僕の意見と人権を…』
『頑張れぇフトソォン』
『これも、見ず知らずのハーフエルフの女性を救う為です。フトソンさん』
『いやリリスさん。それはあくまで二の次であって第一目的は復しゅ…』
『それ以上はいいっ!とっとと掘れ白饅頭!!』

6、掘り終え、集落の真下に来ました

『うおおおっ!掘ったぁ!!僕掘り切ったんだなあああ!!誰か僕を褒めてえええっ!!読者だけでもいいから!!』

そうしたら最後に

フトソンで、螺旋に、徐々に坂を登る感じで地表まで掘り進みます

『…』
『ここから垂直に地表まで一気に掘り進めたら楽だが、あいにくそんな身長はお前にはない。手間はかかるが…』
『ねぇデミテルさん』
『安心しろフトソン。掘っている途中で土が崩れて生き埋めにされないように、私が小規模のアイストーネードで壁を凍らし、補強しながら進むからな』
『ねえデミテルさん。世の中には、労働基準法なる法律があって、労働者の人権は…』
『今度町に寄ったらエロ本を買うのを許可してやる』
『………』

『掘ってやるよチキショーっ!!もう手が土で真茶色になってるけど、掘ったるんだなあああっ!!別にスケベ本に買収されたわけではないんだなああっ!!』

「…というわけだ」
「…デミテル。こういうのを何て言うかアンタ知ってる?」

とくいげなデミテルの肩の上で、ジャミルは淡々と言った

「チートって言うのよ」
「なに?チーター?」
「違うよジャミンコぉ。それを言うならモグラさんだよぉ」
「…もういいわよ。アンタに『モグラさん』の称号を与えるわよ」

デミテルは称号『モグラさん』を手に入れた

「あの…ここまで掘った僕の功労を誰か讃えて…」

フトソンは血豆だらけの手をさすりながら言ったが

誰も聞いていない。デミテルはこの悪行をやってのけたことに対して、かなり興奮していた

「ふふっ…今まで散々人助けやらなんやらやってきたが、やはり私は根っからの…」
「あの、僕のこと褒めて…」
「デミテルさん。上に出た拍子に、洋服箪笥を吹き飛ばしてしまってますよ」
「すいません。あの…無視しないで…」
「中身散乱しちゃってるわね。下着とか…」
「みなさーん。僕はここにいるんだなー」
「ふん!放っておけ!!どんとこい器物損害罪っ!!私は悪人デミテルだっ!!」
「…」
「デミテル様ぁ。頭にブラジャー乗ってるよぉ」

リミィがデミテルの頭を指差し言った。デミテルは頭に手をやり、シュルリと手に取った。

「ふん。こんなものがどうした。どんとこい窃盗罪っ!!」


ああ…やはり悪いことをするとはなんと爽快だ…

やはり私のハートには生まれつきのダーク!!ルールを突き破り大地を震撼させる恐怖のアイデンデティが…!!


デミテルは

調子に乗り始めた

「大体なんだこのブラジャーは。Bも無いんじゃないのか?私は別に胸の大きさで女を選考したりはせんが、せめてDは欲しい」
「…」

誰も、何も言わなかった。何故なら

その、ブラジャーの持ち主のエルフが、戸を開けてこっちを見ていることに気付いたからだ。
デミテル以外は。

彼らは、そろりそろりとブラジャー片手の男から距離を取っていった。
そのブラジャー片手の男を、エルフの女性が背後から見ている。

「貴様ら知っているか?エルフは基本的に美形ばかりだが、胸が小さい女性が多いそうだ。
それは何故か?奴らは生物の中でも卓越に進化しているから、生きるのに無用なものは削ぎ落とされているからだそうだ」

「胸は基本、最低限子供の授乳さえ出来ればいい、という作りなんだ奴ら。
まったくつまらん奴らだ。いや、誤解するなよお前ら?別に私は胸に対して特別な愛情を持ってるわけではないぞ。
しかし、やはりこのブラは小さすぎるだろー。こんなものつけてる女、胸が無いのと同じ…」
「ファイアボールっ!!」
「ギャアアアアアっ!!」

デミテルの後頭部が突如炎上した。

しかし、誰も、リミィでさえ助けには行かず、ただ傍観していた。

ルーチェ=クラインは、恐ろしい半笑いを浮かべながら、箒を構えて、もがき苦しむデミテルに歩み寄って行った

そして言った

「どんとこい。暴行罪」
「違う!あのアレ、私はハーフエルフじゃないぞっ!」
「ハーフエルフであることは全く関係ないわよっ!!せめて変質者であることを否定しなさい!!」
「ギャアアアアアっ!!」

「…リミィ。困ってる人はみんな助けるんじゃなかったんだな?座右の銘護らなくてもいいんだな?」
「え?ええとぉ………」
「これは…仕方ないわよ…」
「はい…仕方ないと思います」

つづく

次回 第四十六復讐教訓「子は宝」

コメント

新作じゃないですか!ずっと来ないんで打ちきりかと思って心配してました!

新作じゃないですか!打ちきりかと思って心配してました!

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