« デミテルは今日もダメだった【65】 | メイン | デミテルは今日もダメだった【67】 »

デミテルは今日もダメだった【66】

1、パッと行く
2、歩いて行く

「パッと行くでGO!」

「…………あり?」
「アーチェ。パッと行けるのはプレイヤーだけだよ。僕らはプレイヤーの見えな
いところで歩いていくんだよ」
「えぇえ!?」

第六十六復讐教訓「冗談通じない人ってメンドクサイ」

四人の時の英雄は、人影少ないミッドガルズの街を歩いていた。彼らは正直、滅入っていた。


こっからアーチェの家とか遠すぎるだろ………


明らかにおかしい。絶対におかしい。どうしたらこんなシナリオ構成になるというのか。途中で船にも乗らないと行けないんだぞ?『パッと行く』選んだからって瞬間移動できるわけじゃないんだぞ?歩いている姿をカットするだけだ。交通費、宿泊費、食費……

「あのぉ、もうやめませんか?こういう生々しい話」

財布を覗き込んでブツブツ陰湿に呟くクラースに、ミントは言った。だが、クラースはなお暗い顔を続ける。

「お前達、行きの事しか考えてなくないか?帰りの分も…」
「帰りもパッと行けばいーじゃん」

アーチェがあっけらかんと言った。クラースはぴくぴくと眉を潜めた。

「……行き損にならなければいいがな」
「大丈夫だって。お父さんなら何か知ってるよ」
「ミッドガルズと、リアの両親の共通点か…」
「………うん」

アーチェは少しはにかんで、クレス達に背を向け、歩き出した。クレス達は何だか少し気まずくて、互いに顔を見合わせた。
妙な空気に気付き、アーチェは振り向いた。そしてケラケラ笑った。

「そーんな気使った顔しなくっていいってばぁ。あたしは大丈夫だよ。あ、そーだ。」

アーチェは何かを思い出して、楽しげに笑った。

「昔さぁ、十一歳くらいの時?リアがリアのお父さん、あとデミテルと一緒にミッドガルズに行った事があってさ」
「ミッドガルズに?どうして?」
「さぁ。普通に旅行だったと思うけど」
「それは共通点…とは言えないな……」

クラースは顎をなぞりながら呟いた。四人は大通りを抜けていく。ふとミントが尋ねた。

「そんな小さい時からリアさんと…」
「うん!友達だったよ。友達になったのは六歳くらいだったかなぁ。デミテルもその時からいたし」
「デミテル……」

クレスは小さく、何かを思った。無意識に触れないでいた気がしていた、何かだ。四人の横を、子供が二人通り過ぎていく。

「デミテルは、そんな昔からスカーレット家にいたの?」
「うん。」
「…デミテルってどんな奴だったんだ?」
「え?」

クレスの目が真剣で、アーチェはドキリとした。
アーチェが自分から目を反らしたのが見えた。リアのことに触れられた時は大して反応は無かったというのに。

「……い、今更そんなん聞いたってしょうがないじゃん?だってデミテルはもう…」
「でも、気になるじゃないか」
「いいってば。あいつの話は…」「デミテルがダオスに操られる前のデミテルは
……」
「いい奴だったらなんなのさ」

アーチェは再び、クレス達に背を向けた。ポニーテールに隠れた背中を見せながら、言った。

「デミテルがいい奴だったら……クレスは後悔しちゃうの?デミテル倒したこと?リアの仇討ち手伝いしたこと?」
「そ、そんなことは…えっと…」

ふと思ったのだ。かつて、アルヴァニスタに向かう船で、操られたメイアーを倒した時。あの時の胸の苦しみ。それは、メイアーの人格が、クレスは好きだったからだ。
しかし、デミテルを倒した時に、クレスはその胸の苦しみを感じなかった。それはクレスの知るデミテルの人格は、あの非道の姿しかなかったから……?

「………ごめん」

クレスは謝った。アーチェがデミテルのことを話さないわけがわかったからだ。もしここでデミテルの話を聞かせて、迷いを生ませてはいけないと。

しばらく間をおいて、アーチェはクレス達に向き直った。照れ笑いを浮かべながら。

「別にあやまんなくたっていいよ。はいっ!今から五秒以内に別の話題始めないとサンダーブレードっ!!」
「ええっ!?えっとあっと……」
あたふたして周りを見渡し話題を探すクレスを見て、ミントとクラースは安心したように微笑んだ。アーチェもニッと笑う。

「ええっと………そんなことより、こんなに大きな街なのに、人がホントに少ないよね!」
「ん。そうでもないじゃん。ほら」

アーチェが指を指す方に、公園を走り回る子供の姿が見えた。

「こんな状況でも、子供はボール蹴って遊んでる」
「本当ですね…」
「でもさ、悪い事じゃない、よね?」
「…うん。そうだね」

クレスはアーチェに賛同した。もうすぐ戦争が始まるから、と言って子供達からああいうことを奪うのは、ダメな気がする。

「だからこそ、僕達は戦わなきゃ。ああいう姿の子供を護るた……」
「ふはーっはっはぁっ!!クソガキどもめが思い知ったかァ!!」

クレス達が公園に背を向け、歩き出した時、子供の声に混じり叫ぶ大人の声が聞こえた。四人は目をパチクリさせる。

「この私が護るゴールに点を入れられると思うてか!?『悪の守護神』の異名を持つ(※今考えた)私にかかれば、例えロナ〇ジーニョが百人攻めてこようが、ゴールネットを揺らす事は叶わん!!」
「チックショー!!お兄ちゃん大人の癖に本気過ぎるよ!!」
「黙れっしゃい!貴様らに本物のサッカーというものを教えてくれるわ!!サッカーまでゆとり教育で教えて貰えると思うなよぉ!!そしてこの厳しい教えの中から生まれるのだ!世界のゴールを揺らしまくるキャプテンがここからっ!目指せ南アフリカ!!」

「…どうやら、子供みたいな大人もいるみたいだね」
「でもさ、楽しそうでいいじゃん」
「うん…そうだね……」


なんだかどっかで聞いたような声だなぁ……


四人は同じ疑問を脳裏に浮かべたが、口に出す事は無かった。あと『南アフリカってどこやねん』とかも思ったが、やっぱり口に出す事はなかった。かくして、四人はローンヴァレイに向け歩きだした。
時の英雄達が去ったあとも、子供みたいな大人の指南は続いていた。

「30位以内に入りたかったぁああチクショォオオ!!」「何の話っ!?」

悲しみの雄叫びを上げて蹴り飛ばしたボールは公園の敷地を飛び越えて、市長の家の二階窓に直撃し、ガラスを粉々に粉砕した。みんなで謝りに行くと、市長の説教が長々と続いた(「そりゃねぇ!戦争終わるまで私の仕事は無いけども!!だからって無理矢理仕事増やさないでよ!?」「いやすまなかった市長。あとヅラがづれてますよ」「うぎゃああ!?」)

――――――――。

つーか、なんでサッカーやってんだ?私?

公園のベンチにくたびれたように座りこみながら、デミテルは自問した。子供達はデミテルを抜いてサッカーを続けていた。


ジャミルを待たんといかんと思い、公園に戻ろうとしたらいつの間にやら、ついてこられていた……なんだよ『悪の守護神』て。そんな大してスポーツできんだろうがお前は。カーンに謝れカーンに。

カーン……この世界にいねーや……


「貴様も混ざってきたらどーだ。女の子もやっとるぞ」

ベンチのすぐ横の地べたに座り込んで、延々と蟻の行列を眺め続ける、カンカン帽子の少女にデミテルは言った。相変わらずリアクションは全く無い。

「そんなジトーっと蟻眺めてても、何も起きんぞ。蟻の方も『何だ貴様は。くたばるがいい若輩者めが』とか思ってるぞ」

無音。少女はひょこひょことデミテルから離れていった。

「おいお前。一体どうやってあのガキから名前聞き出したんだ」

デミテルは、虫の息でベンチに座り込んできた若いシスターに尋ねた。こんな動きづらい格好でサッカーしていれば、当然と言えば当然に思われる。

「ひぃ…ふぅ…へぇ……えっ?何?」
「あのガキの名前をどうやって聞いたんだ?よくあんなのの心を開けたな」
「わ、わたしあの娘の名前知らっおぇっごほっおぇ!!」
「どんだけ本気でやっとるんだ…」

「お前、あいつのことハナちゃんとか言っていただろうが」
「わたしがそう呼んでるだけで……わたしにもほとんど喋ってくれたことは………」

シスターは息を整え始めたが、顔は暗かった。

「あの子は…その……わたしが一人でいるのを見つけたんです。その時の説明は
その……難しいので省きたいんですけど……」

「親はもう……亡くなってて……ダオス軍とミッドガルズ軍との争いに巻き込まれたみたいで…」

デミテルは目を細めて、少し向こうで再び地面にしゃがみ込んでいる少女を見つめた。

「あの娘だけじゃないんです。ダオス軍との戦いで、ああいう子がどんどん増えてる…」

「ここにいる子は戦争で親を失った子ばかりです。どうしてこんなことに……」

目に涙をグッと溜め込んで、シスターが拳を握りしめているのが見えた。デミテルにはわかった。きれいごとでもなんでもなく、この女は本気で今の状況を悲しんでいる。子供の時から何も変わっていない。

「本格的な戦いが始まればもっと増えるかもしれんな…」
「……あのぉ」
「ん?」

シスターが、おっかなそうにこちらを見ているので、デミテルは眉を潜めた。

「なんだか……ずいぶん雰囲気変わりましたよね?」
「なに?ふん。まあそうだろうなぁ。昔の私はただのガキでしかなかったが、今の私はいまやアレだよ。クール&ビューティ&ダーク&ビューティフル?みたいな?」
「序盤に出て来てすぐやられちゃうボスみたいな感じがしますよね!」

デミテルは、無言でシスターの頭をビシバシはたき始めた。

「お前達は何なんだ?その台詞は何か?打ち合わせでもしとるのか?人を虐げてそんなに楽しいのか?」

ふと動きが止まった。しばらく間を開けて、次にシスターの方を見た。

「ちょっと行ってくる」
「え。どこへ…」
「便所だ」

そう言って、ベンチの真後ろにある公衆便所を尻目に、デミテルは公園を出た。走って何かを追い掛けていく。右に曲がる。また右に曲がって、どこかの家の庭に入り込んだ。

「おい何をやっとるんだジャミル。なんでわざわざこんなとこまで来る。公園出て少しのところでいいだろうが」

少し息を整えながら、前で羽ばたき浮かぶジャミルに、デミテルは言った。
ジャミルは、今までに見たことの無い表情をしていた。厳密に言えば、インコに表情もへったくれもないのだが、なんだかひどくこわばった雰囲気がある。
その雰囲気のまま、ぎこちない飛び方でデミテルの肩に乗る。デミテルは眉をしかめる。

「どうした。今にも吐きそうなツラだぞ。ちゃんと偵察は行ってきたんだろうな?」
「あ…うん……行ってきた…後で話すから……それよりさ…」

挙動不振だった。ソワソワして、ひどく落ち着かない。落ち着かないというか…

「何を怯えている?」

「おーい。来たのかよ」

不協和音のような、ひどくいけ好かない声が聞こえた。その声がした途端、ジャミルが大きくビクリと震えた。デミテルは首を傾げながら、木陰から現れた人影を見つめた。

頭にすっぽりと深く、黒いフードを被ったその男は、黒づくめの大柄な体を、まるで蛇が這うような音を立てて、デミテルに近付かせて来た。
「誰だ貴様」
男はフードをサッと脱いだ。人間では無い。赤い顔。尖った耳。真っ黒な目の中に光る赤い小さい瞳。髪は全く生えていない。いかにもろくな奴じゃなそうな顔で、不適に笑っている。

「………」
「思い出し…」
「昼間っから酒飲んで大丈夫ですか。顔真っ赤ですよ」
「…………」

デミテルは真顔で言った。ジャミルは怒るどころか、悲しみにくれていた。

「アンタさ…アンタさぁ…」
「おいジャミル。なんなんだこの酔っ払ったナメック星人みたいな奴は。酔っ払いなら私のとこじゃなくて交番に連れていけ」
「酔っ払いじゃねえ!!ジェストーナ様よ!!ジェ・ス・ト・ウ・ナ!!」
「D2のラスボスの…」
「それはフォルトゥナだろうが!?アンタ大概に……」

そこまでだった。真っ赤な筋骨隆々の腕がデミテルの首を引っつかみ、思い切り地面に叩き伏せた。
一瞬、自分の意識が途絶えるのを感じた。なんとか残った意識を次に襲ったのは、背中の砕けるような痛み。芝の生える庭に亀裂が入ったのをデミテルは背中で感じた。

腕はなお、デミテルの首を締め付ける。これは脅しではなく真面目に殺しにかかっている。どう考えても。

「ジェストーナ様!違うんです!!」

ジャミルが、今にも絞め殺さんとするジェストーナの耳元で喚いた。

「デミテルめはクレス=アルベインとの戦いで瀕死の重傷を負いまして!!記憶が一部飛んでおります!私と会ったことも覚えておりませんでした!!」
「ふーん」
「ですから!!」
「ところでジャミル。お前さっき『ジェ・ス・ト・ウ・ナ』って呼び捨てにしたよな」
「へっ」

ジェストーナは、自分の着る黒いフードのコートを、片手で引き裂いた。まがまがしい半裸と、ナメクジのような下半身があらわになった。だがなにより目を引くのは、四本の太い腕だ。そのうちの一本が、ジャミルを握り上げ、ミシミシと締めた。

「いつからオレサマ相手にそんな口聞ける程偉くなりやがったんだジャミル?んなゴミクズみてーな体でよぉ?」

デミテルは、ジャミルがおもちゃのように地面に投げつけられたのを見た。だが、声も出ない。体も動かない。力なくもがくだけだ。

唐突にそれは終わった。気管を絞り上げていた力は緩み、空気が通っていく。だが、立ち上がる気力というものがデミテルに沸かなかった。ジェストーナは放した手で顎を撫でた。

「オレサマはな、つまらない冗談っつーのが嫌いなんだ。んだが、ここでテメー殺したら面倒だ。テメーにはオレの仕事手伝って貰いたくて、ジャミルに呼ばせたのよ」

ジェストーナはその恐ろしい顔をデミテルの眼前に向けた。その時感じた、胸をえぐるような生々しいモノの名前を理解した時、デミテルは胸が張り裂けそうだった。恐怖だ。

「オレサマの事忘れちまったんだってなぁデミテル?オメーがダオスサマの部下となり、ダオスサマに城に連れて来られた時、一度会ってんだぜ?ジャミルともな?」

「オメーはダオスサマの部下。そしてオレの部下でもある。だからオレサマの仕事を手伝うんだよ」
「……だっ」

「誰が貴様のような奴の言いなりになるか」と、デミテルは反発しようとした。だが、声が胸のどこかで詰まってしまい、出てこない。ジェストーナに、デミテルは完全に飲まれていた。ジェストーナは、怯え、震えているデミテルを見慣れているかのように、にんまり笑った。

「オレサマはな、さっき城に手紙を出してきたんだ。『魔科学の研究をやめろ』っていう、ダオスサマからの最後通告。まぁだがしかし、ライゼンがそんな通告飲むわけがねぇがな。どうせ無視だ」

「だからよ、近いうちにオレは言いにいくのよ。これから戦争をしましょう、よろしくお願いしますってなぁ。まさに宣戦布告。ついに始まるんだよ。大戦争って奴が。血みどろの殺し合いだ。今から楽しみだよ」

「でだ。お前にはその時オレが城に入り込むのを手伝って貰う。いいよなデミテル?わかったら返事をしろクズ」
「……わ……かりました……」

デミテルを無視して、ジャミルがか細い声で答えた。デミテルは、草の上を這う、痛々しいインコの姿を凝視した。何を言ってる?

ジェストーナは、ジャミルに向かってツバを吐いた。次にデミテルの胸倉を掴みあげた。

「お前には聞いてねぇよクソアマ。オレァこの小生意気なツラの奴に命令してんだ。おら。答えろ」

ふざけるな…
「わ……」

貴様のような奴の命令など…
「わかりました…」

誰が聞くか……
「ジェストーナ……様……」


心と体が一致をしない。心では拒否しているのに、体が言うことを聞かない。恐
怖が、デミテルの口を勝手に動かしていた。ジェストーナは満足げに笑うと、デ
ミテルをジャミルの方に放り投げた。

「わかりゃいいんだよ。ああそうだ。オメーに土産があんだよ。ちょっと待ってろ」

そう言うと、ジェストーナは庭の茂みの中に入っていった。デミテルは座り込みながら、自分の両手を覗き込んだ。震えが止まっていない。ゴクリと生唾を飲み込む。

「なんだ……アイツは……」

恐ろしい力だった。だが、それだけでない何かが反抗させる気を失せさせた…

「ジェストーナ様よ」

ジャミルがデミテルの肩に乗った。毛並みはボロボロで、やつれているように見えた。

「ダオス軍最強の戦士………その強さはダオスガードが束になったってかないっこない。ぶっちゃけ、ダオス様とタイマン張れるレベル」
「なんだと?」
「いいデミテル?」

腕力。威圧感。確かに全く歯が立つ気がしない。圧倒的な強さを感じた。これほどの絶望感は初めてだ。しかし、まさかダオス様と……

「あんた、この先何があってもアイツにだけは盾突かないで。アイツには冗談も何も通じない。だからと言って真面目な奴でもない」

「本物の悪党。自分より弱い奴いたぶんのが大好きなね。噛み付こうモノならアンタ、死ぬわよ」

ジャミルは追い詰められた表情でデミテルに言った。
ドサリと、何かがデミテルの前に落ちた。デミテルは目を見張った。

始めは死体かと思った。だが、微かに動いていた。赤黒い服と覆面に血を滲ませて、息は小さく、震えている。右腕が変な方向に曲がっていた。

「コイツよぉ、オメーのこと狙ってたらしいじゃねーか。始末しといてやったよ。オレァとっとと殺してやろうかと思ったんだが、ジャミルがよぉ、どーしても待ってくれって言いやがって。なんか情報持ってるかもしれーから。どうだ?殺していいのかよ」

ジェストーナは、ニンジャの頭を軽々と持ち上げた。デミテルはニンジャの無残な姿を凝視した。

目が合った。泣いていた。怯えきって、グシャグシャに涙を垂れ流していた。なんだかよくわからない小さい喚き声が覆面の下から漏れている。抵抗する力も、何もかも無くしていた。とても見れたものではない。
次にジェストーナを見る。ジェストーナの体には傷一つ無い。ニンジャはジェストーナに傷一つつけることも、ろくにできなかったのだ。

「で?殺していいか?オレはこのままコイツの頭をグシャっと…」
「お、お待ちください!!」

慣れない敬語で、デミテルは懇願した。

「わ、私はそいつに聞きたい事がいくつかございます!ジャミルの言う通り何か情報を持っているかもしれません!」
「………ああそう。つまんねーな」

ジェストーナはニンジャを、ゴミのようにデミテルに投げつけた。立つ気力も無いらしく、その場に倒れ込みかけた彼女の体を、デミテルはなんとか支えた。

「まあ、そいつはスパイだから、ウチに有益な大国の情報持ってるかもしれねーし。吐かないようならオレサマが手伝って拷問してやるよ。じゃあなデミテル。仕事の日が来たら呼んでやるよ」

つづく

あとがき
今回短くてごめんなさい。ところで全然関係ないけど、面白いこと考えたよ!!
「テイルズ敵キャラ人気投票」ってやったら面白くね!?確実に一位はD2のブルァアアアア言ってる人になるだろうけどね!!それだけだよ!!ごめん!!

コメント

こんにちは。
今回はシリアス色たっぷりですね。
情景描写が絶妙で、とても状況が分かりやすく感じます。

ジェストーナは…ゲームでも小説でも、完全なる『悪』ですよね。
魔族ゆえの残忍さなのでしょうが、ジャミルよりもっとこう、邪悪な感じがします。

テイルズ敵キャラ投票、面白そうですね。
テイルズは敵にも魅力的なキャラが多いので、いろいろ分かれそうです。

バーサスやマイソロなどにも登場するあたり、上位はアイテム使用で強制死亡フラグの人や、ダオスでしょうね。

それはそうと、なりダンXのクロスエディションは、TOPのリメイクらしいので、またデミテルに会えるのか気になります。
戦闘グラフィックも描きおろしのようです。

余談がすぎ、失礼しました。
体調を崩されないよう、頑張ってください。

おおっと油断してた・・・想像以上に更新スピードが速い!?
それはそうと、ファンタジアクロスエディションのリメイク内容は、戦闘とロディさんの存在のみの様なので、デミテル登場はほぼ確定の様です。
イヤー嬉しいです。(彼をまたボコボコにできると思うと!)
ではでは、身体に気を配りつつ頑張って下さい^^

コメントする