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デミテルは今日もダメだった【73】

第七十三復讐教訓「友達の為ならば殴り合いだって出来るような人になれ」

 鼻に、何かが当たって、デミテルは目を覚ました。葉っぱが一枚、鼻先にくっついていた。手で払う。ちょうどその時に、自分がいる場所のはるか下方から声がした。

「あら、デミテルさん。ちょうど今起きたの?」

 デミテルはスカーレット邸の敷地内にある、一本の背の高い木に登り、太い枝の上で眠っていたのだった。十四才のハーフエルフの少年は考え事があるとよくここに来て、空の雲を眺め、ボーッとしていることがたびたびあった。リア・スカーレットは木の根本から、遥か上にいるデミテルを見上げていた。

「お母さんが、少し前に帰ってきて休憩してるって言ってたから……アーガス君のとこに行ったんでしょ? どうだった?」

 デミテルは答えない。無言だった。やがて、また目を閉じると、口を開いた。なんとも無愛想な口調だった。

「無いです」
「え。何も無かったってこと?」
「無いっていうのはつまり、僕……私には関係無いってことです。言いたくないんですって。本人がそう言うならしょうがないじゃないですか。放っておきましょうよ。自分でどうにかしますよ」

 強い口調で、若干イラついた様子だった。リアは何も言わない。あまりにも何も言ってこないので、デミテルが下を見下ろすと、リアが木にしがみついてこっちに登ってきていた。デミテルは目を見張った。

「ちょ、ちょっとお嬢様!? 危ないですよ! 怪我しますって!」
「うんしょ。うんしょ。私だってこれくらい出来るわ。アーチェなんてこれの倍はある木に登ってたわよ」
「アーチェちゃんは落ちても手元から箒出せるからいいんですよ! お嬢様に怪我されたら私が師匠に殺されます!」

 デミテルの忠告もどこ吹く風で、リアは服に木屑を大量にひっかけながら、デミテルのいる高さの枝までやって来た。仕方なく、リアの手を握って、枝の上に引っ張って乗せてやった。枝が折れる心配は無いようだ。二人は並んでその太い枝に座った。服の木屑を払いながら、リアは高い所から見える風景を一望した。青い空に白い雲、ハーメルの町の家々がよく見えた。

「すてきだわ!」
「…結構ガッツありますね。お嬢様」
「えっへん」

 腰に手を当てて、自慢げに胸を張ってみせる。デミテルはクスリと笑った。だが、リアが真剣な眼差しでこちらを見てきたので、目をパチクリさせた。

「それで、デミテルさんはそれでいいの?」
「何がですか」
「アーガス君の事、本当にほっといていいのっ?」

 デミテルは唇を噛んだ。眉間に皺を寄せて、リアの真っ直ぐな目を覗いていたが、すぐに視線を落とした。頭の向きを正面にし、町の風景を眺めた。

「……なんか、誰かとトラブってるみたいです。いじめられてるのかも知れない。けれど」

 道具屋の屋根が視界に入って、一瞬言葉が詰まった。デミテルは首を横に振った。

「アイツは、デミ兄ちゃんには関係無いって言って、僕を拒絶しました。単純に僕に頼るのはプライドが許さないのかもしれないし、もっと何か深い理由があるのかもしれません。アイツの……アイツの『両親』は僕の事を、アーガスの親友だと思っていたみたいですけど、違ったようです。買い被りだったんだ。うん」

 風が吹いて、木の葉がザワザワと鳴った。リアは何も言わない。ただデミテルのやるせない横顔を見つめる。

「とにかく、私たちはもうアイツに構うのは止めましょう。どうも、私や、お嬢様にすら言いたくない事があるらしい。深入りされちゃバレちゃうんでしょう。ここはアイツの意思を尊重してですね」
「私はアーガス君の気持ちを聞いているんじゃないわ」

 言葉を遮り、リアは言い放った。デミテルは一瞬、放心状態になった。意外そうな顔でリアを見る。リアの表情は、未だ真剣そのものだ。

「私はデミテルさんの気持ちが聞きたいの。本当にそれでいいと思ってる?」
「でも本人が……」
「本当に自分はアーガス君の友達じゃないって、そう思ってる? デミテルさん」

 デミテルはうつむき、何も言えなかった。アイツは僕にとってなんだ? 雇い主の娘が好きな年下の少年。それだけだ。それだけだろう。……それだけなのか。

「デミテルさん、昔、私に言ったわ。人に甘えること。頼ること。やり過ぎてはいけないけれど、それが全く出来ない人間には人は寄ってこない。甘えあえる者、頼みあえる者。それがあなたの友達ですって。アーガス君は確かに、貴方から助けを求めなかった。だけど。ねえデミテルさん。だけど」

 リアは、デミテルの右手に指を触れて、やがて優しく握った。わずかに震えていた。リアは言葉を続けた。

「ここでデミテルさんが助けに行くからこそ。貴方はアーガス君の友達なんだって。私はそう思うの。ねえデミテルさん。貴方は、貴方自身は、一体どうしたいの」

 デミテルは何も言わなかった。少年の脳裏を、過去のアーガスとの記憶がよぎっていた。はっきり言って、ろくでもない記憶しかなかった。恋をけしかけたり、変態行為を怒ったり、勝手にアイツのノートを見てバカにして笑ったり、送る土産について考えたり、喧嘩したり……。

 人生の中で、男同士で、こんなろくでもない、バカバカしいことを一緒にやれたのは、アイツだけだった。

 デミテルは突然、リアの手を両手で、強く強く握り締めた。リアはドキリとして、心臓が早鐘のように鳴った。俯いていたデミテルの頭が上がり、その顔を、リアの顔の目前に詰め寄らせた。リアは今までに出したことがない奇声を発した。

「ふおおっ!?」
「ありがとうございました。リアお嬢様。僕は今回、逆にお嬢様に教えられたようです。ええ。そうですとも」

 デミテルが笑った。リアが今までに見たことの無い、すてきな笑顔だった。

「相手が遠慮しようがなんだろうが、ガン無視してでも助けてやりたい。それが友達ってもんだ。そう思えなきゃ、友達であるもんか」

 強い風が吹いた。それと同時にデミテルは枝から飛び下り、深くしゃがみこんで着地した。そのまま、町の方へ駆け出していく。リアは、顔を真っ赤にしながら、デミテルが走っていく後ろ姿をぼんやり眺めていた。心臓がまだバクバクしている。先刻のデミテルの『すてきな笑顔』が視界から消えなくて、ポーッとしていた。にやけ顔で、実に幸せそうだった。

 だが、それから五分後、我に帰った彼女は必死に叫んでいた。

「デミテルさ~ん!! わたし、一人じゃ降りられないよ~!! お、お父さ~ん!!」


 時は五時を過ぎていた。デミテルはアーガスと別れた水車小屋の前に戻ってきていた。アーガスが走り去った方角を見る。ここから南東、町から離れていく方角。町の外に出ていったようだ。どこまで行ったのだろう。ずっと直進すれば海を跨ぐ橋があって、その先にはローンヴァレイがある。まさか、そこまで行ったのだろうか。アイツの年頃でそこまで遊びにいくなんて事はあんまり聞かないけど……。

 デミテルは顎に手を当てて、うんうんと悩んだ。しばらく考えこんだが、悩んだところでしょうがないと思い、行けるとこまで走ってみよう、そう決めて顔を上げた。知らず知らずのうちに、ピンクの物体が自分の真っ正面にいて、一瞬の間の後、それが胸に直撃した。デミテルはひっくり返った。物体はデミテルの腹の上に倒れこみ伸びていた。

「いったーい!! また箒の調子悪いなあっ! もー!!」
「……本当に箒のせいなんですかね。わざとじゃないんですかね」
「し、失礼ね! そんなわけ……あっ! デミテルさん! おひさっ!」
「この状況でよくそんなフランクな挨拶してきますね。一体何回私にダイレクトアタックしてくれば気が済むんですか……」

 アーチェ・クラインを横に押し退けて、デミテルは胸をさすりつつ立ち上がった。十一才の少女アーチェは、いつも通りの元気なポニーテールで、いつも通りの元気な笑顔でデミテルを見ていた。その髪をまとめているのは、見覚えのある青いリボンだ。

「使ってるんですね。お嬢様からのお土産リボン」
「モチのロンよ! これイイヤツなんだってね。お父さんが言ってた」
「そのわりに手頃な値段で良かったんですよ。お嬢様も喜びます」
「でもあたしは、デミテルさんからもお土産欲しかったなー。ただいまのちゅーとかねー」

 アーチェはにやりと笑って、デミテルに詰め寄った。少年はカアッと赤くなって、視線を反らした。リアがいなくて良かったと思った。アーチェがこういう事をすると、大抵変に介入してきて話がこじれるのだ。

「赤くなってる。かわいーなー」
「いや、まあ、そんなことはどうでもいいとして」
「えーよくないよー」

 ジト目で、唇を尖らせるアーチェの顔、超かわいい。などと思っていることを悟られないよう意識しつつ、デミテルは質問した。

「ちょうど良かった。アーチェちゃん、家の方からこっち飛んできたみたいですけど……」
「ストップ。前から思ってたけど、アーチェちゃん、なんていいよ。アーチェでいいよアーチェで。アーガスだって呼び捨てしてるっしょ?」
「それはちょっと。お嬢様のお友達にそこまで馴れ馴れしくは。ちゃん、も馴れ馴れしい気もしますけど」
「だってー。いずれお付き合いとかしたらさ、やっぱしアーチェって呼び捨てして欲し」
「話戻しましょうかアーチェちゃん!」

 デミテルは強制的に会話を正しい方向に修正した。アーチェはニヒヒと笑った。

「ここに来る途中、アーガス見ませんでしたか。ここから風の谷の方角に走っていったの見たんですが……」
「アーガスう? うーん、見てないなあ」
「そうですか」
「アーガス以外の奴なら見たけど」

 額をポリポリ掻きながら答えたアーチェに、デミテルは目を丸くして話に食い付いた。

「だ、だれですか!?」
「えっと、多分同い年くらいの男の子が二人。名前わかんないけど……あんましいい連中じゃなかったよ。ちょい前に、自分より小さい子いじめてて、牧師さんに怒られてたの見たことある。あ! そうそう!」

 あることを思い出して、アーチェは軽く両手を叩いた。ほんの少し、日が傾こうとし始めていた。

「その時アーガスもいたんだよ。確か、いじめてるのをアーガスが見つけて、牧師さんに教えたんだって。『大丈夫かな』って、アイツは不安がってたけど。あたしは偉いよって褒めてやって……」

 今日のローンヴァレイの風は、いつもよりずっと弱かった。いつもなら体が浮くほどの突風が吹くこともあるのだが、そんな気配は無い。それでも時たまに、高い風の音が響いた。

 谷に入ってすぐのところに、小さい洞窟があった。アーチェの家を過ぎたすぐの所で、ここにモンスターが来ることはほとんどない。中に、子どもが二人いた。一人はふくよかな顔に団子鼻、ブロンドの髪を綺麗なマッシュルームのような髪型にしている。酷く細目で、瞳がかろうじて覗けるくらいだ。黒いサスペンダーに、上下緑色の服を着ている。もう一人は、背が大人並みにあった。髪を短く刈り込んで、角張っている。眉毛がたくましく、顔の彫りも深くて、大人びていた。二人は小さい洞窟の中にある、テーブル代わりになりそうな岩の上に座っていた。手には、歯形がついたリンゴが握られていた。

 団子鼻の少年がまたリンゴに汚くかじりついた時、洞窟に新たな少年が足を踏み入れてきた。彼もまた、二人と同じ十才くらいの少年。髪は黒くて、後ろ髪が長い。少しつり目気味。 アーガス・A・マッキンタイアは、とても嫌そうな顔で、少年二人に近付いた。ブロンドの少年はニタニタと笑った。

「よおアーガス。取ってきたのかよ。林檎持ってくんの遅かったお前が悪いんだかんな」
「わかってるよ。ほら」

 そう言って、右手に握られた何かをブロンドの少年に見せた。それは、花柄で可愛らしい小さな小袋で、アーガスが振ると軽く擦れる音が鳴った。

「あれ、あたしの……」
「静かにっ……!」

 洞窟の入口のすぐ外、岩肌にへばりついて中の様子を伺っていたデミテルは、声をあげかけたアーチェの口を急いでふさいだ。ちょうどフューッと風が鳴ったために気づかれはしなかった。アーチェは今度は小声で言葉を続けた。

「あれ、前にリアがあたしにくれたクッキー入った袋だよ!」
「知ってます。お嬢様が手作りしたやつです。凄く甘くて素晴らしい。何個でもいける」
「あたしの部屋の机に置いといたのに。ってことはなに? アーガスの奴、うちから盗んだの!?」
「まだ中に入ろうとしないで! あいつらにやらされたんですよ……」

 しかし、とデミテルは思う。あのアーガスが、知り合いであるアーチェの家に侵入して物を盗んだのか? なんでだよ。どうしてそこまでやるんだよ。
 リアの物をこっそり持っていこうとした事は何度もあるが、はっきり言ってあれは、最初からデミテルにばれて取り上げられる事を前提にやっている。手に取ることが彼は嬉しかったのだから。デミテルはその事にずっと前から気が付いていた。デミテルは歯痒かった。一体何故そこまで。

「おー。やるじゃんか。ここに来る途中、あの家の中覗いたら見えたんだよね。じゃあ次は……」

 ブロンドの少年は洞窟の天井を見上げて少し考えた。やがて、何かを閃いた。

「そうだ。次はリア・スカーレットの家だ。アイツと、あとあのデミテルとかいう奴のなんか、弱味握れるもの盗ってこいよ」

 アーガスの表情が強張った。しばらく黙ったあと、小さく答えた。

「出来ないよ」
「ちょっと。あたしんちからは盗む癖してリアは拒否るって、いくら好きな子だからってそりゃないんじゃな……」
「アーチェちゃん静かにっ」

 またアーチェの口を塞ぐ。デミテルは緊張しながら、聞き耳を立てる。ブロンドの少年が腹立だしげに舌打ちした。

「俺あの女嫌いなんだよ。真面目でさ。あいつもお前みたいにさ、俺達が小さいガキと遊んでやってたら、チクりやがった。鬱陶しい奴……」
「やめろよ」
「あん?」
「リアちゃんをそういう風に言うのは……」
「そんなこと、言える立場なのかよ。お前」

 薄ら笑いを浮かべながら、ブロンドの少年が言った。アーガスは口を真一文字にして、黙った。ブロンドの少年は痰を吐き捨てる。やがて、アーガスが恐る恐る口を開いた。

「ごめん……」
「そう。それでいいんだ。お前は俺の言うことを何でも聞く。代わりに、俺はお前の『秘密』を守ってやるし、お前の……」

 そう言って、ポケットから丸めた紙を取り出すと、ペラペラと振りながらアーガスに見せつける。白黒の写真だった。

「お前の親が写った写真……」
「それはいつ返してくれるんだよ」
「だから、言うこと聞いたら返すさ。だから、リア・スカーレットの持ち物から何か持ってこいよ。それに、あのデミテルとかいう奴だ」

 アーガスは唇を噛んだ。恨めしそうにブロンドの少年を睨んでいた。

「スカーレットも嫌いだけど、あいつも嫌いなんだよ。ちょっとかっこいいからってキャーキャー言われてさ。今日も女に笑顔で手ぇ振っちゃって。あいつ、元々どこに住んでたかわかりもしない、汚い浮浪児だったっていうじゃないか。母さんが言ってたぜ」

 デミテルは少し顔をしかめた。いや、大した話じゃないさ。慣れてるだろう、こういうのは。そんなことどうでもいいさ。そう考えて、頭を切り替える。本人に聞かれていることも知らず、鼻につく語りは続く。アーガスの背中が、わずかに震えた。

「それがいっちょ前に使用人とかやって偉そうに。どうせここに来る前はろくでもないことしてたに違いねえって、父さんも言ってたよ。ほんと、気持ち悪い頭しやがって……ともかくだ。あのかっこつけた顔が気に入らねえんだ。あいつの物も何か盗ってこい」

 うつむく黒髪の少年の肩に、贅肉のせいで手首に線が出来たふとましい手が、馴れ馴れしく乗せられた。写真を握った手だ。アーガスは何も言わなかった。ギュッと握りこぶしを作り、肩を震わせて、沈黙する。

「どうした? さあ、やるか? やらないか? イエスか? ノーか?」

 細い、憎たらしい目がアーガスの顔を覗き込む。催促の言葉に、アーガスはとうとう口を開いた。

「……や」
「ちょいと待ったあー!! アーガス・A・マッキンタイアぁッ!」

 割り込むように、甲高い叫びが洞窟内に響き渡った。背の高い大人びた少年は無反応だったが、ブロンドの少年とアーガスはビクリとして洞窟入口を振り返った。見れば、アーチェ・クラインが肩をいきり立てて、緋色の瞳でこちらを睨み、のっしのっしと大股で突き進んでくる。

「あたし、もぉ我慢できない!! いい!? 一万歩くらい譲ってあたしの御菓子盗んだのは許すとして、そのふとっちょに弱味を盗らせる為にリアの物を盗むなんざ、ぜっっっったいにこのあたしが許さないから!! リアが許したってあたしが許さないんだから!!」
「アーチェ!? なんでここに」
「アーガス!! あんたがどんな『秘密』抱えてて、それをどれだけ人に言いたくないか知んないけどねっ!」

 アーチェは立ち止まると、ビッと人指し指をアーガスに向けた。その目には、僅かに涙が浮かんでいた。

「その『秘密』の為にリアを傷付けても仕方ないなんて思うなら、リアが好きだなんて気持ちは、全部全部大嘘よ!! あたし、そんなことするアーガスは、あたしの知っている、リアが大好きで大好きで仕方がないあのアーガスと同じ奴だなんて、絶対に認めないんだからっ!!」

 彼女は腹の底からそう叫んだ。そして、拳で目をゴシゴシと擦った。アーガスは口を僅かに開いたまま、動かなかった。ブロンドの少年はあっけにとられて呆然としている。やがて、またアーチェが前進を始めた。

「ていうか一番悪いのはそこのデブじゃん!! あんたちょっと一発張り倒してやるからそこ動くんじゃないわよ!!」
「ブ、ブッチ! なにしてる! こいつ止めろ!!」
「ぎゃっ」

 アーチェの体が宙に浮いた。見上げると、先程まで何も反応しなかった大人びた少年が、食べかけのリンゴを石の上に置き、アーチェの首の襟を後ろからつまみ上げていた。身長が175センチ以上はあるようだった。アーチェはじたばたと宙で足掻いた。

「離しなさいよ! この唐変木!! ウドの大木!! やいデブ! アンタが盗みやらせたってこと、みんなに言うからね! ざまあ見なさい!」
「誰がデブだ!! おいブッチ! そいつそのままにしてろよ!」

 ブロンドの少年は腹立たしげにアーチェに近付くと、食べかけのリンゴを放り投げ、アーチェの頬の前にその手の平を構えた。

「おい! ここで見たこと人に言ってみろ! 酷いぞ!」
「いーや! 絶対に言うから! いじめっ子はあたし許さないから! 自分が悪いことして怒られたのにその逆恨みでアーガスやリアにこんなことして、どんだけキモが小さいのよ! この……豚!!」
「なんだとおっ!!」

 少年は顔を真っ赤にして怒り狂った。その場にしゃがみこむと、足下から尖った石を拾い上げた。立ち上がり、それを握った腕を振り上げる。

「どいつもこいつも! かっこつけのデミテルも、いい子ぶったリア・スカーレットも、チクリ魔のお前も! ムカつく奴はエルフが混じった奴ばっかしだ! 混血の、中途半端な、混合物の、不純物の、人間でもエルフでもない、出来損ないの、『キマイラ』のハーフエルフめ!!」

 ブロンドの少年は口から泡を吐き散らしながら罵倒した。アーガスが「やめろ!! 」と叫んだ。だがそれを無視して、少年はアーチェの顔を石で殴ろうとした。アーチェは少年の顔を睨むつける事をやめなかった。アーチェの目に、ブロンドの少年の真っ赤になった顔が映る。そして、アーチェは見た。そのふくよかな横顔に、飛んできたリンゴがめり込んだのを。少年は横にぶっ倒れた。アーガスが小さく呟くのが聞こえた。

「デミ兄ちゃん……」

 デミテルが、リンゴを投球したポーズで立っていた。フンッと鼻を鳴らして、真っ直ぐに立つ。アーチェも一瞬デミテルの方をボーッと見ていたが、ハッとした顔付きになった。彼女の手元から煙が立ったと思うと、サドル付きの箒が現れ、その箒がアーチェを宙に引っ張り、ブッチの手から抜け出した。デミテルの横に慌ただしく着地する。

「んもう! 出てくるのおっそい!」
「助けに出るなら僕が合図して二人一緒に出るって言ったのに、勝手に飛び出すからじゃないですか。すぐ捕まっちゃうし。あのタイミングでリンゴぶつけたから、あのデカイのに隙が出来たんじゃないですか」

 デミテルはうんざりした顔でアーチェの頭を小突いた。そして次に、アーガスの方に顔をみやる。

「やっぱりなんもかも……『俺』が言った通りじゃないか」
「なんで」

 アーガスは顔をしかめた。「関係無いって、言ったじゃんか!」そう叫んだ。デミテルは前髪を撫で付けながら、溜め息をついた。

「それは、お前の都合だろ」
「え……」
「お前がどう思おうが、俺の知ったことじゃない。俺自身がこうしたいからここにいる。俺が――俺の『親友』が嫌な目に遭ってるのが、俺自身が嫌だから、お前を助けに来たんだよ」

 そう、デミテルは言った。なんとも堂々と彼は言ったが、急に本気で恥ずかしくなってきて、視線を反らして、はにかんだ。アーガスは口を開けたままの顔で、デミテルの赤味が指した顔を見つめていた。アーチェは満足げににっこりしていて、ブロンドの少年は呆気に取られていた。やがて、恥ずかしさに耐えられなくなったデミテルが歩みを進めた。

「まあ、とにかく、そこの、えっと、豚太郎くん?」
「だから誰が豚だ!? 俺の名前はマークスだ!!」
「ああ。ごめん。アーチェちゃんが隠れてた時そう呼んでたもんだから。じゃあ、折衷案でポークスでいいか」
「人の名前を折衷した案で決めるな!!」
「じゃあ、もうちょっと親しみを込めた感じで……ポーキーくん」
「絶対に嫌だ! なんだか知らないけどその名前だけは絶対に嫌だ!!」

 マークスは腹立だしげに地団駄を踏んだ。どうも酷く短気らしかった。しかし、デミテルは遠慮する気配は全くなかった。アーチェは、なんだかデミテルの態度が今までになく容赦が無い様子なので、首を傾げた。

「まあなんでもいいさ。そいつ、こっちに渡してくれ。そして、もうそいつに関わるな」
「誰がてめえの言うことなんか聞くかよ」
「……君ね、それが年上に言う態度……」
「はんっ!」

 マークスは鼻で笑って、肩をすくめた。デミテルを、道端に落ちている腐ったゴミでも見るかのように、にやけた嫌な目で見つめていた。デミテルは知っていた。この目を、ずっと前から知っていた。吐き捨てるように、マークスは言葉を続ける。

「誰がハーフエルフの言うことなんて聞くもんか。人間でもない、エルフでもない、なんだかよくわからない生き物の癖に。気持ち悪い奴め。怪物め」
「……それは、君の親がそう言ってたのか」
「そうだ! 父さんはいつも言ってる! 穢らわしい! ハーフエルフは……」

 混血の存在を否定する純血主義者。この少年の親はそれなのだとデミテルはわかった。かつて、暴力的な父親の元にいた時も、父親が死んで一人で生きていた時も、少なからずそういう『人間』は自分の周囲にいた。エルフもハーフエルフを拒絶するが、あれとは種類が違う。少なくともエルフには何か、確固たる理由があるように思える。だが、『人間の場合』は異なるのだ。こいつらは、ただ、混ざった物を穢らわしいと思っている。そう思い込んでいる。純粋な自分達は、彼らより上の存在なのだと。ハーフエルフは全員死ねと、そう言ってはばからない連中。

 だが、この極端な人種はとても少ない事もデミテルは知っている。ハーフエルフを受け入れる政策をしているアルヴァニスタでは、この手の発言をした者は厳罰に処される。ハーフエルフを嫌がる、避ける人間が少ないとは言わないが、ここまでの極論者は、他の普通の人間から見ても不快な存在で、故に彼らはより孤立し、余計にその独善的考えを強めていくのだ。ハーメルに来てからはそういう人間にデミテルは出会っていなかったが、この町にもこの人種はいたのだ。デミテルは吐き気がした。

「とにかく、こいつは俺と約束をしたんだ。『秘密』を守ってやる代わりに、こいつは俺の下僕になるってね。こいつ自身がなんでもやるって言ったんだ」
「君がどうやってアーガスの『秘密』を知ったって言うんだ。でっち上げじゃないのか」
「ちがわい! 牧師にチクったこいつを絞めた時、この写真を引ったくったからわかったのさ」

 そう言ってマークスは、握り締めた写真をデミテルにちらつかせた。

「こいつが俺に関わるのは、本人の意思だ。だから、お前にどうこう言う権利は無いんだ」

マークスは舌を突き出して、あざけ笑った。デミテルはじっと彼の細い目を見つめるだけだ。アーチェはむかっ腹が立ってしょうがないという目付きをしていた。

「さあ、とっとと帰れ! 『キマイラ』め!」
「いい加減にしなさいよアンタあ! 大昔の差別語使っちゃってさ! アルヴァニスタでそんな言葉使ったらね、取っ捕まるわよ!」
「父さんは家じゃいつもお前らをそう呼んで……」
「アーガス!」

 デミテルが叫んだ。名を呼ばれ、アーガスは息を飲んだ。

「お前、本当にいいのか。『秘密』を守る為に、そいつの言いなりになるのか。それの為なら、リアお嬢様を傷付ける命令も聞くのか。アーガス!」

 洞窟内をデミテルの声が反響する。アーガスはうつむいたまま、何も言わなかった。マークスがせせら笑った。

「見た通りだ。さあ、とっとと出ていくんだな」
「何よ偉そうに! 腹立つー!」
「いや、待てよ」

 苦々しげなアーチェを笑っていたマークスは、ふと何か思い付いたらしかった。デミテルの顔に視線を向ける。

「そこまで『お友達』をどうにかしたいっていうなら、チャンスをやろうか」
「なんだって。ミッキー・カーチス?」
「マークスだよ誰だそいつは!? ここにいる、ブッチに喧嘩で勝つことが出来たら、『お友達』を解放してやろうじゃないか」

 そう言って贅肉まみれの顎で、すぐ横にいる背の高い少年を示した。十一、十二才くらいのはずだが、十四才のデミテルよりも遥かに大きい。何も言わず、淡々とデミテルを見つめている。

「ただしぃ。もしお前が負けたら、お前もアーガス同様、俺の下僕だ」
「ほほう」

 十一才にして『下僕』なんて言葉を使う子供だけは育てたくないなと、デミテルは思った。かわいそうにこの少年は、そういう教育をされてしまったのだ。自分より下の人間を一人でも多く作って優越感に浸りたい。親にそんな人間にされてしまったのだろうと、デミテルは思った。額に手を当ててしばらく考えたが、やがて決意を固めた。

「いいとも。君の提案に乗ろう」
「はは! せいぜい頑張れよ! やれブッチ!」
「駄目だよデミ兄ちゃん!」
「大丈夫大丈夫。いくらでかいからって十四才が三つ下に負けるなん」

 次の瞬間、デミテルの顎に武骨な拳がめり込んで、そのまま天井にむかって彼ををかっ飛ばした。まるで蹴られた小石のように宙を飛び、頭を天井にぶつけると、ひっくり返って地面に墜落した。デミテルは仰向けのままピクピク震えていた。

「ちょ、ちょっと待って……どう考えても子供の腕力じゃないんだけど。成体のゴリラにぶん殴られた感じなんだけど」
「駄目だデミ兄ちゃん! ブッチは十一才にして、酔っ払って絡んできたおっさん三人を一人でボコボコにするという恐ろしい戦闘力の持ち主なんだ!! ついたあだ名が『血みどろブッチ』!」
「十一才につけるあだ名じゃないよね!? 十一才なら普通『ジャイアン』とか『ブタゴリラ』とかだよね!? 『血みどろ』ってなに!? ブッチ君もそれでいいの!?」
「他に『返り血のブッチ』とかあるよ!」
「かたくなに血まみれなの!? おっさん達にどんだけ血ぃ噴かせたの!?」

 しまった。完全に甘く見た。あのデブは勝算が百パーセントだからこそあんな提案をしたのだ。大嫌いなハーフエルフをぼこぼこにする理由が欲しかったのだ。てっきり調子乗って墓穴を掘ったのかと思ったのに。墓穴掘ったの完全に自分だ。

 そんな後悔の念に襲われつつ、両鼻から血を垂れ流しながらデミテルは立ち上がった。背後から、アーチェからの声援が飛ぶ。

「頑張れデミテルさん!! あのあれ、頑張れ!! とにかく、なんか、頑張れ!!」
「応援が雑っ!」

 手の甲で鼻血を擦り取ると、握り拳を作って、こちらにゆっくりと近付いてくるブッチに対してファイトポーズを取った。血みどろブッチは相変わらず無表情だ。

 殴り合いの喧嘩なんて正直やった事が無い。浮浪時代は絡まれたりしたら基本的に逃げの一辺倒だったし、父親の所にいた時も、殴られた事はあっても殴った事はない。しかし、それでもやらねばなるまい。意を決して前に踏み出すと、思い切り振りかぶって拳を振り回した。ブッチはそれを軽くいなした。次の瞬間、ブッチの重たい一撃がデミテルの脳天に直撃した。呻き声をあげてふらつく。なんとか踏みとどまっったが、今度はビンタを左頬に食らう。地面に倒れた。アーチェがギャッと声をあげた。

「大丈夫デミテルさん!? 立て! 立つんだデミテル!! こらデミテル!!」
「だ、大丈夫……」
「えぐりこむようにして打つのよ!! 何かの本に書いてあったよ! 何かの!」
「さっきので脳みそがえぐれたような気がする……」

 頭を抑えながら再び立ち上がる。駆け出し、助走の勢いをつけてジャンプすると、ブッチの顔を思い切りぶん殴った。彼はわずかに顔をしかめたが、足は根が生えたように地面にピタリとくっついていて、ぐらつかない。デミテルは着地すると、今度は足に向かって蹴りを入れようとしたが、両手で受け止められた。グルンと体を振り回される。手がパッと離れると、デミテルはマークスとアーガスのいる方へと、きりもみ回転しながら吹っ飛んだ。マークスはしゃがんで間一髪避けたが、アーガスは腹にデミテルの顔をめり込ませて、共に倒れこんだ。

「あぶねえ! ブッチてめえ、もう少し考えてやれよ!」

 マークスは喚いたが、ブッチはわずかに頭を下げるだけだった。デミテルは左手の人差し指を右手で抑えながら、その場にしゃがみこんでいる。突き指したらしかった。アーガスは腕で上半身を浮かしつつ、デミテルのしかめっ面を見上げた。

「もう、やめてよ」
「嫌だ」
「本人がそう言ってるんだ。勝てるわけないのに」
「断る。あー痛い。お前アレだぞ。もう少し頑張ればクリティカルヒットが出せるような気がする。ああまったく、こんなことならフレアボトルでも飲んでから来ればよかったなあ」
「僕なんかの為に喧嘩なんてす」
「アーガス・A・マッキンタイア!!」

 突然、デミテルは頭を低くして、両手でアーガスの頭を挟むと、互いの顔を近付けた。デミテルの青い目が、アーガスの黒々とした瞳に映った。

「いいかよく聞け。『僕なんか』と言ったか? あのな、お前が思ってる以上にな、お前が心配な人が沢山いるんだよ。お前の『両親』、お嬢様、アーチェちゃん。言ってないけど師匠だってきっと、話聞いたらお前の事をほっとかないし、奥さまだってバートさんだってほっとかない。そして僕……俺だってほっとかないんだ。俺のこと、『一番の親友』だと思ってるんだろ。だったら頼ってみろ。『秘密』だって教えなくていい。いいか……」

 デミテルは、笑った。柔らかい、優しい笑みだった。

「俺は、男友達の為に喧嘩をするなんざ、生まれて初めてで……結構悪い気分じゃないんだよ、コノヤロウ」

 そう言い捨てて、デミテルは立ち上がった。振り向いて、ブッチを睨み、拳を構えながら向かっていった。アーガスは尻を土につけたまま、またも殴られるデミテルの背中を見つめていた。口をギュッとつぐむ。眉間を八の字に歪める。その目を拳でぐりぐりと擦り付ける。

 何度も地面に叩き落とされながら、デミテルは立ち上がった。ブッチは僅かに息を荒げていたが、誰の目から見てもデミテルに勝ち目はないように見えた。

「ブ、ブッチくん、君さ……」

 膝に手をつきながら、デミテルはかすれた声で言った。

「なんであいつの言うこと聞いてんだい……君なら本物のガキ大将になれるだろうに……」

 ブッチは黙っている。だが、やがて小さく口を開いた。その声は非常に小さく、僅かにも感情が感じられなかった。だが、デミテルは確かにこう聞いた。

「友達だから」
「…………お互い、ろくな友達もってないなあ」

 デミテルは力なく笑った。ブッチも、微かに口元が緩んだように見えた。だが次の瞬間、その大人より大きな手の平がデミテルの喉に直撃し、そのまま洞窟の壁に押し付けられた。気道がつまり、空気が通らない。

「かっ……」
「……『参った』って、言って」

 デミテルの耳元で、ブッチが囁いた。きれいな声色だった。喉の圧迫が弱まる。

「言って」
「………いやだ」

 デミテルは搾り取るような声で答えた。ブッチは無表情だったが、やがて再び力を強めた。このまま絞め落とし気絶させる気なのだ。一方的に殴るよりもこの方がいいという、彼なりの優しさなのだろう。そのたくましい腕を両手で掴み、引き剥がそうとしたが、ビクともしない。デミテルは意識がだんだん遠のいていった。離れた所からマークスの笑い声と、アーチェが叫ぶのが聞こえた。

「はは! ざまあないや。年上のくせに情けねえ! 父さんのいう通り、頭ばっかり良くて肉体が貧弱なんだ。ハーフエルフなんてしょせん……」

 マークスの嘲りが、ピタリと止まった。自分の前に、アーガスが背中を向けて立ち塞がったからだ。デミテルは、ブッチの肩越しにアーガスの顔を見た。精悍な顔つきだった。今までに無いほど表情が引き締まっていた。デミテルの目を、迷いのない視線で見つめていた。

「おい邪魔だ! 見えないじゃないか……」
「アーガス・A・マッキンタイアはー!!」

 アーガスが絶叫した。全員が、ブッチでさえ振り向いて、アーガスの方を見た。アーガスは深く息を吸って、深呼吸を繰り返した。過呼吸で倒れるんじゃないかと不安になる程だった。

「僕は! 僕は!」
「待てよ! お前言うつもり……」
「僕はっ!!」

 アーガスは思い切り目をつむった。息を大きく吸い込む。そして、身をよじりながらも、頭を前に突きだして、叫んだ。

「僕は!! ハーフエルフです!!」

 少年の『秘密』が、岩の壁を反響していった。


おもいのままにあとがき
Anonymousさん
>メタネタもつい笑ってしまって、自分は好きです
おお良かった。安心して書いていけます。

らいさん
>私もこの小説のメタネタ好きですよ。恐らく一生公式で語られることのないデミテルさんの過去話、私の中では公式と化してきています。
ありがとうございます。公式でもデミテルさんにもっと日が当たればいいのに……

今回で過去話終わるつもりが思った以上に伸びました。次で、次で終わるはず…。
なんかまたオリジナルな人物が出てきてますが、どうかお許しを。ブロンドの少年は、ゲームに金髪で、目が細くて緑色の服着た子供のグラフィックが出てきますが、あれの肥った感じだと思っといてください。
それではまた次回お会いしましょう。

コメント

「つづく」って入れるのを忘れていましたすいません。何回読み直しても誤字・脱字が出てしまう事に、いかに「校正」という仕事が重要かがよくわかります(いや、自分がいい加減なだけかしら)

ずいぶん前に、ぴく●ぶで絵描いたりしてると書きましたが、今回そこで今回の話のワンシーンをちょっとだけ漫画で描いたりしました(台詞の順番や内容は微妙に異なります)。ぴ●しぶ内で「デミテル」で検索すればすぐわかると思います。なんたって40件しか投稿されてないからねデミテルさんの絵(笑)。さすがデミテルさん(笑)。お暇な方はどうか見てください。それでは。

お久しぶりです。
ぴく●ぶの、そのイラストを見て、もう嬉しすぎて、いても経っても居られず更新された分を一気読みしてしまいました。
もっと早く更新に気づきたかった…!

これだけずっと待ち続けて、追いかけている小説はないです。
そして、お元気そうで何よりです。

テイルズも20周年迎えましたね。
こちらの小説は、本当にファンタジア愛がひしひしと伝わってきます。
オリジナル要素も交えつつ、ちゃんと原作通りのシナリオを崩さず進行しているのが、本当にすごい手腕です。

これからも、応援しています。
本当に、何年かかっても、時が経っても、ずっと追いかけます。
お体ご自愛下さい。

私も、40件しかないデミテルさんのうちの何枚か描いていましたが、更新されたお話読んで、再熱しました。
支援します!

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