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レプリカと施設

ある日・・・

「あれ?こんなところでなにしてるんだ、シバ?」
銀世界ケテルブルクのホテル横にあるベンチに座っているシバに、ルークは訊ねた。
ルーク・フォン・ファブレ一行は、最終決戦前にケテルブルクでアイテム補給をしようとしていたところだった。
「おや、キミこそどうしてここに?」
シバが怪訝そうにルークを訊ねた。
「もうすぐ、最終決戦だし。ここでアイテムを補給しようとしていたところなんだよ。」
「そうなの。・・・あ、ちょうどいい。これを見てくれないか。」
そう言ってシバは、ここから西にあるロニール雪山で拾ったという光ったモノをみせた。
それを見たジェイド・カーティスはシバの飼い犬(ペコ)がくわえているモノを見、調べた結果、
「これは、氷の種ですね。」
「氷の種?」
ガイ・セシルが不思議そうに訊いた。
「放置していると爆発して、周りが凍ってしまう種です。どこか暖かい所で使用しないと危険です。」
それを訊いた、ナタリア・ルツ・キムラスカ・ランバルディアは慌てて言った。
「それなら、ザレッホ火山はどうです?あそこなら凍っても支障はありませんことよ。」
ナタリアの提案に皆同意した。そして一行はザレッホ火山に向かった。


「ありがとう、ノエル」
お礼を言って、ルークはアルビオールを降りた。
「しっかし、相変わらず暑いなぁ。」
ガイが流れ出てくる汗を拭きながら呟いた。
「なら、はやくソレ、使っちゃお!」
「ん・・・そうだったな」
急かすアニス・タトリンにルークは頷いた。そして、ルークは氷の種を火山内にぶちまけた。すると。キラーーーーン!氷の種は爆発し、火山内は暑くなくなり、溶岩も凍った。
「なんて威力・・・こんなものがもしケテルブルクで爆発していたら・・・」
ティア・グランツが、背筋をぞーっとさせながら言った。
「よし、これで安心だな。とりあえず戻ろう。」
そう言ってルークは、ノエルに頼み、アルビオールで火山口から去った。


「あれ、シバは?」
ベンチに戻るとシバの姿がなかった。
「あ、そこにいた人なら、仕事ができたっていってシェリダンに行ったよ。」
通りかかった人が、教えてくれたのでルークは一礼した。
「それじゃあ、シェリダンに行こう。」


一行は、職人の街シェリダンに着いた。
「う~ん、シバ、どこにいるんだろうな・・・」
「集会場に行ってみましょう。」
「あ、うん。」
悩んでるルークのそばでティアがすぐさまに言ったので、少し驚いた。

「あ、キミたち!さっきはご苦労様だったね。大丈夫だったかい?」
「大丈夫!ちゃ~んと氷の種は火山に捨ててきたよ!」
アニスが元気よく言うので、シバはホッとした。
「そういえば!またキミたちに耳寄りな情報を仕入れてきたよ!」
「私達は、便利屋ではないのですがねぇ」
ジェイドが皮肉そうに言ったが、シバは続けた。
「実は、ワイヨン鏡窟からレプリカ反応があったんだよ。」
「なんですって!」
ナタリアは口に手を当て驚いた。
「それはまずい!すぐにワイヨン鏡窟へ行こう!もうレプリカは、生まれない方がいい。」
「ちょっとまって。レプリカ装置とかがあるのは、エンシェント鉱石を掘った穴の先だよ。僕も行くよ。」
「わかった。」
ルークはシバのいう事にすぐさま同意した。
そして、シバの準備は終わった。しかしティアが、
「あの、ペコは連れて行かないんですか。」
「うん。さすがに危険だし。今回はおいて行くよ。」
「そう・・・よかった。」
「おまえ、何の心配をしてんだよ。」
ティアはかわいいものが大好きだ。ペコもそのクチだろう。


ワイヨン鏡窟についた。ここは、レプリカが造れる、フォミニンが採れる唯一の場所だ。
「ここからだよ。レプリカ反応があるのは。」
「よし行こう。頼むよ、シバ。」
「うん。まかせてよ!」
そう言ってシバとルークたちは、エンシェント鉱石を掘りながら進んだ。

「ん?これは・・・レプリカ装置ですか。」
ジェイドがそう言った。
「これが・・・レプリカ装置。俺もこれで造られたのか・・・。」
ルークが気に病むと、
「ルーク、落ち込むなよ。おまえには、まだローレライの解放っていう使命がある。今から世界を救うヤツがそんな顔してたら、どうしようもないだろう。」
「うん、そうだったな。」
ガイのフォローで、ルークはすぐに立ち直った。
「ミュウの出番ですの!」
チーグルであるミュウはそう言うと装置にアタックをかました。
「よし!これで終わりか、シバ。」
「まだ反応はあるよ。」
「進もう!」
ルークの合図に皆は歩き出した。

18個の装置を壊した。
「よし、これで扉が開くはずだ。」
パシューーという音立てて、穴の奥にある扉が開いた。

「教官!」
扉を開いてすぐにティアが言った。
「ラルゴ・・・シンク・・・それにアリエッタ!」
「なぜだ・・・」
ルークやガイも同様に驚いた。
「レプリカ・・・」
「どういうことだ!?」
「彼等は現時点ではもう死んでいます。彼等はレプリカに違いありません。」
ジェイドは確証があるように言った。
「そんな・・・」
ナタリアが言った。
「彼等が襲ってきます!どうしますか?」
ティアが訊くとジェイドは、
「戦うしかありません。」
「くそ!怨まないでくれよ!」
そういうと、敵は襲ってきた。


レプリカは能力が劣化していたから簡単に勝てた。
「俺、穴をでたら、この四人の墓を作るよ。遺体は音素の乖離で消えちまったけれど、このままなんてやりきれないよ。」
ルークが呟くと、
「そうね。教官達のためにも一生懸命に供養しましょう。」
ティアも同意してくれた。心強い。
「やはり、これはディストの仕業でしたか。」
「また、あいつ!生まれたばかりの人をこんな所に!ひどいヤツ!」
ジェイドが納得しアニスは頬を膨らませる。
「もう・・・ここを出ませんこと?」
「そうだな・・・もうここには用はないし、ナタリアもつらいだろうから。」
「ええ。ありがとう。心配してくださって。」
ガイもナタリアもここを出たい気持ちであった。
「よし。じゃあ、行こう!俺達の世界を取り戻しに!」
そう言ってルーク達は穴を出た。
ローレライの解放・・・その言葉は、ルークの胸を抉った。
しかし、仲間は大切だ。皆のためにも負けられない。
俺は音素の乖離で消えてしまうだろう・・・。さあ、いこう。ヴァンの元へ。


一行が去った後の穴入り口には、4つの墓と花が添えられていた。
ルークは思った。障気のない青空の下で、彼等は幸せそうに眠っていると・・・・・・

☆あとがき☆
小説書くの初めてな天叢雲です。
さて、とても長くなってしまいました。
最後まで読んでくださった方、本当にありがとうございます。
僕は長い文を書くのは、ちょっと得意な方なので、また機会があったらよろしくお願いします!
ちょっとパクリ要素が多かったですね;;

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