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記憶喪失


記憶喪失

カイル一行は、現代に戻るためのレンズをカルビオラでさがすために、トラッシュマウンテンにさしかかっていた。
「うわぁ~すごいゴミだなぁ」
カイルが、どこか感心したように呟いた。
千年前の、ナナリーの先祖達―天上人が天上から落としたゴミが山積みになっている場所―まさにトラッシュマウンテン=ゴミ山だったからだ。
「そうね…」
リアラも、嫌そうに呟いていた。もともと繊細そうなリアラは、どこか苦しげでもあった。
「ったく、酷いもんだね~、ナナリーのご先祖達は」
「そういうことは本人たちに言ってやってくれよ。また時間移動でもしてさ」
そんな他愛もない会話をしながら進んでいると…

ブシュッ

いきなり毒を含んだガスがジューダスの側のゴミの中から吹き出した。
「うわ!」
それを避ける間もなく、直撃を喰らったジューダは、そのまま倒れ込んだ。
「ジューダス!大丈夫!?」
まっさきにジューダスの元へと走ったのはカイルだった。
「う…」
小さなうめき声が聞こえる。どうやら生きているようだ(ぉぃ
「良かったー!ジューダス、無事だね!?」
「こ、こんな…」
ジューダスは、カイルの言葉は無視して何かを呟いていた。
「どうしたの?ジューダス!」
リアラも心配そうにジューダスの顔を覗き込んだ。
「何でこんな仮面被っとるんじゃー!!」
ジューダスはいきなりキレ、仮面を空高く放り投げたのだった。
「ジューダス!?素顔が!!」

一行が驚いている間にも、ジューダスは次に自分の服に・・・
「なんでこんなもん着とるんじゃー!」
「わ~待て待て!」
服を引き千切ろうとしたジューダスを、ロニが止めた。
「ねぇ、どうしちゃったんだよ~ジューダスー;」
カイルは、いつもと様子が違うジューダスに驚いて、尋ねた。
無論、ロニやリアラやナナリーも同じく疑問であった。
自分を取り囲んでいるカイルたちに気付いたジューダスは一人一人の顔を見回しながら言う
「ん?お前ら誰じゃ!?もしかして、老い先短いワシを殺そうとしとるのか? 」

え…誰?ジジ…??

ジューダスの口から出た言葉は、そんじょそこらのジジ語であった。それなのに声はジューダスのままだからタチが悪い。
「ジュ…ジューダスがぁぁ」
カイルはそう言うと、頭から後ろに倒れた。
「ギャー、カイルがショックのあまり倒れちまった~;」

「どうしたんだい!?ジューダス」
ナナリーは再度聞いてみる。
すると、ジューダスはわけが分からないといったような顔をして答える
「ジューダス?何を言っとる。わしはそんな名前じゃない。それよりも、ここはどこなんじゃ?」
「ここはカルバレイスのトラッシュマウンテンだよ。天上人のゴミ山さ」
そう答えたナナリーにジューダスではない男は嬉しそうな表情になった。
「本当か!?我等天上人の基地なのか?」
そんなジューダスではない男のセリフに、リアラ達は顔を見合わせた。
「ねぇ、コイツ…」
「幽霊かなんかとり憑いたのかねぇ?」
「ちょっとまて!幽霊なんかこの世にいないんだよ~!」
「ん?なんだい?いきなり震えだしてさ」
「そういえばロニはオバケ大嫌い、苦手なのよね?」
「そうなのかい?大の大人が恥ずかしいね」
「うるせー」

そんな3人の会話を聞いていたジューダスではない男は、いきなり頭をかかえた。
リアラたちが駆け寄った直後に倒れ、なにやらうわ言を言っていたが、3人には聞き取れなかった。
ジューダスではない男は、最期に寂しそうな顔になるとスッと目を閉じたのだった。


そして何十分か経ち、カイルが起きた。今までの状況を聞き、カイルどこかホッとした表情になった。
カイルは、隣で倒れているジューダスではない男に気付くと、その体を揺すった。
「ジューダス、ジューダス!」
そんなカイルに気付いたかのようで、ジューダスではないはずの男は目を覚ました。
「じいさん、どうしたんだ?」
ロニの問掛けにジューダスではないはずの男は、いぶかしげに眉をひそめた。
「な…誰がじいさんだと!?何言ってるんだ、ロニ!ついに頭がおかしくなったか?」
その口調はあのジューダスのもので…
カイルは喜びに涙を流しながらジューダスに微笑んだ。
「良かった~ジューダス!」
「無事だったのね」

「誰が頭おかしくなったって?…ブツブツ」
そんなカイル達の言葉にジューダスは、理解しがたいといったような顔をした。
リアラ達は、そんなジューダスに状況や、何があったのかを教えると、やっと分かったというような顔になった。同時に、「仮面が無い」と言ってひとりで騒いでいた。
ロニが、仮面を拾ってそんなジューダスに被せてやると、
「じいさん、元気か!?」
笑顔でふざけながらジューダスにそう言った。
「やめなよロニ」
カイルは、せっかく元に戻ったばかりのジューダスが可哀想で、そういった。
だが鈍いカイルとロニ以外は、ジューダスから湧き出る殺気を感じていて、後ろに退いていた。
「なぁじいさん、元気?」
ロニのセリフを聞き、ジューダスは不機嫌を明らかにしていて、次の瞬間にはスッと剣を抜いていた。
「じいさん、元気?」
ロニはにやにや笑いながら再三聞いてきた。どうやら剣を抜いたことに気付いてないようだ。
ジューダスは、そんなロニに邪悪な笑みを浮かべながら剣を振りかざした。そして…!






「あぁ!!!おかげさまですごく・・・元気さっ!!!!」
「わっ、ちょっ待っ!!ギャ―――――――――――!!」




その後、ロニがどうなっかのかは当事者のみぞ知る。



+++++++++++++++++
あとがき

またこういうオチですかルイさん?(殴

この話は、夏休み前から書いていたんですが、アップが遅くなったので今頃になりました。
時期は、初めて10年後に飛ばされて、カルビオラへ向かう手前、トラッシュマウンテンにいるというところです。
ジューダスにはまたも犠牲になってもらいました(酷
思えば自分の小説ではジューダスいじめすぎですね(ぉぃ
しかも、素顔見せちゃいましたwでも皆、リオンの顔は知らないはずなので、まぁ良いということで。
じいさんの名前は思いつかなかったので「ジューダスではない男」などと表記しています。
女性陣のキャラがたってないですね。ほとんど男性陣だけで話が進んでるようで…。
しかもまたまたギャグ路線ですみませんでした;次はシリアスな涙ものが書きたいですっっ(無理

この次はTOD2以外の小説も書けるようにしたいです。

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