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イクシフォスラー改造中

英雄に相談すると言ったカイルは、最後に母親の元へと向かった。
一人で話がしたい、と言うのでハロルドはイクシフォスラーの改造へ。
ジューダスもそれについていくことにした。





「ふぅん、つまり、カイルの両親がミクトランを倒してー
 んで、ソーディアンは永遠の眠りについた、と。」

ハロルドは一冊の本を読み、言った。
題名は『18年前の騒乱』。

「……んで、ジューダスはリオン・マグナスとして
 裏切り者扱いされてんのねぇ。」

「そうだ。」

「苦しくないわけ?そういうこと言われて。」

「僕はもうリオンじゃない。ジューダスだ。」

クスクスクス、とハロルドは笑った。

「わかってるわよ。ジューダス、でしょぉ?」

「……。」

ジューダスは黙ったまま、イクシフォスラーを見上げた。

「ねぇねぇ、『ジューダス』の意味、わかってる?」

本を置き、スパナを手に持った彼女は言った。
その質問にジューダスは

「……『裏切り者』。名は体を表すと言うが…。」

「でもねぇ、意味ないんじゃない?名前なんて。」

「お前が言うと、本当のように聞こえるな。」

「なにソレ、誉めてんの??」

「……フ。さぁな。」

なんなのよ、とハロルドは言ってドライバーを握る。

「……だが……確かに、名前は意味がないものだと思う。」

「何よ急に。気が変わったの?」

「……さぁな。」

再びそう言ってジューダスは顔を背けた。
視線の先には、雲ひとつ無い青空が広がっている。

「……ねぇ、これから、どうなると思う?」

「何がだ。」

「神様を倒しちゃった後よ。」

イクシフォスラーの内部に居る二人は、そう言葉を交わした。

「……歴史の修復作業が行われるんだろう。
 現代のフォルトゥナが消えることで……なんらかの干渉がある。」

「そうよ。……ナナリーの時代が変わるってコトよねぇ。
 んー……あ、でも……。エルレインもリアラも消えるってコトよね?」

「……そうなったら、僕はどうなると思う?」

仮面に隠れた紫水晶のような瞳が、曇った。

「……消えるんじゃない?
 カイルの両親と戦った後の時間から始まると思う。」

「……全ては無かったことになる、か。
 ジューダスは存在しない人間だからな。」

「そうよ……。私も、皆を知らないままで消えるってコトよね。」

「そういうことだ。」

カチッ、と何かのボタンを組み込んだ彼女は、ジューダスの方へと振り向いた。

「ま、それでも……きっと思い出すと思うわ。
 どこかに残ってる、欠片程の記憶が、ね。」

「……お前らしい答えだな。」

イクシフォスラーから降りた二人は、孤児院へと向かう。

「……きっと、どこかで、か。
 ……思い出す、ことが約束なのかもな。」

ジューダスはそっと、呟いた。

END



**後書き

初めまして、くろのあと申します。
クレスタに行った後、ハロルドがイクシフォスラーを改造しているときの話です。
……ハィ、自己満足でしかありません。
キャラが違うトコロがあると思います。すいません。

それでは、また会う時まで。
くろのあわふ~でした。

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