« 夢の現実物語【6】 | メイン | テイルズ オブ ファインド »

氷が解けるとき

氷が解けるとき





ある建物の暗く静かな廊下に一人の小さい少女が立っていた。
・・・いや、小さいというよりは幼いといったほうがいいだろう。しかし、その少女の顔に、浮かんでいる表情からは幼さは感じられない。まるで氷の仮面をかぶったように、その顔には冷たい表情が浮かんでいた。
少女の名前は、藤林すず、いわずとしれた、ダオスを倒した時空勇者の一人である。ちなみにここは闘技場である。
そしてなぜか外からは、怒号や、悲鳴などパニックになった人々の声が聞こえている。闘技場なのだから当然であるといえば当然なのだが、この騒ぎはただ事ではなさそうだ。ことの発端はつい数時間前にさかのぼる・・・・・・・・











???「はぁぁ!鳳凰天駆!」炎をまとった剣士がモンスターへと突っ込んでいった。
モンスター「グルぅ・・・グギャぁ・・・」        
解説者「ウィナァー!クレス・アルベイーーーン!!!」
????「へっ!やるじゃねぇか!」
???「やりましたね!クレスさん!」
????「やるじゃん!やっぱクレスは頼りになるねぇ。
    どっかのバカ弓使いとはちがってさ♪」
????「んだとぉ、アーチェ!それはオレのことかよ!!」
アーチェ「えっ?誰もチェスターなんて言ってないじゃん?自分で認めてんの?」
チェスター「やろぅ・・・今日という今日は絶対許さねぇ!!」
アーチェ「ふっ、このアーチェ様とやろうっていうの?」
???「お二人ともやめてください!」
????「そうだぞ、こんな人前で喧嘩なんて、周りに迷惑だろ?」
アー・チェス「ミント、クラース(の旦那)今回はそっちが悪いじゃん?(んだぜ!)」
ミント「はぁ・・・どちらも同じですよ・・・。」
クラース「とりあえず今は静かにしてくれ、それよりも・・・やったなクレス!」 
クレス「はいっ!ありがとうございます。」  
解説者「さぁ、チャンピオンにはガルフビーストヘの挑戦権が与えられますが、挑戦しますか?」
クレス「もちろん!!」
解説者「イェー!!それでこそチャンピオン!こいつは手強いぜー!試合開始!!」
ガルフビースト「ぐるるぅ」
シュっ、ビシ、ザシュ!
ガルフビースト「ぎゃーールぅ」
パタッ
クレス「なんだ!?」
???男「お前がクレス・アルベインだな?」
クレス「そうだけど・・・いったい僕になんの用だい?」
???女「主人の命により命を貰いにきた」
クレス「その服装・・・忍者のだよね?もしかしてすずちゃんの御両親?」
???男「もう語ることはない」
???女「いざ参る!」
キンッ
クレス「クッ!やぁ!」
???男「遅いぞ」
ザシュ!
クレス「ぐぁ!はぁ・・・虎牙破斬!!」
ザシュ!ザシュ!
クレス(よしっ!)
ぼん!
クレス「なに!?丸太!?」
???女「変わり身だ」ザシュ!
クレス「ぐはぁ!!」


チェスター「おいおい、マジでやばそぅだぜ」
ミント「クレスさん!!・・・きゃ!?」
アーチェ「なにこれ?観客席と会場の間に見えない壁が・・・」
クラース「これは・・・結界というやつか!?」
アーチェ「くっそ~!インディグネイション!!!」
バリバリバリバリ・・・ドーン
アーチェ「へっへぇ~どんなもんよ」
クラース「・・・いや、駄目だったようだ」
???男「貴様等ごときでは破れん、静かにしていろ」
ドン!ドス!ドン!ドス!
ミント「きゃ!」
チェスター「うぉ!」
アーチェ「ひゃ!」
クラース「くっ!」
パタ パタ ドス パタ



クレス「みんな!」
???女「他人を心配している暇などない」ザシュ!
クレス「くっ!(もぅだめだ・・・体に力が入らない)」
???男「これでとどめだ」
??「待ちなさい、忍法葉隠」ささぁーー
クレス「すずちゃん!?」
すず「大丈夫ですか?ここで休んでいてください」
クレス「うん、ありがとう。でも相手も二人だし僕も手伝うよ。」
すず「いえ、身内の処分は私がいたします」
クレス「え?・・・やっぱりあれはすずちゃんの御両親なんだね?だったらなおさら・・・」
すず「忍者は非情ではなければいけないのです。」
クレス「えっ、でも・・・うっ!」
すず「すみません、少し眠っていてください。」







???男「話し合いは終わったのか?まあ、ここにいるものは全員殺されることになるのだから話し合いなど意味はないがな」
すず「そんなことはさせません」
???女「あらら、こんな小娘に何ができるのかしらね」
すず「話すことは何もありません!いきます!」
???男「忍法曼珠沙華」
サッ サッ
すず「遅いです・・・えいっ!」
ぼん!
???男「変わり身だ。とりゃ」
ぼん!
???男「なにっ!?あんな一瞬の間に変わり身だと!?」
すず「御免!!」
ザシュ!
???男「ぐぅ」
パタッ
すず「ふぅ」
???女「油断しちゃだめよ」
ザシュ!
すず「くっ!」
???女「忍法影分身うふふ、どれが本物だかわかるかしら?」
すず(視覚に惑わされてはいけない、音を頼りにすれば・・・)
ジャリッ
すず「そこかっ!忍法雷電!!」
???「なにっ!?キャアァーー」
ザクッ!バリバリバリ・・・パタリ
すず「・・・・」
???男「すず、強くなったな」
???女「すず、良くやったわね」
すず「父上、母上!?」
父(銅蔵)「すず、忍者の道は一つではない。これから先頭領になったときには、今までの忍者を続ける必要はない。自分なりの忍者を見つけ、自分なりの頭領になりなさい。」
母(おきよ)「私もお父さんと同じ気持です。掟を守ることも大切だけど、自分を見失ってはいけませんよ。」
すず「っ!・・・」
銅蔵「さぁ、はやくとどめを」
すず「しかし・・・」
おきよ「お願いよ、すず。このままでは、私達はまたあなたに刃を向けることになるわ」
すず「っ!・・・・はぁ!やぁ!」
ザシュ、ザシュ!
銅蔵・おきよ(ありがとう、すず。がんばるのよ)
すず(父上、母上・・・すみません・・・)










と、ここで最初に戻るわけです。


すず(私は、私は・・・)
???「すずちゃーん」
すず「(この声は・・・)クレスさん?」
クレス「はぁ、はぁこんなところにいたんだね。」
すず「はい、なにか用ですか?」
クレス「えっ?・・・う~ん、その、すずちゃんが落ち込んでるんじゃないかと思ってね」
すず「落ち込む?私がですか?」
クレス「うん、いくら裏切り者とはいえ、自分の両親を・・・その、ころし・・・いや、傷つけてしまったわけだからね」
すず「・・・私は忍者です。そのようなことで落ち込むわけにはいかないのです。忍者は非情でなければいけないんです。だからっ・・・!」
クレス「無理しなくてもいいんだよ?忍者だって、僕達と同じ人間なんだから、嬉しいときは笑って、悲しいときは泣いてもいいと思うんだ。」
すず「しかし、それでは里のものにしめしがつきません!次期頭領となる私が掟を守らなくては、誰が掟を守るのですか!?」
クレス「うん、たしかにそうだね。じゃあこうしよう。僕達といる間はすずちゃんはすずちゃんだ。」
すず「?」
クレス「え~っとつまりね、僕達は忍者じゃないでしょ?だからすずちゃんが僕達の前で忍者の手本を見せる必要はないんだよ。だから僕等がいるところではすずちゃんはただのすずちゃんでいいんじゃないかな?泣いたり笑ったりしてもいいんじゃないかな?」
すず「!?(あぁ、この人はなんて・・・)」
クレス「あれ?すずちゃん?どうしたの?」
すず「うっうっ・・・」
クレス「すずちゃん?」
すず「クレスさん・・・私・・・わたし・・・うっうっ・・・忍者失格です・・・」
クレス「いいんだよ、すずちゃん。僕達の前ではもっと自然になろうよ」
すず「うっうっ(この人はなんて温かい人なんだろう)」









すず「クレスさん、ありがとうございました。おかげで心の中がスッキリしました」
クレス「ふふっ、やっと笑ってくれたね。」
すず「えっ!?わたし今笑ってましたか?」
クレス「うん。これからもその調子でね!」
すず「はいっ!」









すず(父上、母上、すずは今日初めて泣き、初めて笑いました。忍者としては失格かもしれません・・・でもすずは今とてもきもちいいです。父上母上のいっていたことはまだわかりませんが、この仲間達となら答えを見つけられる気がします。見ていてください。
すずは絶対に自分を見失わずに、自分の道を真っ直ぐに歩いていきます!!そして絶対に敵をとって見せます!!)






~あとがき~
どうも、ニィジィです。ひゃ~~。やってしまいました。このサイトに小説を載せられるなんて、激しく光栄です!!初めて書いた小説なのでまだ右も左もわからないような状態ですが、よろしくお願いします。もしよろしければ、感想お願いします。応援でも、突っ込みでもかまいません。それを励みに次を書いていこうと思います。

コメント

よかったです

コメントする